怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

教育実習の延長?(TVニュースより)

2005-12-03 21:29:21 | 教育
今朝、出がけにTVニュースで、上越教育大学の学生が「3か月の教育実習をこなすことで、より実践的なスキルを身に付けて現場にでることができる。」という話をやっていた。
例の東京都などの青田刈り実習(=教師塾)と同様のものだろう。

上越教育大学の教官が「以前は大学の養成を、現場で実践をという形でうまくいっていたが、今はそうではなくなっている。」というコメントを述べていたが、そのことに対する批判的な視点はない部分が気になった。
現場を苦しめているのは、そういった現状に対してあくまでも受け身で行くことを強いる無言のプレッシャーではないだろうか。
今は以前と違うのだから、それなりの対策をとるということはわかる。
が、ちゃんとした分析もなく、若手を無用に鍛えればよいという考えはあまりにも短絡している。

実習生が清掃指導時に級友の机の向きが反対になって下げられていたことに対し、それを正しく直すように指示した。
ところが、当番の子は、自分がそういう向きにしたわけではないのでやりたくないといい、指示にしたがわず立ち去る場面がながれた。
実習生は指示が通らなかったことに対する指導を教諭に教わる。

こういうシーンは「指導力不足」を意味するのだろうか?
何をいいたいかというと、この実習が実践力を目指すのであれば、これが実践力になるのか?ということだ。
こんなものを繰り返すことにこの実習の意味を見いだすのならば、3か月だろうが、1年だろうが、その成果はたいしてかわらないだろう。
なんかあんまりな例を放送されて、教育や教員のイメージのへんな固定化につながらないといいなと感じた。

ここでは当たり前のように行われているが、初任者などではない学生をOJTのシステムに組込むようなことを考えは誤りだと思う。
もう、すでに現場OJTはほとんど無意味な研修漬け、現場実践からの乖離に悩む状況にあり、混乱をまねいているとさえいえる。
以前に示した「初任者の年間100時間程度に及ぶ学級からの引きはがし」「指針のない膨大な報告書」「5年間以上の研修設定」などを例にあげるだけでもひどいものだ。
しかも、そのほとんどが現場への負担を顧みない、児童のために働き、学ぶ教師を本来の姿を奪うものばかりだ。
(保護者がその実態を知ったならば・・・と考えると背筋が寒くなる)

今、新に初任者以前に学生さえ巻き込もうというのだからどうしようもない。