goo

南下せよと彼女は言う 有吉玉青

「旅先の7つの物語」という副題の通り、色々な形ので海外に旅に出た人々と旅先で出会った景色や人々との交流を描いた短編集。最初の2編くらいまでを読んで、観光都市めぐりばかりというか、名所旧跡の描写が多いので、何だかTVの旅番組を見せられているようで奇異な感じがした。結局、本書は、最後までそうした観光名所に関する薀蓄が中心で、話の筋はありきたりなメロドラマなのだが、そうした話ばかりをいくつも読んでいると、観光名所めぐりの合間に垣間見られる登場人物の人生にも少しだけ目が行くようになり、こうした小説もありかなと思うようになった。(「南下せよと彼女は言う」 有吉玉青、小学館)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )