唐突ですが、現在、出回っている仕様書の思考過程は、おおきく3つに分かれると思います。
■■ その1:90年代初頭ぐらいに完成した、言語はCOBOLベースの仕様書
これのサンプルと、記述方法は、情報処理試験のテキストに載っている
Excelの形式の仕様書や、COBOLの仕様書といわれるのは、これがベースになっている。
仕様書は、だいたい以下のとおり
要求仕様(要件定義)書
外部設計書(帳票、画面、ファイル・テーブル、コード、通信・データ)
詳細設計書
テスト仕様書/報告書
これらの仕様書の書き方が、あらかじめ決まっている(雛形がある)。
Excelの表みたいなかんじでできている。
■■ その2:DOAを中心とした仕様書
DOAの流れから来ている。
仕様書は、ER図
DFD図(コンテキストダイアグラム、DFD,ミニスペック)
より構成される。
■■ その3:オブジェクト指向を中心とした設計書
UMLの9種類の図。
図の種類は、以下のとおり
・構造図
(1)クラス図
(2)オブジェクト図
・振る舞い図
(3)ユースケース図
(4)相互作用図
(5)コラボレーション図
(6)ステートチャート図
(7)アクティビティ図
・実装図
(8)コンポーネント図
(9)配置図
このうち、仕様書は、ユーザーとの打ち合わせに用いて、了承を得なければならない場合がある。
ユーザーとの打ち合わせで、了承が必要なものとしては
・要求仕様書
機能要件:ユーザーの業務内容について
非機能要件:レスポンスタイムなど
・概要設計
ハードウエア構成
ソフトウエア構成(いらないときも)
→ハード・パッケージソフトの見積書を別途作成
・外部設計書
画面設計書
というわけで、DFDやER図を承認とってもらったりするのではない。
ということで、COBOL時代のドキュメントが結構まだのこっていたりすることがある。
しかし、このCOBOL時代のドキュメントをそのまま使っていいというわけではない。詳細設計書に関しては、(Javaで開発するなら)捨てたほうがいい。
COBOLは、オブジェクトのCOBOLでない場合、1プログラム1手続き(=1メソッド)になる。しかし、Javaの場合、1クラス複数メソッドとなり、あわない。なので、いろいろいじるより、さくっと、フォーマットからかえたほうがいい。
問題は、画面設計書。
これも、COBOLベースとWebベースでは、(Webのタイルに相当することを、COBOLでは、普通やらないため)タイルがある場合、違う雰囲気の画面になる。
なので、流用しないほうが、得策なことが多い。
で、このブログでは、将来、あまり他のブログで書かない、でもいまだに続いている「COBOL時代のドキュメント」や手法について、書いてみようかなって、思っています。