goo

レゾンデートル 知念実希夫

著者のデビュー作が復刻とのことなので読んでみることにした。ふんだんな医療知識を使った巧みなサスペンス、同時進行する2つの事件が見事な融合を見せる緻密な構成、最後に明らかになる意外な犯人、どれもその後の作品の芽となるようなものばかりだが、デビュー作だけに力のこもった文章、これでもかと色々盛り込まれたエピソードが際立つ。流石にこうした重たい作品ばかりでは読者も疲れてしまう。ここから少しライトノベルの方に向かってくれたのはありがたかったと勝手に感じてしまった。(「レゾンデートル  」 知念実希夫、実業之日本社文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )