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絵画の迷宮 北川健次
副題に「ダヴィンチ、フェルメール、ピカソ、ダリ、デュシャン」とあり、画家である著者がこれらの芸術家の有名な作品を見て感じたことを書き記したエッセイ集のような内容。誰でも知っているような作品の色々な研究成果が紹介されていて、作品を巡ってどのような議論があったかという歴史の復習にもなる。但し、正直言うと、本書を読んでいて、梅原猛が「水底の歌」の中で、斎藤茂吉が柿本人麻呂の辞世の歌が詠まれた場所を同じ画家の直感だとして「ここと定めん」と述べたことを痛烈に批判していたのを思い出してしまった。本書にも「自分の直感」「夢に見た」「何かに導かれて」と言った記述が頻繁に登場してオカルト本のようになってしまっていたのが残念だった。(「絵画の迷宮」 北川健次、新人物文庫)
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