スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(ゴーン再逮捕)

2018-12-21 16:26:41 | 日記
12月21日(金)
 保釈確実とみられていたゴーン容疑者が、特別背任罪で再逮捕された。昼のテレビでは、検察の最初からの狙いはこれだとの、元特捜検事による解説があった。それによると特別背任の捜査は難しいし時間がかかるから、それは来年早々始めるとして、まず有価証券報告書の過少申告で、検察としては別件逮捕的に、年内いっぱい留置して捜査時間を稼ぎたかったのだが、裁判所が拘留延長を認めなかったので、やむなく本丸容疑で再逮捕したとのことだ。とすると特別背任容疑で本格的捜査にかかるスケジュールの約10日前に、逮捕をしたことになり、背任容疑での拘留期間が通常的な一定のものに留まると仮定すると、検察が予定していた捜査期間が約10日間減少したことになる。では何故検察は特別背任を本丸だとしたなら、その捜査のとりかかりを、来年早々などという遅い時期まで遅延させたかったのか。ひるおびの八代は、検察が確実な証拠をまだ集めていないからだろう、時間が欲しかったのだろうと、推量していた。
 この特別背任容疑たるものはどうやら、朝日新聞が先月スクープなのか報道した、10年前にゴーン容疑者が自分個人の債務を、日産に肩代わりさせようと計った事を指すらしい。しかし八代が言う所では、その行為は金融庁から違法行為だと指摘されて、白紙撤回をしたものであるそうだ。だからこのこと自体は問題にならないのだがその後、隠れて日産に実質的な肩代わりをさせたのではないかと、検察は睨んで今日逮捕をしたらしいのだ。だとするとかなり見込み捜査の要素が大きく、果たして立件できるのだろうかと私は疑う。
 ひるおびを見ていて有価証券報告書の過少申告容疑での逮捕は、西川と検察が組んだゴーン追い出しの陰謀だとの認識が、かなり世間に広まって来ているようだ。当然のことである。新聞が書かないだけで客観的に経過を見ればその通りだ。産経新聞も何故か過少申告は大問題だとの報道ばかりである。
 産経は「ゴーン事件 識者に聞く」との連載を続けているが、今日登場した識者というのが全く酷い。青山学院大学名誉教授との肩書の、八田進二という人だが、記者の、過少申告はまだ報酬を受け取った訳ではないのだから、形式犯との見方もあるがとの問いに、「会計を知らない人の見方だ」と一言で退けている。私はこの教授に言ってやりたい。「それは実社会を知らない人が言うことだ」と。有価証券報告書についてゴーンは事前に金融庁に問い合わせをして、記載の必要なしとの回答を得たと言っている。仮に金融庁とのやり取りをゴーンが勝手に自分有利に解釈したとしても、もし金融庁に問い合わせをしたのが事実なら、ゴーンが法に触れることを問題視していたとの証明になるだろう。ならば過少申告は、技術的と言うか、有価証券報告書についての見解の当事者間の相違という問題に収斂されるのではないか。国税についてはよく大企業から、税務当局と見解の相違があったが、指摘を受けて納税したとの説明を聞く。これで逮捕されたという人は聞かない。過少申告も、金融庁が指摘して是正させればすむ問題で、逮捕など全く必要のない、とんでもない事例だと考える。こういうことを八田という馬鹿学者は、学者馬鹿とは言わないぞ、全く無視して偉そうに喋る。こういう男を真の意味で御用学者というのだろう。ただインタビュー記事だから産経による編集が加えられたものかもしれないが。
 かって三越に君臨した岡田という人の事件があった。新聞もテレビもその専横ぶりを盛んに報道して、岡田悪人説を振りまいたものだ。岡田もゴーンも実際の姿は分からないが、あれから十数年たって国民も賢くなり、検察とマスコミの扇動にすぐには同調しない空気が現れているように、観察する。

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