先日の飲み会で知人が同席者に変わったものを配った。小さな石、そして結んでいる黒いのは松の葉で「小石に松」とのこと。一同、首を傾げて説明の続きを聞くと「小石(恋しく)松(待つ)」の意味があり、字の読み書きが少なかった昔に恋文代わりに使われた石文(いしぶみ)とか。携帯やメールが全盛の時代からすれば想像できない話だが当時、それはそれで必死だったのだろう。気持ちが伝わるような小石を探し出し、松の葉を丁寧に結んで、相手の家の門前にそっと置く。その思いの深さを推し量ることなど難しい男だけの宴席、酒の肴として大いに沸いたものだ。
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