スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(日本近代史)

2023-07-10 13:02:59 | 日記
7月10日(月)
 日本近代史は大体4つの時期に分けられる。一つが明治時代であり、藩閥政治である。二つ目が大正期であり、政党が藩閥に勝った時代である。三つ目が昭和戦前期であり、陸軍が日本を牛耳った時代である。四つ目が戦後の日本であり、民主主義の時代と言って良いだろう。
 明治時代は藩閥政治の時代である。しかしそれは政党政治に取って代わられた。何故か。強力な薩長がなぜ政党に負けたのか。理由は逆説的だが、藩閥が目指したものが、政党政治であったからである。つまり明治維新は日本を、西洋諸国と同等の国にする目的で、薩長により行われた。西洋諸国は憲法を掲げて政党政治をしている。ならば薩長はそのお膳立てをした後、退場するしかないではないか。
 藩閥は第一次第二次の護憲運動に負けて退場した。そこで政党政治が花開いたのだが、政党は5.15事件で軍部に負けた。理由は言論では武力に勝てないという単純な話である。日本軍部、特に陸軍が台頭した理由は、誰も軍を誘導教育出来る存在になく、陸軍の勝手気儘が通る社会状態だったからである。日本軍部は明治大正の長い間に何の教育も受けないで、我儘な子供がそのまま図体をでかくした怪物のように、育ったのだ。
 機関説排撃、統帥権干犯などで、軍部は誰の掣肘も受けない存在である事を、天下に知らしめた。そして陸軍による組閣干渉で国家を支配下に置いた。まあ兵隊に鉄砲を突き付けられれば、政党人は身を縮める。
 この軍部はアメリカによって完膚なきまでに叩き潰された。そして主権は、アメリカによって、国民に与えられた。しかし20万人の幹部日本人が公職追放されたから、外交と国の基本進路をアメリカが設定する枠内で行わざるを得ず、そこから出ようとする政策は人材不足で出来なかった。その中で法務関係者は追放されなかった。だから日本の治安は戦前を引き継ぎ、他国に比して際立って安定している。明治維新から敗戦までが77年である。敗戦から今年までも同じ77年である。明治大正昭和(前半)の激動と比べて、なんと平和な時代であったことだろうか。これならアメリカのポチと言われたって構わない。
 これから日本近代史の第5期(日本現代史と言って良い)が始まる。当面は日米連合対中国の戦いで、日米が圧勝するだろう。その予測は付くが、それ以後がよく見えない。アメリカは黒人問題で、国が分裂する恐れがある。今の儘行けば黒人とかヒスパニックは必ず力をつけてくる。俺はアメリカの黒人だ、黒人主体のアメリカを作れとの叫びが、強いものになる気がする。力を付けた黒人やヒスパニックが、白人主体のアメリカ社会に溶け込む事はないように思うのだが。

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