椿井嶺のトレイル歩きをした人は高原状の迷路のような分水嶺を覚えていると思いますが、その一角にノミ峠があります。
北国街道と敦賀側杉箸を結ぶ峠であり、杉箸は大きな集落で昔からこのあたりの中心的な存在だったようです。
とはいえ使われなくなって長い時間が経ち忘れ去られた峠で、ルートも不明で以前から気になっていました。
杉箸と池河内の間に鳥頭谷橋があり、ノミ峠から流れ出る谷が鳥頭谷ということがわかります。
谷に入ってみると両岸は多くの石垣が残り山の田であったようで壮観で、峠道もここを通っていたと考えられます。
これをぬうように登ってゆくと谷は狭まり道跡も流されたのか消えてしまいます。
けものみちを伝い、小滝では直登しながら進むと源頭では流れは3つに分かれますが、けものみちに従って真ん中の沢の5mほどの滝を巻いてその上の緩斜面へ抜け出ます。
階段状になっていて人の手が入っているように見えますが峠道らしきものはなく、少尾根をそのまま登り杉林の分水嶺へ。
ノミ峠へトレイルを伝って移動し、尾根を下り始めると深く掘れた古道が登場です。
とはいえアッというまに杉林のなかに消えてしまい、その下は登った谷につながる急斜面で追跡はあきらめ独標500から尾根を下り鳥頭谷橋の上流側へ降り立ちました。
峠道は断片的にしかわかりませんでしたが、立派な山の田跡が見ることができ、花いっぱいで変化のあるいい谷歩きと尾根歩きができました。
今日は霧の分水嶺であり、視界がきかず地図とコンパスで下りましたが、久しぶりの心地よい緊張感でした。