後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本正教(ロシア正教)の事を少し詳しく説明します。

2013年12月10日 | 日記・エッセイ・コラム

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私は2009年の秋にニコライ堂を訪問した時、非常に感動的な体験をしました。何気なく寄ったニコライ堂で正教会の金田一豊さんという聖職者にお会いしたのです。その方が私の面倒な要求に基づいて正教会のことを色々説明する長文の文章を送ってくださったのです。その文章を私の責任で編集し、宗教や神学の専門用語を出来るだけ分かりやすく一般用語に変えて、記事にいたしました。

以下は伝教師の金田一豊様から頂いた文章の一部です。

==========金田一豊師の文章============

他の教会も兼任している忙しい神父さんは不在のときもありますが、僕の場合は伝道師なので基本はいつでもニコライ堂の聖体礼儀にて奉仕をしているますから、どうぞいつでもいらしてください。

古いローマカトリックの場合と同じく、洗礼志願者や信者ではない方の入るのに許される場所というのがありますが、もしそれでもよろしければどうぞ参祷してください。正教徒ではない場合は少し後ろ側の席になりますが、ちゃんと儀式は見ることが出来るのでご心配なく。(一般の方々は静かに見学も出来ますー藤山による追加の部分です)

それから僕でよければ時間の許す限り応対したいと思いますのでよろしくお願いします。

聖体礼儀中の説教と聖体礼儀後の信徒会館での講話というのが当番で回ってきますので、担当の日になってしまうとバタバタしてしまうでしょうが、それ以外は大丈夫ですのであまり気遣いなさないで気楽に来てください。

主日の開始時間は、10時に主教の入堂式があり、聖体礼儀自体は10時30分から始まります。終了は大体13時くらいだと思います。

一般の方に気をつけて欲しいことは、聖堂内では帽子を取って頂くことと肩にかける荷物は方から降ろして手に持って頂きたいということですね。基本的なマナーは昔ながらのローマカトリック教会とほとんど変わらないと思います。以下に少し詳しく説明いたします。

(1)祈祷文や司式の全体構造:

骨組みはローマカトリック、聖公会、東方諸教会、正教会はみな共通しています。

骨組み、つまり嘆願するときや聖書の読み、聖変化、領聖(聖体配領)などの基本的な組み立ては同じです。ただ、細かい点において差異が見られます。その一つとして東方正教会は古来から受け継いだまま現在に至り永遠に司祭、信者ともに東(同じ方角)を向いて祈祷を捧げます。これは儀式を司る主教、および司祭、ならびに輔祭(助祭)や堂役(侍者)は宝座(祭壇)の周りを囲み天国の天使が神を讃美する姿に倣い法事、奉仕をすることを意味することを基本として行います。そしてその讃美が煙とともに天に昇ることを願うので大量の香をたきます。

(2)もともと骨組みがローマカトリックと正教会は同じ:

正教会の聖体礼儀を基本にしてローマカトリックのミサを見比べたときには、この部分はここに当てはまる、あの部分はここに当てはまる、という風に説明することができます。が、逆はなかなか難しいです。なぜなら、ローマカトリックは時代とともに進化、変化をしていて、ある部分は簡略化となっているところもあります。一方正教会は簡略化や省略はせずにどんどん付け足していきます。なので、ローマカトリックで現在行われない部分などが正教会には色濃く残っています。その結果、祈祷の言葉や挿入部が多くなり複雑そうに見えます。

ローマカトリックの司祭が御ミサの前に別室で行うホスチアとぶどう酒の用意は、正教会では完全に儀式の一部なので儀式の一番初めに行われます。そしてローマカトリックの司祭入場という最初の部分は、正教会では聖体礼儀の中の小聖入と言う部分に当てはまり全体の3分の1ほどが進んだところになります。

そして正教会は毎回必ずニケア・コンスタンチノプール信経を用いて信仰を宣言します。

(3)楽器を使わない歌ミサ:

ローマカトリック教会の御ミサではパイプオルガンやその他の楽器が用いられますが、正教会では楽器は一切使いません。全てアカペラの合唱にて聖歌を歌います。楽器は素晴らしいものですが、感謝や讃美を捧げる行為、つまり心から神に捧げることは楽器よりも人間の体を用いるのが一番適しているということから歌のみという伝統となっています。

もちろんローマカトリックと同じく司祭との掛け合い(応答)形式になっていますが、全てが歌によって行われます。

そして教衆(聖職者や聖歌隊)と聴衆(参祷者)との役割の違いにおいて線をひいて儀式が行われ、進んでいきます。これは旧約時代の祭司やレビ人が担っていた役割を正教会は変えずに継承しているということになります。

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金田一豊師は赤羽のカトリック教会の方でしたが正教会へ改宗(正しくは帰正)された方です。何故ですか?と聞きました。「その方がイエス様(ハリスト様)の近くへ居るような気がしたからです」、これが彼の答えでした。素晴らしい答え方です。

まだ若い明朗闊達な方です。2、3分間しかお会いしなかったのですが、目から鱗が落ちるような気持ちになりました。気楽に何でも聞ける雰囲気を持っています。生まれつきの伝道者としてのタレントを神に頂いたのでしょう。私はカトリックの信者を止めるつもりは毛頭ありませんが正教会のこのような伝道者に会えたことを神へ感謝しています。(終わり)


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