で、放送大学の「日本アニメの経済地理学」で(特に2のほうで)やっていた、アニメ制作における伝統的なセルアニメの開発方法とアメリカから来たCGによる開発方法を、まずはじめに説明して、そのあと、ソフト開発の2つの流れ、つまり、従来の一般のソフト開発と、パッケージを組み合わせたカスタマイズについて説明し、アニメ制作の類似性と、相違点について述べます。
今回は、それを述べただけでおわり、その次に、100万円以下のソフト開発は、ジリ貧になるか、チキンレースになるかを説明します。
■アニメ制作における2つの開発の流れ
で、その放送大学の講義によると、アニメ制作というのは、昔からの、セルアニメの制作方法、つまり、絵コンテを作り、これを基にセル画を作っていって、間に合わなくなったらえいや!と同業者に回して仕事をこなしていくというやつと、アメリカなんかがやっているCGによって開発するやつがあるということでした
(アニメ-1)セルアニメの制作方法
で、この場合、(1)企画の作成→絵コンテから、(2)制作(セル画作成)の過程があるのですが、この(2)の過程は、中国なども利用しようとしていると。。。これが可能なのは、「絵コンテ」が元になっている上、仕事上の規範も、みんなで共有しているからであるということです。
でも、この流れでは、限界があり、もはや納品が間に合わないということも起こりつつあるという話でした。
(アニメ-2)CG制作方法
もうひとつはCGによるもので、モーションキャプチャなどを使ったりもしてアニメをCGで作っていくものです。これはソフトがあるので、自動的に作れるのですが、表現できないところがあります。その場合、「絵コンテ」を変えてしまったりもします。
■ソフト開発における2つの流れ
ソフト開発においても2つの流れがあるといえます。
(ソフト-1)従来の開発方法
要求仕様→外部設計→(内部)詳細設計+プログラミング→テストと開発していく流れです
(この流れを1回しか流さないウォーターフォールと何回も流すスパイラルも、この流れの回数に帰着できます。また、テストファーストは、1回目のプログラミングをしないで、テストにして、あとはスパイラルという感じに考えれば、同じ流れに帰着できます)。
この場合、要求仕様が重要で、要求仕様を満たすようにプログラムを作っていきます。
*で(1)要求分析→仕様書から、(2)制作(ソフト作成)の過程があるのですが、この(2)の過程は、中国なども利用しようとしていると。。。これが可能なのは、「仕様書」が元になっている上、仕事上の規範も、みんなで共有しているからである???ということです。
でも、この流れでは、限界があり、もはや納品が間に合わないということも起こりつつあるという話ですかねえ。
(ソフト開発-2)パッケージソフト利用によるカスタマイズ
フィットギャップ分析をして、その差異部分をカスタマイズするか、別にプログラムを切り出し、そこの部分を作っていくというものです。
*これは(パッケージ)ソフトがあるので、自動的に作れるのですが、表現できないところがあります。その場合、「仕様書」を変えてしまったりもします。
■アニメ制作とソフト開発の類似点と相違点
上述のように、(アニメ-1)と(ソフト-1)が、(アニメ-2)と(ソフト-2)が対応していて、現にソフトの*部分は、アニメの言葉を一部変えただけです。
変えた部分は、「絵コンテ」を「仕様書」に代えているだけです。
ただし、相違点があります。
まず1点目、「絵コンテ」と違い、「仕様書」は、書かれた時点では、本当にそれが実現できるかどうか判らない場合もあります。実現できないことを書いているケースも多いわけです。
2点目、?で表現しましたけど、開発者内で、共通の価値観、判断基準があるかどうかは疑わしい点です。
ただ、1点目のほうが、大きな差異なわけで、ユーザーが作った要求仕様が、本当にできるのか?という天が問題になります。出来ないような仕様が出てきてしまうケースはどういう場合で、そうなると、どーなるのか・・
これについて解き明かしていくのが、次回の話題となります。