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燃えるフィジカルアセスメント

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ケースプレゼンテーション

2016-06-04 | 勉強会

 

2          ケースプレゼンテーション

 

A. 指導医への患者紹介は病歴、身体所見等をoral case presentationで行う。その目標は簡潔、明確な特徴で示す。字数にすると1~2行で表す。 

1. 患者の特徴:年齢、性、職業、

2. 受診理由:問題の期間、何を求めているか?

 

例)58歳男性、既婚者。職業はウェイター。既往歴に高血圧あり。6週間持続する頻尿と尿意にて来院。

例)79歳男性、元郵便局員。独身。糖尿病の既往があり、末梢血行障害及び神経障害がある。2日間の発熱及び右足の化膿した傷にて来院。

 

3. 現病歴:患者を診断し、治療するに当たりそれに対し必要な情報のみを簡潔に述べる。もし、major problemが他にあるなら重要なものを1つのみ取り上げ、残りは午後の詳しいcase presentationで述べる。

症状に関連した情報を中心に報告する。しかし、鑑別のためのnegative symptom等も必要あれば入れる。

 

4.既往歴、生活歴、家族歴、ROS :現病歴に関する情報はすべて現病歴に入れ、 その他の情報は一言二言で述べる。

 

例)アスベスト暴露歴や兄が肺癌である以外の詳しい情報はありません。

 

5.身体所見:全身状態、vital signs、全身所見を述べるが、大切なのは診断過程やpresentationを受けている人に対して注意や興味が引けるかどうか?そのorgan systemが正常か異常かそれともはっきりしないのかこういった点を含めて紹介提示する。

例)健康そうな中年男性で、バイタルは~。HEENTは問題なし、心音、呼吸音も問題なし。しかし、腹部に恥骨上に約13cmの腫瘤を触知し、非可動性で表面平滑、疼痛無し。その他の腹部所見では腫瘤は触れず、腹水や肝脾腫を認めない。。。。

 

6.assesmentとplan:鑑別疾患やより詳細な鑑別方法や治療計画が浮かばなくても最も重要な問題点と次へのスッテプについて自分なりの考えを述べる。 

 

B. カルテを暗唱するのではなく、病歴、身体所見や検査所見を総合的に考えたうえで上記のようなcase presentationを行う。 

 

C. 系統だった現病歴のpresentationは?:1) 鍵となる症状に注目する、2) 年代別にその病歴を系統立てる、3) 病歴聴取である問題が出現した場合、その原因の糸口を再聴取する。例えば咳や痰があれば喫煙歴、肺疾患の有無、何か感染に暴露したことはないかetc。 

 

D. presentationは手際よくはっきりと!! 

 

E. 自分のpresentationを後で再検討し、feedbackに努める。 

 

F. とても複雑な症例を除き、5分以内で口頭のみでpresentationする。

 

 

日本の高価値医療 High Value Care in Japan (ジェネラリスト教育コンソーシアム)
徳田安春
株式会社尾島医学教育研究所

 

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