フリーランス的発想のススメ

~フリー満喫講座~

ピクニック at ハンギングロック

2013年01月31日 | ヨーロッパ・その他
監督:ピーター・ウィアー
主演:レイチェル・ロバーツ
   アン・ランバート
   ヘレン・モース

 ピクニックの途中で美少女たちが失踪するという、そんなあらすじだけでもうワクワクせずにはいられない!という映画をやっとこ全編通して見ました。コレ、サイッコーにおもしろいです!ってか、最初のカットでもうすでにノックアウト。
だってコレですよ(↓)



いんや~ぁ眼福、眼福。
 この映画は謎だらけで、その謎は一切解明されません。でも、それでいいのです。だって、この年代の少女たちの行動や言葉を、正確に解明できる人などいやしません。当の本人たちにだって分らないのですよ。それを他人や、まして大人に分かるワケがありません。そんな少女たち特有の、危うくも虚ろげな、そしてちょっぴり恐ろしい生態を「失踪事件」とからめて表現した映画だと思います。(少女時代とは一瞬で、二度とは戻ってこないもの。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)


テトロ

2012年11月16日 | ヨーロッパ・その他


監督:フランシス・フォード・コッポラ
主演:ヴィンセント・ギャロ
   アルデン・エーレンライク
   マリベル・ベルドゥ

 近年のコッポラ最高傑作とのフレコミに惹かれて、鑑賞。もともとコッポラは好きな監督で、私にとってはハズレのない人です。んで、この「テトロ」。(副題「過去を殺した男」←ヤメてぇ)これコッポラだと言われなければ分からないほど、手法が変わってます。最近の映画にはリアリズムが求められてると思うんですが、(バットマンですらリアリズムを感じる)この映画では「リアル」をわざと排除してるような感じがしました。モノクロのパート(現在)とカラーのパート(過去と戯曲)が混在していて、モノクロはまるで現実の世界から逃げているかのような、感情が不安定に彷徨っていて、それでいて突然ガツンとした恐怖を与えたりもしている。カラーは全て過去のことなんですが、その過去も事実というよりは物語のようになっていて、そこもやっぱりリアルさが薄い。おそらくテトロの目から見たら、現在は色あせた世界で、過去は鮮明で強烈な色を放ってるということなのかも。全編を通して漂う不安感みたいなものは、モノクロの光と影の使い方から来るものと、テトロ役のヴィンセント・ギャロが醸し出す雰囲気とで、相乗効果は2倍になってました。
 最近はリアルな映画が当たり前だと思っていたので、なかなか感情移入がしづらかったんですが、ラストは泣きましたねぇ。って結局、どっぷり浸っていたということです(笑)しかし、あれだけ映画を撮っていながら、今またこういう映画が撮れるコッポラって、凄いな。(「ランブルフィッシュ」をもう一度見たくなった。☆☆☆☆☆☆☆☆)

トレインスポッティング

2012年10月30日 | ヨーロッパ・その他


監督:ダニー・ボイル
主演:ユアン・マクレガー
   ロバート・カーライル
   ケリー・マクドナルド

 超有名な青春疾走オシャレ映画ですが、今回が初見です(苦笑)コレ見てやっぱり私はダニー・ボイルが好きじゃないんだなぁと、確信できました(笑)「スラムドッグ$ミリオネア」も好きじゃないというか、どちらかと言うと嫌いな方に近かったんですが、なんだかんだ薄くて軽いと思うんです、ストーリーが。あと『汚い』シーンがある。ダメなんですよ、ホントに。汚いシーンは、グロいシーンと同じくらいムリ…。必要な汚さはしょうがないけど、不必要な汚さをワザと挿入するのは、監督自身の品性を疑ってしまう。。下品と言うよりは「ゲス」なカンジ。
 映像はおもしろいし、ヒネリもあるから好きな人は多いとは思うんですが、私はこの監督、どうにも好きになれないです。(ガイ・リッチーが好き。☆☆☆☆☆☆)

邪魔者は殺せ

2012年09月23日 | ヨーロッパ・その他


監督:キャロル・リード
主演:ジェームズ・メイソン
   キャスリーン・ライアン
   ロバート・ニュートン

 WOWOWで「戦慄のサスペンス100時間!」なんてモノをやっていたとはつゆ知らず(汗)気付いたらその大半が終わっていたんですが(苦笑)、とりあえず「邪魔者は殺せ」には間に合って観賞できました。この「邪魔者は殺せ」という邦題、映画の内容とまったく合ってないんですが、どうしてこうなった?(原題は「Odd Man Out」)
 アイルランドの独立のために結成した地下組織が、資金調達のため強盗を行い、誤って1人を殺害、自身も左肩に重傷を負ったリーダー(ジョニー)の、長い長い一夜の出来事。ジョニーは逃げ切ることが出来るのか?が映画の中心なんですが、実はこのジョニーに関わった人々の、人間群像が主題だと思います。
 原題の「Odd Man Out」とはジョニーのこと。(ゲームなどで1人余ってしまう人のことを指す言葉らしい。異端者、のけ者。)重傷を負ったジョニーは仲間からはぐれ、1人で逃げることになるんですが、ストーリーはジョニーの視点では進まず、ジョニーを犯罪者とは知らずに傷の手当てをする人や、警察から賞金を懸けられたお尋ね者と知って接する人など、街の住人の視点で進んでいきます。ジョニーに関わる多くの人たちは、社会からちょっとハズれた人々。その人たちもまた「Odd Man Out」だったんじゃないかと思いました。たった一夜の物語とは思えない、たくさんのモノが詰まってましたね。
 モノクロ映画ですが、すごく美しかったです。モノクロの方が『表現』という点では、カラーよりも優れてるんじゃないかと思わせる映像美でした。(全編を覆う『品格』に。☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

ソウル・キッチン

2012年05月27日 | ヨーロッパ・その他


監督:ファティ・アキン
主演:アダム・ボウスドウコス
   モーリッツ・ブライプトロイ
   ビロル・ユーネル

 おもしろかったなぁ~。サイコーにおもしろかった。数年ぶりに映画で爽快な爆笑を得られましたね(笑)あと、主人公のジノスが、バルセロナのプジョールに見えてしょうがなかったです。(カーリーヘアとガチムチ体型が)
 ドイツのハンブルクにある「ソウルキッチン」という名の大衆レストラン。このレストランを経営するジノスはとってもいいかげんで、でもこだわりはけっこう持っていて、美人の彼女もいて、その彼女が仕事で上海に行っちゃって、追っかけて上海に行くためにお店をお兄ちゃんに譲っちゃって、そしたらそのお兄ちゃんがぜんぜんダメなやつで…と、次々にトラブルが起こるんですが、もうそのダメっぷりが笑えます。
 ダメダメなんだけど、人がいいから幸運も訪れる。そのトラブルと幸運が、どちらも『必然』で無理がない。そりゃそうなるよね~と妙に納得してしまいます。彼が巻き込まれる出来事に大笑いしつつ、最後はなんだか嬉しくって、涙が出そうになりました。(ぜんぜん泣ける映画じゃないですよ!サイコーに笑える映画です!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

ミスター・ノーバディ

2012年05月09日 | ヨーロッパ・その他


監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
主演:ジャレッド・レト
   ダイアン・クルーガー
   サラ・ポーリー

 WOWOWでやってたのを録画して観ました。最初、映像が凝り過ぎていて「オシャレ映像」に酔ってるだけの映画かも…と不安になったんですが、「オシャレ映像」という安直な言葉では到底くくれないほどの、ものすごい労力がそこにはありました。
 内容は簡単に言うと、パラレルワールドです。主人公のミスター・ノーバディ(誰でもない人)は、人生の分岐点で、枝分かれした人生の全てを経験します。死に至る人生もあるし、別の女性と結婚する人生もある。それがもう何十通りもあって、なおかつ同時進行してたりもする。ひとつの映画でこれほどのストーリーを観たことは、いまだかつてなかったですね。
 細切れで入り組んでいるにもかかわらず、すんなり受け入れられるのも不思議でした。瞬間瞬間で別の人生が入ってきたりするのに、今の彼はどの人生の彼なのかがちゃんと分かる。それを可能にしてるのはジャレッド・レトの演技力だと思います。この人天才じゃないかな。顔は誰かに似てるんですよねぇ。誰だったかなぁ~とずっと考えて、やっと思い出しました。アクイラーニです。



 左がジャレッド・レトで、右がアルベルト・アクイラーニ。ってか、アクイラーニって誰やねん!って話しですよね(汗)ええ、そうです、サッカー選手です。現在ミランにレンタル移籍中で、おそらくEURO2012ではイタリア代表として出場すると思います。EURO楽しみですね!【追記】代表からもれました。。残念(涙)
 脱線してしまいましたが、非常におもしろい映画でした。撮影に半年、編集に1年。その1年の間、ストーリーのいくつかを「もうムリ、ハショッちゃえ!」と思わなかったことに(+労力を惜しまなかったことに)敬意を表します。
 子ども時代を振り返りながら彼が言います。「選択をしなければ、すべての可能性は残る」。果たして、どの人生がホンモノだったのか。それは、観た人の選択なのかもしれません。(膨大な労力に☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

シルビアのいる街で

2011年10月30日 | ヨーロッパ・その他


監督:ホセ・ルイス・ゲリン
主演:グザヴィエ・ラフィット
   ピラール・ロペス・デ・アジャラ
   ターニア・ツィシー

 正直に言います。途中3回ほど居眠りしました(苦笑)。これはおそらく、男性が観た感想と女性が観た感想で、まっぷたつに分かれるんじゃないかと思います。私は一応女性なので(心はオッサンですが)非常~~~に、眠かったです(苦笑2)。
 この話に説明は一切ありません。主人公の男の子が普段なにをしているのかとか、いやその前に名前すら分かりません。映画には女性がたくさん出てきます。正確に言うと多くの女性が映ってます。当然、彼女たちにも名前はありません。しかしこの映画のタイトルは「シルビアのいる街で」です。
 この「シルビア」とは名前らしきモノです。唯一ある名前に「実体」がないのです。彼はカフェで見つけたある美しい女性に向かって叫びます。「シルビア!」と。結局そういうことなんだと思います(どういうことだ?)。ここからは私の勝手な解釈ですが、この男の子にとっては誰でもいいのです。気に入った子を「シルビア」と名付けてストーキングし、「シルビア」ではないと分かると、最悪だと言って嘆くのです。おそらく、どうやって1日を過ごしていいのか、何をしたらいいのか、分からないんだと思います。こういう子はもしかしたら増えているのかもしれないですね。
 男性が観ると、一途な恋の物語に見えるようです。不思議です。私には、働く気力もなく、生きる気力もない若い男の子が、なんとか生きる意味を探そうともがいてる映画に見えました。(シルビアと呼ばれた女の子がカワイイ。☆☆☆☆☆)

100,000年後の安全

2011年05月14日 | ヨーロッパ・その他


監督:マイケル・マドセン

 今秋公開予定だった映画「100,000年後の安全」が、震災と原発事故を受けて緊急公開されてました。福岡市内ではKBCシネマで現在公開中です。放射性廃棄物の最終処理場としてフィンランドのオルキルオトの地下深くに、永久地層処分場の建設が行われているらしい。(2020年完成予定)その建設のドキュメンタリー映画で、この『永久』とはいったい何年なのか?それが10万年です。
 建設の現場も出てきますが、その処理方法に携わった専門家の話を中心に映画は進行していきます。映像は驚くほど美しく、音楽はいい知れない恐怖を感じます。監督はコンセプチュアル・アーティスト(前衛芸術家)だそうな。なるほどね、と思ったのは、途中もの凄く眠くなったから。(苦笑)眠くなったのは私だけじゃなく、その場にいた半数以上は寝てたと思います!(前衛芸術はときどき見てる人を置いてっちゃうことがありますからね。←イイワケ)
 ただ、この映画が言いたいのは最後のメッセージなのでモーマンタイです。



 10万年後の世界がどうなってるかなんて、誰にも分からないし、想像もつかない。果たして、現在の言葉は未来の人類に通じるのか?分からずにこの処分場に入り、放射性廃棄物を触ってしまったらどうしよう。どうか10万年の間、誰にも触れられずに静かに眠っていますようにー。そんなメッセージ映画なのです。(いろいろ考えました。眠くなったけど。☆☆☆☆☆☆)

エレニの旅

2011年01月18日 | ヨーロッパ・その他


監督:テオ・アンゲロプロス
主演:アレクサンドラ・アイディニ
   ニコス・プルサニディス
   ヨルゴス・アルメニス

 映画の感想をちゃんと書くのはいつぶりでしょうか。(いや、ちゃんと書いたことないけど…)めちゃめちゃ寒い日に、外に出るのをあきらめて録画しておいた映画を観ました。それが「エレニの旅」。
 アンゲロプロスの映画は観たことなかったんですが、いろんなサイトのレビューで「映像が美しい」と賞賛されてたので録画してました。果たして…映像は美しかったですよ。まるで絵画を見てるようでした。構図とか演出とかカメラワークなどは、舞台劇みたいで。それでいて、ドキュメンタリーのような本物の生活感が町全体にあった。
 その秘密が映画のホームページに書いてありました。「大きな村落を2つ実際につくりあげ、それぞれ百軒以上の家々にスタッフや俳優たちが住んで暮らしたうえで撮影にかかった。」これほど徹底して作られた映画って、最近ないですよね。(2004年公開)村の1つは後半水没するんですが、まったくCGを使ってないってことが凄かったです。
 物語は1919年~1949年、ロシア革命によって難民となったギリシャ人女性の半生。『エレニ』とは、ギリシャではポピュラーな名前で、ギリシャの愛称でもあるらしい。まさに、ギリシャの運命をエレニ自身が背負っていきます。つらい始まりからつらいラストへ。
 この映画は3部作の1作目にあたるらしい。2作目はまだ公開待ち。続きは見たいけど、何年でも待てますね。そんな風に思える映画でした。(徹底したアナログの手法、絵画のようなシーン、決して手を抜かない丁寧な作りが、いつまでも心に残る。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

GOAL! -step 1・2-

2009年08月25日 | ヨーロッパ・その他
監督:ダニー・キャノン[1]、ジャウム・コレット=セラ[2]
主演:クノ・ベッカー
   アレッサンドロ・ニヴォラ
   アンナ・フリエル

 サッカー映画「GOAL!」は3部作らしい。step3は欧米ではすでに公開されDVDにもなっていますが、日本では未公開&DVDの発売もまだ。ということで、1と2を見ました。
 step2から先に言うと、こちらは明らかにレアル・マドリードのプロモーション映画なので、レアルファンでなければわざわざ見なくてもいいカンジ。なんですが、step1は良かったですよ~!貧しかった青年が才能を買われてイングランドのビッグクラブに入団、挫折を繰り返しながら成長していくという、分かりきった展開なんですが、これが普段見てる選手たちとオーバーラップして、きっと実際の選手たちも同じ思いをして今の地位にいるんだろうなと考えると、かなり泣けます。(アホですか?)
 さらに!この映画のほんとの見所は、なんと言っても試合のシーン。ホンモノの選手もバンバン出てきます!step1は2005年製作なのでちょっと若いランパードやジェラードが見られたり、現在ニューカッスルの監督をしているアラン・シアラーは、この頃同チームのスター選手としてバリバリプレーしているし、取って付けたようにベッカム、ジダン、ラウールなんかも出てくるので、お得感タップリ。
 タイトルどおりのストレートな作りなので、欧州サッカーを見てない人でも十分楽しめる内容になってます。(見てればもっと楽しめる!)ちなみに、step3は評判がかなりよろしくないようで、もしかしたら3のDVD化はないかも・・。(ベニテスが映ったときは吹き出した。☆☆☆☆☆☆☆)