ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

放射線報道に慌てないで下さい

2011年03月24日 | 東日本大震災

福島第一原発事故は、回復のきざしがあるのかないのか、
政府・東電の発表は、まだ予断を許さないとのこと。
発表される放射線濃度は、日ごとに少なくなってはいるようですが・・・。

でも、ここにきて、やはりというか、風評被害が目立ってきました。

野菜農家も、酪農家も、大打撃です。
東京都の水道まで、検出されたという報道で、日本中がおかしくなっています。

先日、福島県立医大やいわき市、福島市などで、
長崎大学医学部教授 山下俊一 先生の講演がありました。
山下先生は、チェルノブイリで被災した子ども達を20年間診療した経験を持つ方です。
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/interna_heal_j/chernobyl-2.html
県立医大での講演内容を、聴いた先生方からMLで知らせていただいたので、ここにも書いておきます。


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 一言で言えば、乱暴な言い方ですが山下先生の講演内容は
  「自分がチェルノブイリを20年以上調査をしている経験から言うと、
  今回の事例は避難距離をとっていれば問題ない。私が言うのだから信じて下さい。」
 という内容でした。
 口調は非常にソフトで科学者の牧師さんに放射線被曝について話を聞いたような感じでした。
 会場内すべて聞き入っていました。

 以下箇条書きに書きます。

 1.日本の国は原発立国なのでそれなりのリスクはある。当然東京でも今回の影響は測定される。
   関東圏の人が長崎まで来るような事例があるが、原発に対するリスクコミュニケーションの不足による。

 2.原発で現在作業をしている方々はまさに決死隊であるが、避難地域圏外の人々が逃げ出してしまうのは、
   正しい情報の伝達と理解がされていないからである。

 3.現在の避難距離には論理的裏付けがある。

 4.1年間の自然被爆量は2.4mSev/yearであるが、
   現在の医大保育園のすぎのこ園の園児の測定では2.0mSev/yearであった。

 5.チェルノブイリ原発事故で最初にその異変に気付いたのは、
   数千キロ離れたスウェーデンの原子力発電所であった。今回の事例は全く違う。

 6.広島、長崎の原爆投下後、草木も生えず、復興に何十年も掛かると思われていたが、
   実際は半年後から復興が開始された。
   今後、原発の状況が終息した時点で、あらためて被爆状況を測定し、復興が開始されるだろう。
   国が主導し勧められるべきである。

 7.食品は当然サーベイは必要であるが、避難勧告圏外に関しては摂取しても問題ない。

 8.福島の人々には現状を正確に捉え、
   将来的にも正確に把握しここから全世界に情報を発信して行かなければならない。
   長崎大学は大学をあげて協力を惜しまない。

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つまりは、現段階では、慌てることはなく、いつも通りの生活をしていればよい、
ということのようです。
もちろん、乳幼児に対しての予防対策は必要ですが。



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