加藤浩次が、
「高学歴の人が、
わざわざ一発勝負の芸能界に入るのは、
疑問だ」
と語った。
俺は、とうてい納得できないし、
これは逆差別だと思う。
世間の通念として、
「高学歴=すばらしい」
と思うだろうが、
これは俺の経験では、
逆も多い。
つまり、高学歴の人が、
卒業後、自分の好きなことをやろうとすると、
世間の人は、「そんなことしなくても」
・・・と言う。
言わなくても、そういう雰囲気があり、
とても不快を感じることが多い。
いつか話したが、
京大を出て、厩務員になった石倉幹子。
彼女は、きわめて優秀な厩務員で、
名牝ノースフライトなどを育てた。
しかし、彼女はいつも、
「京大出て、なんで、厩務員に?」
と言われ続けられた。
高学歴とは「知の世界の成功者」だ。
でも「愛の世界である、やりたいこと」は、
別の話だ。
なまじ、ハーバードやケンブリッジを出て、
戦争兵器を作るより、
芸人になり、人々を平和に感動させたり、
笑わせたほうが、
ずっと「上の人生」だと思う。
芸能界では、東大出身は、
加藤登紀子や香川照之を初め、
結構いる。
早稲田出となると、
タモリや巨泉を初め、
もっとたくさんいる。
関西では、桂三枝も高学歴(関西大学)だ。
この人たちは、
日本の芸能の発展に、
大きく貢献した。
その他、
明大出や日大芸術学部出となると、
無数にいる。
人を感動させ、笑わせるのは最も難しいことであり、
最高の仕事のひとつだと思う。
どうして、高学歴の人が、
これにチャレンジして、いけないのだろうか?
加藤浩次の「高学歴芸人バッシング」は、
ものすごく間違っている・・・と思う。
哲学や宗教を深く学んだ人こそが、
本当の笑いを提供できるのかもしれない。
少なくとも、
別な種類の笑いや感動を与えることができるはずだ。
さんまもタケシも読書家で、
勉強家だ。
小学出のチャップリンだって、
文章は、本当に名文だ。
チャップリンも、いろいろと独学したんだと思う。
加藤浩次の言うハングリー精神だけでは、
万人を納得させる、本当の笑いは提供できないと思う。