シリーズウィリアムのいたずら選定 2008年のテンサプライズ(IT版)、今回は5つめの解説です。
それは
6.トヨタの闇が多くの人に読まれる
→トヨタを持ち上げていたプロジェクトマネージャーの知的センスが、部下に
疑問視され、マネージャーとしての権威が失墜する
→あらたなマネージメント論を模索することになるが、自分で理論を生み出せない
マネージャーは、見放される
です。
トヨタの闇という本があるそうです。
この本の内容はともかく、そろそろ、「トヨタ方式まんせー」と言っていた、プロジェクトマネージャーたちが、血祭りに上がってもいいころだろう。
たしか、トヨタ方式では、なぜ、なぜ?と5回問うのではなかったっけ?
では、問おう。
トヨタではなぜできることが、自分たちの会社では、できないのか?
この答えを説明するためには、「会社とは、どのように運営されているか」という話をまずしなければならない。SWOT分析を持ち出すほどのことでもなく、会社には、外部要因と内部要因からなっている。
外部は、会社外部の環境、取引先とか、お金貸してくれる銀行とか、そーいったものだ。
内部は、会社内部の環境、従業員とか、会社の資産とか(人だけではない)になる。
そして、外部と内部をつなぐのが、社長ということになる。
まあ、プロジェクトで考えるなら、会社の代わりにプロジェクトマネージャーでもいい。
こんなかんじ
外部環境 ― プロジェクトマネージャー - 内部環境
このとき、これが、システムである以上、外部環境とプロジェクトマネージャーと内部環境のパフォーマンスレベルがあっていないといけない。社外の連中が実に良くても、社内の人間が遊んでいたら、よいパフォーマンスはでない。逆に社内の人間が良くても、取引先が悪いと、営業成績は伸びない。
社外の人間がよく、社内の人間もよく、プロジェクトマネージャーのレベルが低かったり、人徳がないと、社外の人間は、社内の人間を引き抜いてしまう。逆にプロジェクトマネージャーだけ頑張っても、笛吹けど人踊らずという状況になる。
トヨタの場合、かんばん方式が成立するのは、トヨタ内部の人間が、かんばん方式を熟知し、実演しているから。。という理解だけでは、マネージャーとしては、すぐに行き詰まるだろう。
そんなら、ソフト業界も内部の人間だけが頑張って、かんばん方式を取り入れる(って、どーやるんだ ^^;)で話はOKとなる。。
でも、そーすると、行き詰まる。そして、すんごいことに気がつく。
トヨタのかんばん方式は、言われたときに外部の業者が部品なりを提供できないと成立しない。
しかし、これを実現するには、外部の人間は、金銭的、作業的にも、たーいへんな努力と協力をしないといけない。
つまり、かんばん方式は、内部だけでなく、外部環境(部品提供先)のバックアップ態勢と努力がないとできない。
一方ソフトハウスにおいては、外部のほうが偉い。
仕様を決めてくるほうが、たいていえらい。
さらに、共通部品を提供してくれる人たちも、立場偉いほうが多い。
つまり、トヨタとは全く逆で、外部が協力してくれないのを前提に、外部に振り回されて動くことになる。だから、かんばん方式のように、必要な時にやっていたのでは間に合わない。
よくあるのは、「もう仕様書いたから、すぐにプログラム頂戴。アジャイルなんだから、すぐできるでしょー」っていうわがままだ。
これに対応するには・・・「日本アニメの経済地理学」によると、アニメ業界では先読みして、仕事をするんだそうだけど、ソフト業界も全く同じで、仕様が決まっていなくても、あらかじめ、仕事をやっておかないと間に合わない。
つまり、トヨタとソフト業界は、外部環境が違うので、まったく同じことをやると、行き詰ってしまう。その業界にあったことをやる必要があるのだ。。
時間がないので、ここまで。この後、つづきあり。