それでもBMIは患者さんの体格についての簡単な目安として使えます。
初診患者では身長と体重からBMIを計算しておくとよいでしょう。
「やせ」があれば、低栄養を示唆しており、全身の筋肉の観察によって栄養状態の評価をおすすめします。
筋肉を軽く叩打した部分に局所の盛り上がりを認めるとき(myoedema)には、低栄養または粘液水腫(甲状腺機能低下症)を考えましょう。
肥満の患者さんの場合、脂肪の分布を観察しましょう。
単純型肥満では通常、全身に一様に分布します。
閉経後女性の肥満は皮下脂肪沈着の洋ナシ型、メタボリック症候群では内臓脂肪沈着のリンゴ型肥満です。
Cushing症候群では中心性肥満、非定形Cushing症候群(ACTH産生腫瘍)では満月様顔貌のみであることが典型的です。
かなりの低身長ではTurner症候群、下垂体性小人症、小児期腎不全でみられ、かなりの高身長はKleinefelter症候群やMarfan症候群、巨人症などでみられます。
高齢者の多発性脊椎圧迫骨折では身長の低下を認めます。
今回でこのシリーズは最後です。次回をお待ち下さい。それでは。
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