燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

勉強の仕方

2015-05-12 | 徳田語録

 今回も座談会から抜粋してお送りします

ワンランク上に上がるためには?との問いに

 何かを読んだ時に、たまたま横にあるものが目に入るということ。それは、やはりものすごいスキルだと思います。「もしやこれは、大事なコンテンツじゃないか?」というのを見抜くことは、普通はできないと思うんですね。それはいろんな表現で言われると思うんですけど、例えば日野原重明先生がお好きな言葉では”serendipity”。あるものを目的として、予期していなかったものがたまたま横にあって、それをゲットした。そういうのでノーベル賞を取っている人、多いじゃないですか。そういうのを考えることもいいと思います。

他には?との問いに

 私は3年程前に、台湾で、EBMコンテストのレフェリーをやったんですけど、アジアのレベルはすごいですよ。世界中から参加するということだったんですけど、ほとんどがアジアの参加者で、1年目、2年目、3年目の研修医たちが代表で、参加国は、台湾、マレーシア、タイ、シンガポール、韓国、日本など。日本チームは、他国のレベルの高さを思い知らされました。日本からは全国の超優秀レジデント・グループを送り込んだのですが、彼らがびっくりしたというか、インパクトを受けたのは、とにかくコンテストのレベルが高かったということでした。

 このEBMコンテストは、与えられた時間で、ある患者さんのクリニカル・クエスチョンを立てて、そのベスト・エビデンスをPubMedレベルから調べて、最も重要な研究論文をプレゼンテーションして、それに基づいてどういう治療を計画してやるかということをまとめていきます。そして最後に、パワーポイントに作って、そのプレゼンテーションを10分以内にやっていくもので、その全部が評価対象になります。

 マレーシアや、シンガポール、フィリピンではもともと英語を話すわけですが、レベルが高いんです。皆、『Harrison 内科学』などを原書で読んでいるんです。アジアの状況といえば、3年半ぐらい前に、私は韓国のメディカルスクールについて取材したこともあったんです。韓国がなぜ、メディカルスクールを導入しようとしているのか。そのモチベーションは何かと調べたら、視点が違うんですね。医師不足とかそういうことではなくて、グローバルに通用する医者を育てなければいけないと。なぜかというと、韓国は海外から医者を流入させた経験があるんですね。すごい危機感をもっています。

 それに比べて日本の医者は、グローバルな競争に曝されていません。アフリカやアジアで診療できる医者が日本にどのくらいいるのか。

 何年か前、ある研究でイギリスに行って調べたのですが、イギリスは医師国家試験はないのです。かわりに各大学が卒業生を評価して医師免許を与えていて、そのときの目標では世界のどこに出しても医師として通用するレベルのスキルを持っている医師だというんですね。そこまでグローバルに見る必要性はないかもしれませんが、日本はいま、アジアの周りの国が急成長していて、グローバルな競争を視野に入れているなかで、鎖国の状態で臨床をやっていていいのかと……。

 今回は以上です、話変わって、台風6号は沖縄本島直撃はなかったみたいですね、速度が早くしかも勢力がだいぶ下がったようです、しかし、安心するのはまだです、日本海側に低気圧があって、台風から暖かい風が流れているようで、大雨に注意だそうです、気をつけましょう、では、次回に。

 この度、メルマガを開始しました、「ドクター徳田安春の最新健康医学」です、こちらも宜しくご検討をお願いします。

 遅れましたが、来週にはNHK「クローズアップ現代」へ出演致します、日にちは分かり次第こちらで紹介させて頂きます。


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