ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

X線検査で受ける放射線量は?

2011年03月30日 | 東日本大震災
毎日のように、各地の放射線レベルが報道される。
どこそこの水道水だの、どこそこの野菜だの。
ここ数日は、放射線量も減ってきている感があるが、
小さいお子さんを持つ親御さんや妊婦さんは、人ごとではなかろう。
政府発表の「直ちに健康に被害はない」という言葉の意味は、
医療従事者ならだいたい想像はつくのだけれど、
「直ちに」じゃなければ、いつまで続けば危ないのか、と不安になるのが普通だ。

そこで、X線検査を受けた時の放射線量はどのぐらいなのか、調べてみた。
2004年:日本放射線医学界雑誌より抜粋したのが、次の表。
μSV(マイクロシーベルト)なら、というのは、わたしが書き加えたもの。
(うまく縦のラインがそろわないのはご容赦下さい)

   検査     部位     単位(mSV)  μSVなら
  一般X線  頭部(単純)     0.1     100   
        胸部(単純)     0.4     400
        胃(バリウム)    3.3     3300
  X線CT  頭部         2.4     2400
        胸部         9.1     9100
        上腹部       12.1    12100
        下腹部       10.5    10500
  集団検診  胃(透視)      0.6      600
        胸部(撮影)     0.06      60

1mSV(ミリシーベルト)=1000μSV(マイクロシーベルト)と換算する。

例えば、今日の福島市は約3マイクロシーベルトだった。
これは、1時間あたりの放射線の量である。
つまり、今日の福島市民が、1時間、すっぽんぽんで外にいた場合、
約3マイクロシーベルトの放射線を浴びる、ということになる。
ただし、それが全て体内に取り込まれる訳ではない。
雨量や花粉などと同じイメージで捉えていただければいいだろうか。
24時間に換算すれば、3×24=72(μSV)だから、
胸のレントゲン写真1枚(400μSV)よりも、はるかに少ない線量なのだ。
しかも、レントゲン写真は明らかに「胸部に」放射線を当てる。
レントゲン写真1枚で健康被害がおきたらどうしようと悩む人は、あまりいないはずだ。
その上現実には、24時間素っ裸で外にいることはあり得ないので、
連日の放射線量に恐れおののくのが、いかに馬鹿馬鹿しいことかがわかる。

かといって、このまま原発事故がおさまらない限り、
一般市民の方々の不安も、風評被害も消えることはない。

東京電力の現場の方々も自衛隊も警察官も消防隊の方々も、連日命がけだ。
その方々こそは、今後、健康に暮らせますようにと、日本国民の誰もが心から祈っているはず。

東電の社長さん、入院なさっていらっしゃる場合ではないと思うのですが・・・。



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