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総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

ニトログリセリンでショックとなる心不全とは?

2018-04-24 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。


さて、前回ケースのその後の経過をみてみましょう。


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担当医は、左心不全の診断で、ニトログリセリンの持続静注を開始した。
 
 
その数分後、血圧が60/45 mmHgへ急激に低下した。
 
 
 
 
心臓診察より重度の大動脈弁狭窄症critical aortic stenosis (critical AS)による左心不全の診断となる。
 
 
心エコー検査により、大動脈弁の高度石灰化・開放制限あり、連続波ドップラーエコーによるA-V pressure gradient の推定では100 mmHgであった。




critical ASではニトログリセリンなどの血管拡張薬の投与で「ショック」になることあり、左心不全で肺うっ血をみる場合、フロセマイドなどの利尿剤の使用が安全である。
 
 
 
 
浮腫pitting edemaをきたす疾患の鑑別には、pit recovery timeの測定が有用である。
 
 
40秒以内のfast edemaであれば、低アルブミン血症(低膠質浸透圧血症)による浮腫であることが多い。
 
 
一方、本症例のように、slow edemaであれば、うっ血性心不全などによる浮腫を考える。
 
 
 
 
最終診断:重度大動脈弁狭窄症による左心不全
 
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写真   ハートライフクリニック2階の健康自然食レストランでのランチ。
 
メインには、豆腐と鶏の挽肉。
 
これで、何カロリー?

 

 

 

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