それでは、なぜ長野県がトップになったのでしょう。
海岸が無く、海産物に恵まれない県、長野。
県民の平均塩分摂取量が高い長野県。
でもそこには、社会教育の要となる、地域に開かれた病院があります。
佐久総合病院です。
長野県厚生連が経営するこの厚生連病院で、『村で病気とたたかう』など著書多数の若月俊一先生が中心となって、農村医学が誕生しました。
この農村医学は年次学会が毎年開催されており、地域医療の効果的な実践法について熱心な勉強会が行われています。
1969年には国際農村医学会を開催しています。
農村医学会誌も発行され、健康をもたらす医学のありかたが示されています。
若月先生は1976年にマグサイサイ賞(アジアのノーベル賞といわれている賞)を受賞されています。
このように、厚生連病院では、これまで長い間、健康長寿のための住民教育をリードしてきました。
これからの病院は地域包括ケアの提供が求められていますが、厚生連病院のような取り組みは、地域医療の世界的なモデルとなりました。
年数で長寿を達成した日本のさらなる目標は、質の高い、活動的な長寿でしょう。
その意味で、長野県の実績はわれわれに健康長寿についての示唆をあたえてくれます。
住民への健康教育が、体と心が健康になる生活習慣の第一歩となるのです。
しかしながら、長野で実践された健康教育とはこれといって特別なものではなく、ごく普通の常識的なものでありました。
よく運動し、野菜をたくさん摂り、よく眠る。
そして社会活動に参加して地域を盛り上げる……。
長野のそんな生活スタイルが世界一長寿をもたらしたのです。
今回はここまでです、大人気映画のスターウォーズが約10年ぶりに公開しました、やはりこの映画は世代を超えて皆さんに愛されてますね、是非映画館で観たいと思います、では次回に。
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