かれこれ10年。若く見えても古稀は古稀
『古稀70歳を元気で迎えた仲間が共に祝杯を挙げよう』と銘打った高校のクラス会。
新潟在住の恩師が、奥様ともども参加されて大いに盛り上がった。
男25人、女25人。50人の一クラスが一人の担任で3年間受け持っていただくという、当時も今も珍しい現象のクラスであった。
きわめて問題の少ないおとなしいクラスで評判だった、と思っている。
ここにきて、50人居たクラスが一人減り二人減り、消息不明者を合わせると、案内状発送は32人しかいない。そのうちの17人の出席といえば、53%もの高い出席率となる。
幹事の想いとしては、もう少し努力が足りなかったかなと思わないことはないが、恩師ご夫妻を入れて総勢19人。話が一つにまとまるのも容易なほどよい人数。と自画自賛!
盛り上がったねー。何にもしなくても笑い声は響く、ビールは飛ぶように売れる。
物静かで、どちらかというと地味な男が、本気で自分史でも書いたら、誰も真似の出来ない波乱万丈の生き方をしてきていたり、落ち着きのないよくしゃべる男が、仕事で世界各国を回ってきた実績をひけらかしたり、秀才だった彼が、ドライブインのオーナーシェフとしてがんばっていたり・・・。
たったこれだけの人数でさえ、一人ひとりの生き様を絵に描いたら、さてどんな多くの絵が掛けるのだろうと思わせる豊かな、それぞれの人生に思い至る。
もちろん男だけでなく女性にも壮絶な生き方を、笑顔の下に忍ばせている人も見える。それでいいのだ、いやそれがあるからクラス会や同期会の幹事はやめられんのだ。
それにしても、先生というのは羨ましい職業であると改めて思う。
誰からも、どんなワルガキからも、摺りよって頭の一つもなでてもらいたい仕草をする。ただ先生という職業の頭の構造は、我々凡人のものとはワケが違うことがわかる。
あの記憶力。50数年前の一人ひとりの特徴や考え方、性格まで全てがインプットされていること。「お前はあーだったよな」「こいつはもともと文才があったよなー」「彼は職人タイプだったなー」「彼女は間違いなくいいお嫁さんになると思ったよ」などなど。その一人ひとりに当たりがあって外れがない。
そんな仲間が全員揃って繰り出す二次会。歌う歌がまたその男ならではの選曲をするのが面白い。どうかすると延々朝まででも続きそう。実年齢よりはるかに若い!
何が辛いといっても、完璧にその気になってまだまだ歌い足りない顔をする友に、「そろそろお開きに・・・」と水を差す幹事の辛いこと。これさえなければいくら幹事をやっても構わない・・・とまでは思わないが、あの時は辛いのだ。
中学校の大人数もあれはあれで「ヨッシャーッ!」と満足する。高校クラス会はまた違った大人感覚の味がする。これがいい。やっぱりいつまでたっても幹事バカから離れられそうもない。前回のクラス会からかれこれ10年。あのころとあまり変わった気がしない。またいつの日か・・・。「アンタもスキね~・・・」だけは言わないでね。