文学研究者による平成に書かれたミステリー小説に関する論説集。目次に54編の題名が載っているがそのうち読んだことのあるのは3分の1くらい。題名に「ミステリー」とあるが、取り上げてられている作品はミステリーというよりも犯罪小説、近未来小説、家族小説などの方が多いし、著者の関心はミステリー的な謎解きやトリックではなく、作品に登場する人物の置かれた社会情勢、人間関係、心象風景等にあり、本書の肝はそれらの作品が書かれた時代、扱われた時代の変化と特性を浮かび上がらせるところにある感じだ。著者にとっては、対象とした作品がミステリーであってもなくても良かったようにも思われる。強いて言えば、ミステリー作品は読者にとっては非日常であることが多いので、作家は作品にリアリティを持たせるために時代に即した設定に注力するだろうから、著者の目的である時代考察の題材に適していたのかもしれない。確かに、本書に取り上げられた自分が読んだことのある広義のミステリー作品は、社会派推理小説に限らず犯人の動機などにそうした時代背景が色濃く出ていたなぁなどと思い出しながら読み終えた。(「ミステリーで読む平成時代」 古橋信隆、平凡社新書)
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