宗教改革でいろいろなプロテスタント宗派が出来ました。
今日はアメリカで一番信徒数が多い「バプテスト教会」について簡略にご説明します。その運営方法が旧教のカトリックとは大変違います。
まず第一に、教会の牧師と信徒の間には身分的上下関係が全くありません。平等です。教会名簿にも牧師は信徒と同じ欄に書いてあります。したがってキリスト教の布教活動は牧師も信徒も同じように致します。一方カトリックでは神父一般信者の上に立ち、神父さんの言う事に信者は服従します。
第二に各教会はそれぞれ独立した存在で、上下関係や強固な連合組織を作りません。一方、カトリックでは全世界の教会がローマ法王の直属で、すべてはローマ法王の指導に従います。
第三にバプテスト教会では政教分離が徹底しています。その考えは17世紀に出来たのですが、政教分離が徹底している国はアメリカだけと言っても過言ではありません。ヨーロッパではキリスト教関連の政党があったり、税金から教会へ財政援助があったりで、アメリカ程厳密になっていません。
バプテスト教会は、17世紀始めにいち早く政教分離の原則を主張したといわれている。キリストの支配する神の国(教会)と国家を区別し、国家は教会(宗教)のことに介入してはならないと表明した。これらの特徴は、現代にも受け継がれ、人間の平等、信教の自由、良心の自由という理念を求めてきたバプテストは、時代の統治者に対して正義と公平を提供することを求めてきたとされる。
日本では皆様ご存知のように公明党は仏教の政党ですね。そして選挙のたびにいろいろな佛教宗派が選挙運動をします。
第四にバプテスト教会ではカトリックのような幼児洗礼を認めません。成人して自発的に洗礼を決心した人にだけが全身浸礼式洗礼をうけます。
従ってバプテスト教会は自発意思による信仰契約集団の性格を持っています。契約社会の一つなのです。
第五にバプテスト教会では徹底した福音書主義です。福音書に書いてある事だけを大切にし、信じます。ですからカトリック教会でよく唱える、「父と子と聖霊の御名によってアーメン」という三位一体の祈りはしません。聖霊を認めないのです。
アメリカのプロテスタントのキリスト教はこのように平等主義と自由主義が強いのが特徴です。
その一方南部バプテスト教会のようにアフリカ出身の黒人の宗教観の影響を受けているものもあります。
以上のバプテスマ教派の特徴を列記すると以下のようになります。
各個教会の自主独立
会衆政治(民主的な教会運営)
万人祭司
信仰者のバプテスマ(全浸礼)
聖書主義(福音主義)
政教分離
下の写真は、夕闇せまる福島第一バプテスト教会の風景です。出典は下の参考資料と同じです。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
バプテスト(英: Baptist、漢:浸礼教会、しんれいきょうかい)は、バプテスマ(浸礼での洗礼)を行う者の意味に由来してキリスト教プロテスタントの一教派であり、個人の良心の自由を大事にしている。
バプテストは17世紀頃にイギリスで始まり、現在ではアメリカ合衆国に最も多く分布している。アメリカ合衆国の宗教人口はプロテスタントが最も多いが、その中で最も多いのがバプテストである。
バプテスト派は、アルミニウスの流れを汲む普遍救済主義を支持するジェネラル・バプテストと、ジャン カルヴァン(カルヴィン)の流れを汲む予定説を支持するパティキュラー・バプテストとに分かれる。アメリカ合衆国のパティキュラー・バプテストは 奴隷制度に関する意見の対立以降、米国バプテスト同盟(旧称:北部バプテスト同盟;アメリカン・バプテスト)と南部バプテスト連盟とに分裂している。
マルチン・ルターが始めた福音主義よりも更に急進的な立場で根本的宗教改革(宗教改革急進派)(Radical Reformation)とも言われ、聖書を唯一の信仰のよりどころとする聖書主義に立っている。
バプテスマとは一般に洗礼と呼ばれる儀式の事であるが、バプテストでは特にこの時に全身を水に沈める(全浸礼)事、又、信仰告白を行う事が重要であるとする。バプテストの各個教会では、洗礼の語を避けて浸礼 又はバプテスマと呼ぶ事が多い。
従い、自覚的な信仰告白のできない新生児や乳幼児がバプテスマを受ける事(幼児洗礼)を否定するのが特徴的である。故に、全浸礼によらない洗礼(滴礼等)をバプテスマと認めず、他教派(聖公会、ルター派、改革・長老派、メソジスト派、会衆派等の諸教派)で受洗しているキリスト者がバプテストの教会に転入を希望する場合にバプテスマを改めて求めるバプテスト教会もある。
バプテストの群れでは、職務として牧師が説教と牧会を担うが、牧師も含めすべての信徒は身分においては平等であるとする万人祭司主義をとる。
<一つの例として> 教会員名簿(信者名簿)にも牧師や退任教師の名前が一信者として載っているが、教団新生会の様にバプテストの概念とはそぐわない「教団」(日本基督教団等)に属する教会はこれを認められていない。だが 教会員名簿を日本基督教団に提出しなくてもいい為、牧師や退任教師も載っている場合が多い。
バプテスト教会は、牧師と信徒の間の身分的上下関係や区別はないとする。牧師と教会員(バプテスマを受けて教会のメンバーになった者)の働きの違いはあるが、教会運営は、教会員一人ひとりが平等な立場で参加した総会を中心として、責任ある話し合いによって教会の意思が決定される。
バプテスト教会は、各個教会が自主独立の主体で、教会間のいかなる支配関係も認めない立場に立っている。しかし各個教会は、相互に支配・従属の関係に立たず自主独立しているが、多くの教会が他の教会との協力を喜ぶ目的で、宣教の協力体を結成している。これら協力体は、各個教会に対して上位の機関ではないとしている。
(参考資料の出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%97%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E4%BC%9A)
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