ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

わたしのブログをお読みになって下さる方々へ

2011年07月07日 | 東日本大震災
6月11日の「福島で暮らすということ~小児科医として思うこと」に対し、
たくさんのコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
急にアクセス数が伸びたことに最初はびっくりいたしました。

はじめはおひとりおひとりに返信をしようと試みておりましたが、
もともとブログを書く時間は夜中になってからしかとれないので、
すでに個々のコメントにお返事することには限界があります。
いただいたご意見は、ちゃんと拝読いたしておりますので、申し訳ございません。

 なら、コメント受付するな、とか、そもそもブログなんて書くな、
 というご意見もいただきそうですが・・・(^_^;)

それから、わたしの意見は県内小児科医の総意ではないことは、もちろんです。
少数派ではないとも思っています。
当然ですが、反対の見解をお持ちの方々もいらっしゃるでしょう。

わたしはツイッターはしていないのですが、
今回、「福島で暮らすということ~」で検索して、読ませていただきました。
賛同意見もあり、反対意見もあります。当然のことと受け止めています。

ただ、ツイッターにもブログ内のコメントにもありましたが、
「こんな意見を流布し、子ども達の避難を阻止しようとして、それでも小児科医か?」
というご意見ですが、それは違います。

避難・転居したいと考え、それが可能な方はそうなさっていい、と思っています。

それができない方々や、しないと決めた方々も、現実には多くいらっしゃる、
ところが、さまざまな週刊誌やネット上では、
まるで避難・転居しないでいれば「確実に」子どもは将来がんになる可能性が高くなる、
そういった情報があまりに多く、実はそうではないのですよ、
ということを、お伝えしたい、それが主旨です。

このように表現すると、「ここが危険だ」と信じ込んでいらっしゃる方々には、
何をどのようにご説明しても、「それでも小児科医か?」という批判にしかならないと思うのですが、
何度でも、申し上げます。

「福島市は、いますぐ子ども達を避難・転居させなければ、将来高い確率でがんになる」
状況ではありません。

もちろん、リスクはゼロではありません。現実に低線量の放射線レベルが続いていますから。

では、ここに住まざるを得ない方々は、どうやって暮らしていったらいいか。
わたしは、その方々(お子さん)が不安を抱えたまま福島で暮らすことがないよう、
励まし、見守っていきたいと思っております。

週末の県外脱出でもいいですし、夏休みどこかに短期滞在でもいいし、
市内でも線量の低いところで思い切り走り回って遊んでくるだけでもいいし、
県産のものはなるだけ食べないようにすることでもいいし、
現実にここで生活していくことになる方々が、できる工夫をしながら暮らす、
それでも十分な対策だと思っています。

大切なことは、福島で生活するにせよ、転居するにせよ、それは、そのご家族の問題であり、
第三者がそれを決めることではないということです。
わたしの役割は「医学的にきちんとした情報」を提示することだと思っています。

 この「医学的にきちんとした情報」がすでにウソだと信じている方々には、
 これまた、何を言ってる!! と批判の対象にしかならないのだな、と思いますが・・・。

いただいたコメントへのわたしの考えは、ブログで書いていきたいと考えておりますが、
まずはこれだけ、ここに書きます。

「県外脱出者が (ゆん)」のコメントをよせられた、ゆん さんへ。
(7月4日付けの民報新聞の第一面記事および広瀬隆氏については、別エントリでいずれ書きますね。)
ゆんさんのコメントで、わたしの「今すぐ避難するほどではない」という意見は、
福島から子どもが消えたら「営業に差し障りがでるから」ではないか、というお考えですが、
これは大きな誤解であるということを、強く申し上げます。

言われて初めて気付きましたが、おっしゃるように、そのような側面はあるでしょう。
ですが、わたしたちには今、そんなことを考えている余裕はありません。

3月12日に福島原発事故がおきて、まだ終息の見通しも立たず、今後どうなるのかも解らなかった頃、
夫とふたり、話し合って心に決めたことがあります。
それは、今後、もし万が一、福島県全体に避難命令が出ることになっても、
わたしたちは、最後まで残ろう、ということです。
http://blog.goo.ne.jp/yi78042/e/922bc94c995490c0336c125fd6c1cb8a

この考えは今も変わってはいません。

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30 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-07-07 08:35:40
低線量の放射能を、長期間に渡って浴び続けるとどうなるのかなんて人類史上初めての事なんで、結局のところ誰にもどうなるかなんて解らない。
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お久しぶりです。 (いわき市の住人)
2011-07-07 10:48:39
毎日先生のブログを見ています。
やはり、放射線に関して、みなさまいろいろな意見をお持ちのようですね。
私も、爆発時は、いわきは危ない、早く避難しないとと思っていましたが、先生のブログや、放射線のスライド、自分で情報をあつめ、最終的に、ここに今は住もうと決めました。
というのも、放射性物質というのは自然界にも存在し(今回の人工放射性物質とは異なりますが)、我々は常に外部、内部被ばくをしている事が大きな理由になりました。
もう一つは、たばこは直接煙を吸わなくても、ふくりゅうえん?(漢字がわからなくてすいません)でも、1.2ミリシーベルトに相当する被ばくをしているとの情報をみたからです。
それは子供は関係ないだろう!!と言われるかもしれませんが、外に子供連れて出かけ、周りでたばこを吸っている人がいても、何も気にしませんよね?友人がたばこを吸っている傍で、普通にその友人と話をしていますよね?
一体、何が危険なのか、私は微妙の放射線はそれほど気にする必要はないかなと思います。
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素晴らしい (竹本淳一)
2011-07-07 12:40:42
素晴らしいです。

使命を持ち、お二人ともご職業に誇りをもって
いらっしゃることがとてもよく感じられます。

私も、震災直後、原子力発電所の故障があった後も最後まで残ると心に誓ってやっております。
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頑張って下さい (通りすがりの隣県南部住民)
2011-07-07 14:47:50
遠く高い位置から意見する方々を相手にし気苦労が多かろうと思います。
私はツイッターをしていますが、反原発・即刻避難を声高に唱える人は何を言っても無駄です。
避難しなさい=生活全ての面倒を見る
でもなく危険・危険と言うだけ。
何かあった時には東京電力と行政に丸投げして中途半端な立ち位置を押し通すだけ。
所詮、自分が可愛いにわか評論家気取って終わりなんです。

私の住んでいる地域に避難勧告が出ることはないだろうと想定しますが
もしそうなったとしても最後の一人になっても残ることにしています。
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Unknown (Yuki)
2011-07-07 17:18:44
ご質問させてください。知識がなくてすみません。

“避難・転居しないでいれば「確実に」子どもは将来がんになる可能性が高くなる”
とありますので、「確実に」を強調されているということは、ここが真実ではないということなのでしょうか。

「可能性が高くなる」という表現ですので、その通り、真実なのではないのでしょうか。統計上の理論なのではと思います。危険を指摘している方々は「確実に」なんらかの健康への影響が「ある」とはおっしゃっていないのではないでしょうか。

6月11日にもコメントさせていただいた者ですが、愛する人を、社会的弱者である子どもたちを、守りたいという気持ちからみなさん発しているメッセージなのではないのでしょうか。

福島に暮らさざるを得ない方々がいらっしゃることも十分に承知しています。ふるさとで暮らせることがどんなに幸せなことかも。福島の子どもたちが50年後も、そんなふうにふるさと福島に暮らせて幸せだね、と思えるような未来を作るために、私たち大人が正しい判断をしなければならないと思っています。

福島の子どもたちをどうぞ正しく導き見守ってください。

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ありがとうございます (くまぷー母さん)
2011-07-07 18:07:12
昨日、福島で暮らすということ~を
読ませて頂いて、皆さんのコメントも
読ませて頂きました。

まず、本当に涙が出る程、自分達の気持ちを、わかってくれている人がいることに、嬉しくなり、重い心がスッキリしました。

皆さんがコメントしているように、私達が言いたいことや、聞きたいことをわかりやすく書いてあり、書いてくれて有難う!と言いたくなりました。

そして大勢の方がこのブログを読んでいることも、嬉しく思いました。

確かに反対の意見の方もいるでしょう。

でも本当にここからどこにも行けない私達には
先生の考え方が、一筋の光とでも言いますか、心の支えになります。

毎日様々な報道やネットの情報を見るたびに悩み、でも避難も出来ず・・・の繰り返し・・・

なので、何回も言いますが、
書いてくれて有難うございます。

これからも頑張って下さい。



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Unknown (山田)
2011-07-07 18:39:04
お忙しい中、きちんと書いて下さって有難うございます。とてもよく理解できる内容ですし、非常に同感しております。きちんと「人」に向き合おうとする真摯な姿勢は、さすが医療者だと思います。医療者はきっと、その職業を辞める事があっても、ずっと医療者なのだと思います。医療者として母としてそして同じ日本人として、信念を貫いて下さい。応援しています。
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Unknown (山田)
2011-07-07 19:16:25
http://www.nursejapan.com/enurse/2011/07/post-77f4.html
福島市にあるナースさんたちが頑張っている「ここさ こらんしょ」です。
よろしければ、読んでみてくださいね^^
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Unknown (山田)
2011-07-07 19:27:55
http://blog.goo.ne.jp/miwakohosoda/e/853779710e2ec793085504e929e8a619#comment-list
こちらの方にも、貴女のブログをお知らせしておきました。医療関係です。覗いて見てください^^
様々な医療関係が連携して支えあうことが出来ると、大きな力になると思います。
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すばらしいコメントです。 (藤川智雄)
2011-07-07 21:19:58
『いわれなき中傷から子供たちを守るのが大人の責任。』・・・この言葉が、一番大事なんです。長崎や広島の方々は、戦後、どれだけ苦しんだことでしょう。でも、60年経って、他の地域と異常に発症率の高い病気なんて何もありません。このことを、自ら被爆者である山下教授が、福島の講演会で伝えたかったはずです。

私には、郡山で勤務医をしている親しい友人がいます。彼女も、先生と全く同じお話をしていました。ただ、この意見を世の中に出したら世論の嵐に私は対応できないと、悲しそうにお話をしていたのを思い出します。(彼女も、福島からは逃げないと泣きながら伝えてきました。)

先生の言葉こそ、真実。

さて、医学のことでは先生に太刀打ちできません。ただ、ネット利用については、私のほうが経験があるのでは・・・と考えています。そこで、お願いです。

① ネット上では、できるだけ個人対応はしない。・・・ゆんさんのような悪意ある人は無視。
② 先生が特定できるような表現・対応は、当面しないでください。

あくまで、Q&A形式のような要領で、反論には、マイペースで答えて欲しいと考えます。

先生のような立場で、しっかり発言できる人は、本当に少ないです。ペースは遅くても良いので、子供たちを守るコメントを末永く配信していただければ嬉しいです。

反論に応えるエネルギー損失は無駄。先生のお話を聴きたいなという方々に集中してください。
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