ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

元請けのほうが下請けよりも人月単価が高い正当な理由

2015-03-06 20:25:38 | Weblog
久しぶりのブログで、衝撃的な議論をしてみたいと思う
日本のソフト開発は、多重下請け構造になっている。

そして、必ず

「元請けのほうが下請けよりも人月単価が高い」
(NTTデータは1人月200万だけど、末端のプログラマは1人月65万とか)

こういうと、元請はぼろもうけしているように感じるかもしれない
ところが、元請大手NTTデータがべらぼうに儲けているという感じ
はしない。それどころか、赤字になることがある(人月単価高いのに!)
それはなぜか・・・

具体的な事例で考えよう




■事例

今A社(元請)B社(下請け)C社(下請け)の2社があったとする。

A社は、コンポーネントαを2つのモジュールX,Yに分割し、
   XをB社に
   YをC社に
下請けさせたとする。ただし、X、Yとも完成しないリスクは20%
あるものとし、完成しなかった場合には、一銭も受け取れないもの
とする。

こうすると、A社のリスクは、1-XもYも完成するリスク
となるので、1-(1-0.2)*(1-0.2)=0.36
36%となる。




■下請けのほうが元請よりも人月単価が高い正等な理由

A,B,C社とも1人月60万は会社運用上必要だとすると、
B社、C社の人月単価をsとすると

   (1-0.2)s=60
          s=75万円
以上なら、会社運用経費をまかなえる。

ところが元請の人月単価をtとすると
   (1-0.32)t=60
           t=88万円
と、13万円高くしないと、割に合わない。

つまり、下請けが失敗するリスクの集積が元請のリスクになるので、
元請のリスクは相当高くなる。そのリスクに見合う期待値が人月単価
となるので、リスクの高い元請の人月単価は高くなる。




■ぼろもうけするには?・・・元請けになることではない

下請け中小企業は、元請になれば、より上流に行けば、もうかる
と思っている。確かにその場合、人月単価は上がるがリスクが増える。
下請け中小企業の経済基盤で、元請なみのリスクをとれば、それは
ギャンブルで、倒産する可能性大だ。




■では、どうやったら、もうかるか? その1

ここで、もしB社は、リスク10%しかないのに、
そのことを、A社は知らず、リスク20%と思って契約したとする
つまり人月単価
   (1-0.1)u=60
          u=66万円
でいいのに、75万円、A社が払ってくれたとする。そうすると、
9万円の儲け

つまり、失敗リスクを下げれば、下請けでも儲かる。
失敗リスクを下げるには、技術力をあげるなどが、考えられること
である




■では、どうやったら、もうかるか? その2

もし、ノーリスクだったら、どうだろう?
失敗しても成功してもお金がもらえる。そうSESだ。

SESの場合、60万より高い値段で契約できれば、その分儲かる。
だから、安い単価(でも赤字にはならない単価)で、大規模に
受注すると、規模が大きくなるほどぼろもうけできる。




今は、SESでぼろもうけの時代だね!

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