ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

2008年のテンサプライズ(IT版)予想解説(6)ソフト業界でトヨタ方式は無理

2008-01-07 23:40:32 | Weblog

シリーズウィリアムのいたずら選定 2008年のテンサプライズ(IT版)、今回は5つめの解説です。
 それは

6.トヨタの闇が多くの人に読まれる
  →トヨタを持ち上げていたプロジェクトマネージャーの知的センスが、部下に
   疑問視され、マネージャーとしての権威が失墜する
  →あらたなマネージメント論を模索することになるが、自分で理論を生み出せない
   マネージャーは、見放される

 です。




 トヨタの闇という本があるそうです。
 この本の内容はともかく、そろそろ、「トヨタ方式まんせー」と言っていた、プロジェクトマネージャーたちが、血祭りに上がってもいいころだろう。

 たしか、トヨタ方式では、なぜ、なぜ?と5回問うのではなかったっけ?

 では、問おう。
 トヨタではなぜできることが、自分たちの会社では、できないのか?




 この答えを説明するためには、「会社とは、どのように運営されているか」という話をまずしなければならない。SWOT分析を持ち出すほどのことでもなく、会社には、外部要因と内部要因からなっている。

 外部は、会社外部の環境、取引先とか、お金貸してくれる銀行とか、そーいったものだ。
 内部は、会社内部の環境、従業員とか、会社の資産とか(人だけではない)になる。

 そして、外部と内部をつなぐのが、社長ということになる。
 まあ、プロジェクトで考えるなら、会社の代わりにプロジェクトマネージャーでもいい。

 こんなかんじ

 外部環境 ― プロジェクトマネージャー - 内部環境

 このとき、これが、システムである以上、外部環境とプロジェクトマネージャーと内部環境のパフォーマンスレベルがあっていないといけない。社外の連中が実に良くても、社内の人間が遊んでいたら、よいパフォーマンスはでない。逆に社内の人間が良くても、取引先が悪いと、営業成績は伸びない。
 社外の人間がよく、社内の人間もよく、プロジェクトマネージャーのレベルが低かったり、人徳がないと、社外の人間は、社内の人間を引き抜いてしまう。逆にプロジェクトマネージャーだけ頑張っても、笛吹けど人踊らずという状況になる。




 トヨタの場合、かんばん方式が成立するのは、トヨタ内部の人間が、かんばん方式を熟知し、実演しているから。。という理解だけでは、マネージャーとしては、すぐに行き詰まるだろう。
 そんなら、ソフト業界も内部の人間だけが頑張って、かんばん方式を取り入れる(って、どーやるんだ ^^;)で話はOKとなる。。
 でも、そーすると、行き詰まる。そして、すんごいことに気がつく。

 トヨタのかんばん方式は、言われたときに外部の業者が部品なりを提供できないと成立しない。
 しかし、これを実現するには、外部の人間は、金銭的、作業的にも、たーいへんな努力と協力をしないといけない。
 つまり、かんばん方式は、内部だけでなく、外部環境(部品提供先)のバックアップ態勢と努力がないとできない。

 一方ソフトハウスにおいては、外部のほうが偉い。
 仕様を決めてくるほうが、たいていえらい。
 さらに、共通部品を提供してくれる人たちも、立場偉いほうが多い。

 つまり、トヨタとは全く逆で、外部が協力してくれないのを前提に、外部に振り回されて動くことになる。だから、かんばん方式のように、必要な時にやっていたのでは間に合わない。
 よくあるのは、「もう仕様書いたから、すぐにプログラム頂戴。アジャイルなんだから、すぐできるでしょー」っていうわがままだ。




 これに対応するには・・・「日本アニメの経済地理学」によると、アニメ業界では先読みして、仕事をするんだそうだけど、ソフト業界も全く同じで、仕様が決まっていなくても、あらかじめ、仕事をやっておかないと間に合わない。

 つまり、トヨタとソフト業界は、外部環境が違うので、まったく同じことをやると、行き詰ってしまう。その業界にあったことをやる必要があるのだ。。




時間がないので、ここまで。この後、つづきあり。


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アニメ制作とソフト開発の類似点と相違点ってとこかな。。

2008-01-07 18:55:17 | Weblog

 で、放送大学の「日本アニメの経済地理学」で(特に2のほうで)やっていた、アニメ制作における伝統的なセルアニメの開発方法とアメリカから来たCGによる開発方法を、まずはじめに説明して、そのあと、ソフト開発の2つの流れ、つまり、従来の一般のソフト開発と、パッケージを組み合わせたカスタマイズについて説明し、アニメ制作の類似性と、相違点について述べます。

 今回は、それを述べただけでおわり、その次に、100万円以下のソフト開発は、ジリ貧になるか、チキンレースになるかを説明します。




■アニメ制作における2つの開発の流れ

 で、その放送大学の講義によると、アニメ制作というのは、昔からの、セルアニメの制作方法、つまり、絵コンテを作り、これを基にセル画を作っていって、間に合わなくなったらえいや!と同業者に回して仕事をこなしていくというやつと、アメリカなんかがやっているCGによって開発するやつがあるということでした

(アニメ-1)セルアニメの制作方法

 で、この場合、(1)企画の作成→絵コンテから、(2)制作(セル画作成)の過程があるのですが、この(2)の過程は、中国なども利用しようとしていると。。。これが可能なのは、「絵コンテ」が元になっている上、仕事上の規範も、みんなで共有しているからであるということです。

 でも、この流れでは、限界があり、もはや納品が間に合わないということも起こりつつあるという話でした。

(アニメ-2)CG制作方法
 もうひとつはCGによるもので、モーションキャプチャなどを使ったりもしてアニメをCGで作っていくものです。これはソフトがあるので、自動的に作れるのですが、表現できないところがあります。その場合、「絵コンテ」を変えてしまったりもします。




■ソフト開発における2つの流れ

 ソフト開発においても2つの流れがあるといえます。

(ソフト-1)従来の開発方法
 要求仕様→外部設計→(内部)詳細設計+プログラミング→テストと開発していく流れです
(この流れを1回しか流さないウォーターフォールと何回も流すスパイラルも、この流れの回数に帰着できます。また、テストファーストは、1回目のプログラミングをしないで、テストにして、あとはスパイラルという感じに考えれば、同じ流れに帰着できます)。

 この場合、要求仕様が重要で、要求仕様を満たすようにプログラムを作っていきます。

*で(1)要求分析→仕様書から、(2)制作(ソフト作成)の過程があるのですが、この(2)の過程は、中国なども利用しようとしていると。。。これが可能なのは、「仕様書」が元になっている上、仕事上の規範も、みんなで共有しているからである???ということです。

 でも、この流れでは、限界があり、もはや納品が間に合わないということも起こりつつあるという話ですかねえ。

(ソフト開発-2)パッケージソフト利用によるカスタマイズ
 フィットギャップ分析をして、その差異部分をカスタマイズするか、別にプログラムを切り出し、そこの部分を作っていくというものです。

*これは(パッケージ)ソフトがあるので、自動的に作れるのですが、表現できないところがあります。その場合、「仕様書」を変えてしまったりもします。




■アニメ制作とソフト開発の類似点と相違点

 上述のように、(アニメ-1)と(ソフト-1)が、(アニメ-2)と(ソフト-2)が対応していて、現にソフトの*部分は、アニメの言葉を一部変えただけです。
 変えた部分は、「絵コンテ」を「仕様書」に代えているだけです。

 ただし、相違点があります。

 まず1点目、「絵コンテ」と違い、「仕様書」は、書かれた時点では、本当にそれが実現できるかどうか判らない場合もあります。実現できないことを書いているケースも多いわけです。
 2点目、?で表現しましたけど、開発者内で、共通の価値観、判断基準があるかどうかは疑わしい点です。




 ただ、1点目のほうが、大きな差異なわけで、ユーザーが作った要求仕様が、本当にできるのか?という天が問題になります。出来ないような仕様が出てきてしまうケースはどういう場合で、そうなると、どーなるのか・・

 これについて解き明かしていくのが、次回の話題となります。
 



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1人月100万以上と以下での顧客と仕事内容の違い

2008-01-07 17:24:15 | Weblog

前回は、「一人月単価100万以上の世界と100万以下の世界へ、ソフト業界は2極分化すると思う」というお題で話した。まとめると、

(1)一人月単価100万”以上”(上限なし)の世界
 =コンサルティングで、相手が儲かるから青天井に投資してくれる世界

(2)一人月単価100万”以下”(下限なし)の世界
 =ソフト開発。仕様が決まっていれば、安いところへ流れる

というものでした。

で、では、(2)のソフト開発会社が、(1)のコンサルティングにいけるか?という話にかんして、方向として、
(2-1)ソフトハウスが、(1)と同じコンサルティングを行う
(2-2)ソフトハウスが、ソフト開発のコンサルティングを行う
の2とおりあり、(2-2)は、顧客であるソフトハウス自体がジリ貧になるので、将来的には成り立たないモデルと説明しました。

で、のこるは、(2-1)の可能性です。これを説明するのに、(1)と(2)の顧客の違いと開発方法の違いについて説明しないといけません。




■顧客の違い
(1)コンサルティングと(2)ソフト開発では、顧客が微妙に違います。

 (1)コンサルティング会社はは、顧客はエンドユーザーになります。もちろん、ソフト開発者へのコンサルも考えられますが、それは、今回の分類には入れていません(上記(2-2)になります)。ここでいうコンサルとは、いわゆる情報コンサルをさします(コンサルティングファームなどで、戦略コンサルと一緒に働くようなコンサル)。

 一方、(2)のソフト開発は、2通りの顧客が考えられます。
 ひとつは、エンドユーザーから直接、もうひとつは、別の(親の)ソフト会社や東芝などの総合電機メーカーっていうの?です(以下ソフト会社等と記述します)。

 そこで、業務内容としては、(2)ソフト開発の本来の業務であるシステム開発と、コンサルティング、顧客に対しては、エンドユーザー直接、とソフト会社等の組み合わせとなります。結局(2)のソフト開発は

(2)ソフト開発をやっている会社が、
 (2-あ)ソフト会社等へのシステム開発
 (2-い)ソフト会社等へのコンサルティング
 (2-う)エンドユーザーへのシステム開発
 (2-え)エンドユーザーへのコンサルティング

になります。(2-い)と、(2-2)は同じであり、(2-2)については、ジリ貧なことは、もう示しました。また、(2-あ)については、前回、(2)として、これは、中国から地方、さらに・・・とどんどん1人月単価が安くなるということを示しました。なので、今度は(2-う)と(2-え)についての話です。

 これが立ち行かなくなることについて、(1)と比較しながら話をすすめることになります。

 それを示すためには、「コンサルとシステム開発の仕事の違い」を説明します。




■コンサルとシステム開発の仕事の違い

 コンサルの場合、上記で示したように、お客さんがシステムを使ったら、こんなに儲かる、だからお金を頂戴よという話になります。

 つまり、どう作るかではなく、いかに使うかの問題になります。

 たとえば、CRMで考えましょうか。
 CRMでいうと、このソフトをどうやって使うと、見込み客が、買うようになるか、クロージングをかけるのに、誰をどのように起用すべきか、そもそも、この顧客にクロージングを仕掛けたほうがいいか、まだはやいかなどという話が、「いかに使うか」の話になります。

 ここでは、オブジェクト指向がどうのこうのという話ではないです。

 というか、コンピューターの話ではなくて、いかにビジネスをコンピューターを使ってするかの話になります。そりゃーそうです。お客さんはコンピューターを買いたいのではなく、金儲けがしたいのですから、儲かる構図が示せなければ意味ないです。

 一方、システム開発は、仕様書が出来ていて、その仕様書をもとに、いかに作るかの話になります。コンピューターの話であって、客がカネをいかに儲けるかというビジネスモデルの話は関係ないです(というよりか、関係ないように、仕様書があり、客が儲け損なっても、そんなの関係なく、仕様書どおりにモノを作ったら、お金がもらえるような仕組みになっています)。

 CRMで言えば、CRMソフトをどのように作るかの問題です。それを、どーやって使ってお金儲けするかというのは、開発者が関与することではないです。仕様書どおりに作れば、それで儲け損ねても、開発者には関係ないと思っています(コンサルの場合、儲け損なったら失敗にはなる。責任問題は契約次第)

 つまり、

(1)コンサルタントの場合は、いかにお金を儲けるかのビジネスモデルが問題である。
   →MBAや中小企業診断士がやるマーケティング論とか、管理会計とか

(2)システム開発の場合は、どのように作るかというソフトの話が問題であり、
   →UMLなどのシステム設計論やJavaなどのプログラミング、テスト
   いかに儲けるかというビジネスモデルは直接関係ない
    :そのため、仕様書があり、それを満たすことが問題になる。




■コンサルティングにおいて、仕様書は?

 今、コンサルティングにおいては、いかにお金を儲けるかのビジネスモデルが中心という話を書きましたが、では、ソフトウエア技術は、どうなるのか?という話をしようと思ったんだけど・・・

 長くなったので、ここできります。

 次は、ここで書くといって書かなかった、「日本アニメの経済地理学」の話からです。

   

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一人月単価100万以上の世界と100万以下の世界へ、ソフト業界は2極分化すると思う

2008-01-07 11:17:58 | Weblog

 金額はどーでもいいんだけど(というか、感覚的には、二極分化はすでに進んでいて、一人月単価100万以上の世界と80万以下の世界という感じがするんだけど)、100万円「以上」というどんどん上がっていく世界と、100万円「以下」どんどん下がっていく世界、究極的には、いくらでも青天井に単価が上がっていく世界と、ただでもいらないという世界に、このソフトウエア業界が二極分化している気がします。




■ビジネスモデルの違い

 どうして、こーなるか(あがっていくほうと、さがっていくほうに分かれる)というと、ビジネスモデルが違うからだと思います。

 どんどん単価が上がっていく方向なのは、コンサルティングです。
 この分野は、「相手を儲けさせるので、その分自分もお金を頂戴よ!」というロイヤリティの世界に近いものです。たとえば、「このシステムを導入したら、もうかりますから、その5%を頂戴ね」というような感じにしましょうか。

 そうすると、1億円儲ければ、500万っていうことになります。ここで、2億儲かれば、この人に、1000万はらってもいいことになります。つまり、「お金を儲けさせてあげるから、その分、お金を頂戴ねというビジネスモデルです。これなら、もっと儲けたいお客さんは、もっとお金を払ってでも(自分はそれ以上儲かるのだから)買ってくれることになります。

 また、こういう性格のものは、「わるかろうやすかろう」と思ってしまうため(そうとは限らないのですが、心理学的に見ると、認知的不協和がはたらくため、お金をかけた場合、よい人だったと思いたい心理が働く)儲けようという人は、先行投資としてどんどんお金をかける傾向になります。

 実際、情報系コンサルタントって、すごい金額ですよね。




■単価が下がる方向にあるのは、ソフト開発型

 一方、ソフト開発を行う場合、つまり、決まったソフトを作る場合、仕様が決まっているなら、中国に出せるわけです。で、そーやって中国に仕事を奪われると、地方の人はこまるので、中国以上に単価を下げます。
(<=今このあたり??)

 でも、こうなってくると、もっともっと下がってくるわけです。

 でも、マルクス経済学ではないけど、

   商品の価格=(商品を作る人たちがやっていける人件費+材料費など)/売れた数

ではないの?という疑問がでるかもしれません。
技術革新がなければ・・
技術革新があると(=生産性が挙がると)人件費を下げられる会社がでてきます。そうすると、その技術を導入できない会社は、赤字覚悟で人件費を下げないといけません。

 もし、最終的な技術革新が起こり、上記のコンサルタントが直接ツールを使って開発できるようになったら・・ソフト開発はいらなくなってくるわけです。そうすると、大変です!!
 もう、ただでも必要ないってことになっちゃいます。

 ただ、こうなるには、まだ、いくつかの技術が必要で、そこがはっきりしていないから、この最終的な技術革新は起きず、安泰なのですが・・




■で、じゃあ、ソフト開発から、コンサルタントになれば?

 そこで、考えられるのは2つ。

 ・じゃあ、ソフト開発会社がコンサルタントになれば?という考えと
 ・ソフト開発のコンサルタントをすれば?

 ということが考えられる。前者は、あることを説明しないといけないので、次回に回します。
 後者のほうを説明します。

 たしかに、いろんな言語とか開発方法論が出れば、ソフト開発のコンサルティングで食べていけます。
 しかし、それを売る顧客は?
 ソフト開発会社・・それがジリ貧になっていくというわけなのだから、この「ソフト開発のコンサルティング」もジリ貧になります。究極の技術革新である、直接コンサルがソフトを作れるようなツールが出てくると、そのソフトを作る会社(多分IBM,東芝、NEC,富士通、日立などの大手ごとにでてくる気がするけど)以外儲からないです。
 なので、多くの会社が、ソフト開発のコンサルティングをやるのは難しいです。




 次回は、「ソフト開発会社がコンサルタントになれば?」ということは難しく、これをやろうとすると、大きな問題が出てしまうということから、2極分化の理由(というか構造)を解き明かします。
 その際、「日本アニメの経済地理学」の内容を援用するかもしれません。

 では、とりあえず、今回はここまで


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