スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(英語が読めない軍事評論家)

2022-10-31 11:02:55 | 日記
10月31日(月)
 小川和久は湾岸戦争の時に出てきた人だと記憶する。他にも江端とか何人かぞろぞろ出てきて、日本にも軍事評論家という人が居るのかと、吃驚した覚えがある。その小川氏が誤訳をしたという事で騒がれている。
 小川氏は毎日新聞への投稿(或いはインタビュー記事か?私は直接読んでいない)で、「(日本の)ウクライナ大使館の再開が先進7ヵ国に比べて異様に遅い。その背景には深刻な秘密があった」とさも大仰に話し始める。で、その秘密とは「外務省が隠し通したいスキャンダラスな情報、それも日本外交のレベルの低さを世界にさらすという意味では国家秘密に当たる情報で、さしもの私もがくぜんとさせられた」と、大見えを切ったのだが、何と自分の英語力の不足から情報を誤訳して勝手に騒いでいたのだと、お化け屋敷の幽霊ならぬなんとも恥ずかしい落ちとなったのだ。
 在ウクライナ大使館員(日本人)がウクライナ人宛てに打ったメール(英文)を何処かで入手し、その英文を小川は「当大使館にはウクライナ語が分かる者は一人もいない」と訳したのだが、正しくは「当大使館員の全員がウクライナ語が分かる訳ではない」「だから可能なら英語で打ってくれ」というものだったのである。
 小川は得意そうにその英文をツイッターに挙げている(毎日新聞だけでなくツイッターにも挙げているという事は、小川には「スキャンダラスな情報」に相当な自信があったのだろう)。私の英語能力では小川のような訳が正解かなという文面であった。しかし普通の英語力のある人ならたちどころに誤訳だと分かるものらしい。ということは小川の英語力は、中学生以下の私と同じだという事になる。(ツイッターに残っていると思うので調べてみてください)
 まさに日本の軍事専門家と新聞社のレベルの低さを、世界にさらしたのである。まあこういう種類の〇〇専門家は沢山居るのだろう。信用しない事だ。
 ここからは推測であるが恐らく、毎日新聞社がメールを入手し、筋書きを書いて、小川に見せたのだろう。毎日新聞社としては外務省・日本政府・岸田政権叩きになるではないか。それに英語音痴の小川が乗ったのである。毎日は潰れる寸前でイエローペーパーと言われようと何だろうと政権叩きの記事を書くことで、国民の一部にしても残っている読者の歓心を繋ぎ留めたいのだろう。もう本当に英語の分かる記者は居ないのかも知れない。或いはわざと誤訳して小川を誘導したか。まさになりふり構わない姿だ。
 小川はツイッターで「(大使館再開の遅れに)憤りの余り、(ウクライナ語の理解者が)限定されていると言うべきところを、一人もいないと表現してしまった」と、弁明をしているそうだ。ではお前は自分の感情で対象を、大きくも小さくも、美しくも汚くも表現してしまうのか、それでも学者かと突っ込まれる(まあ誰も小川をまともな学者とは思っていないからそんな突っ込みはされないかも知れないが)、恥の上塗りをしている。
 

3 コメント

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部分否定と全部否定 (野々花)
2022-10-31 23:23:03
文法(語法)の部分否定と全部否定の見分けができなかったということですね。
世間に名まえのあるかたは、発信はよほど慎重にしないと恥をさらすことになります。

漢語にもちゃんとありますよ、当然ですが。否定の言葉が副詞の前にくるか後にくるか、で意味が変わります。

部分否定
不常〇〇 常に〇〇するわけではない
「何日君再来」の歌詞
好花不常開 好景不常在
よき花常には咲かず よき景色常にはあらず(あるいは、よき状況常にはあらず)

全部否定
常不〇〇 常に〇〇しない
他に、必・俱・尽などもよく例としてあげられます。
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Unknown (野々花さま)
2022-11-01 14:35:27
何時も有難うございます。
漢文の勉強になりました。そう読むんですね。
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黒木さん (野々花)
2022-11-06 22:40:58
面白かった、というより、外交や政治経済に疎いわたしでもよく理解できる記事でした。
黒木頼景さんのブログ「無敵の太陽」にコピペしてご紹介しましたところ、黒木先生より
さらに詳細な情報のご返信をいただきました。
それをこちらに転載します。
黒木先生は、非常に英語が堪能なかたで、元世論の会会員だったそうです。
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黒木頼景 2022年11月06日 16:16
蘭子 様
 コメントおよび情報提供に感謝します。小川氏については以前、当ブログでも触れましたが、私は彼を評価していません。(彼は昔、石原慎太郎と渡部昇一先生との対談本を出していた。) 毎日新聞の記事を読んでいませんが、いくら何でも「ウクライナ語を理解する者が一人もいない」というのは信じられない。たぶん、外務省への固定観念で記事を書いてしまったのでしょう。
 小川氏は自分の著書の中で「従軍慰安婦(鮮ピー)」に触れたことがあり、日本人に認めて謝るよう諭していました。こんな歴史認識を持つ者が、政治問題や国防を論じているなんて馬鹿らしい。彼は若い頃、同志社大学の神学部に通っていて、「黒ヘル」をかぶる左翼の活動家でした。外務省の役人だった、あの佐藤優と同じで、学生運動に精を出した「曰く付き」の人物です。
 小川氏は形式上「軍事アナリスト」を名乗っていますが、無名の頃は岩波書店の『世界』に投稿する怪しい評論家でした。昔、私はこうした点を産経新聞の千野境子に問い質しましたが、講師になってくれた小川氏に感謝する、この特別論説員は聞く耳を持たなかった。今、『産経志塾』がどうなっているのか分かりませんが、「保守派」メディアに登場する人物には、かなり怪しい人物が混ざっています。
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