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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「羅生門」の授業(7) 第3場面 イメージ語

2015年06月23日 | 国語のお勉強(小説)

 

25 すると、老婆は、見開いていた目を、いっそう大きくして、じっとその下人の顔を見守った。まぶたの赤くなった、肉食鳥のような、鋭い目で見たのである。それから、しわで、ほとんど、鼻と一つになった唇を、何か物でもかんでいるように、動かした。細いのどで、とがったのどぼとけの動いているのが見える。そのとき、そののどから、からすの鳴くような声が、あえぎあえぎ、下人の耳へ伝わってきた。
26 「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、かつらにしょうと思うたのじゃ。」
27 下人は、老婆の答えが存外、平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷ややかな侮蔑といっしょに、心の中へ入ってきた。すると、その気色が、先方へも通じたのであろう。老婆は、片手に、まだ死骸の頭から奪った長い抜け毛を持ったなり、蟇のつぶやくような声で、口ごもりながら、こんなことを言った。


Q26 14段落「檜皮色の着物を着た、背の低い、やせた、白髪頭の、猿のような老婆である」という描写は、どのような役割を果たしていたと考えられるか。70字以内で説明せよ。
A26 死骸の中にうずくまる という行為と相まって
   、老婆の不気味さを印 象づけ、下人が衝動的
   に抱いた悪を憎む心を 、読者に違和感なく受
   け入れさせる役割。(69字)


 下人が老婆をはじめて見た瞬間の描写は、下人の視点で語られていますが、私達は、いつのまにか下人視点で物語世界を見るように仕向けられているので、そのままおどろおどろしい老婆をイメージします。もし、かりにここのいたのが女子高生だったら、場面のイメージも変わると思いませんか。たとえば、


「 下人の目は、そのとき、初めて、その死骸の中にうずくまっている人間を見た。紺のブレザーを身にまとい、髪はショートボブに切りそろえた小柄な女子高生である。少しグレージュに染めているかもしれないが、この楼の明るさでは判別できない。スカートから長く伸びた足の白さだけが不自然に浮き上がって見えた。下人に気づき飛び上がるように振り返った彼女の目に涙があふれんばかりにたたえられているのを、下人は見逃さなかった。 」


 という様子だったら、下人は「六分の恐怖と四分の好奇心」を抱いたでしょうか。死骸から髪を抜く行動を「許すべからざる悪」と瞬間的に断じたでしょうか。
 わたしたちは、作者の巧妙な単語の積み重ねによって、一定のイメージ造型を誘導させられているのです。

 

Q27「肉食鳥のような」、「からすの鳴くような」、「蟇のつぶやくような」という描写について
  (a)どのような表現効果があるのか。
  (b)その結果、読者をどう導くことになるか。
A27(a)繰り返し動物の比喩を用ることで、老婆を本能のままに生きる非人間的存在と印象づける。
  (b)下人の失望感に、自然に感情移入させることができる。

Q28 「下人は、老婆の答えが存外、平凡なのに失望した」とあるが、なぜ「失望した」のか。60字以内で記せ。
A28 想像を絶するほどの恐 ろしい悪の告白を予期
   していたにもかかわら ず、老婆が語ったのは
   思いのほか平凡な悪事 だったから。

Q29 「その気色」とはどのような気色(様子)か。20字程度で記せ。
A29 下人の心に憎悪や侮蔑の念が生じている様子。

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恋はデジャ・ブ(2)

2015年06月22日 | 学年だよりなど

 

  6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
 まさか、今日も2月2日 … ?
 身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「うるさい!」
 「金を恵んでくれ … 」「うるさい!」。やっぱり水溜まりにはまる。shit!
 「ハーイ、フィル!」「リタ、折り入って話がある」
 「いいわよ、本番が終わってからにして … 」「それどころじゃないんだ!」
 フィルが、もう三日も同じ日が繰り返されていると訴えると、医者にかかるしかないと言われる。 医者で脳の写真をとっても異常は見つからない。勧められて精神科に出向くと、「明日からしばらく通院を」と言われる。その明日がこないんだよっ!
 朝が来る。2月2日。祭りのレポートをする。カフェに行くとドーナツをあるだけ注文する。
「ねえ、フィル。食べ過ぎよ、からだに悪い … 」
「うるさい、ほっといてくれ。もう歯も磨かないからな」
 朝が来る。2月2日。祭りのレポートをする。
 会場に向かう途中で見かけた妙齢の女性に声をかけ、いろんな情報を聞き出す。翌日、再び同じ女性に近づき、○○高校で隣のクラスだったんだよ、その時から気になってたんだ、君は○○が好きだよね、あとで飲みに行こう … 。ナンパは簡単に成功する。
 中継後に見かけた厳禁輸送車は、扉が開いて10秒後に係員が数秒注意をそらす。ワン、ツー、スリー … おもむろに車に近づくと、現金の入ったバッグをなんなく手に入れることができる。
 そのお金で服を買い、車を買い、女をはべらせ、豪遊した翌朝も、二日酔いもなく目が覚める。
 酔ったまま車を飛ばし、追われたパトカーに激突し、留置場に入れられても、同じ朝が来る。
 同じ毎日が強制的に繰り返される状況に身を置いたとしたら、みなさんはどうするだろうか。
 行きずりのお姉ちゃんとの情事も、暴飲暴食も、リセットされる。犯罪をおかしても大丈夫だ。
 ある意味「ラッキー」だろうか。宿題を忘れても、部活をさぼってカラオケに行っても、マックで死ぬほど食べても、お金を使いまくっても、翌日にはすべてリセットされるとしたら。
 いわゆる「ループもの」の一つであるこの作品は、アメリカでは名作と扱われているという。


 ~ 『ゴーストバスターズ』のハロルド・ライミスとビル・マーレーのコンビによる軽いラブコメディだと思われていますが、アメリカでは映画史に残る傑作、名作、古典とされています。
  … グラウンドホッグ・デーという言葉はこの映画から「いくら頑張ってもふりだしに戻ってしまう膠着状態」を言い表す言葉として定着し、ロケ地は名所となり(ビル・マーレーが足を突っ込んだ水溜りのある場所にはプレートまで付けられている) … (町山智浩「アメリカ特電」) ~


 フィルは、どうやってこのループから遁れ出ることができるのだろうか。

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「羅生門」の授業(6) 第2・第3場面 事件・心情・行動

2015年06月21日 | 国語のお勉強(小説)

 

11 下人は、やもりのように足音を盗んで、やっと急なはしごを、いちばん上の段まではうようにして上りつめた。そうして体をできるだけ、平らにしながら、首をできるだけ、前へ出して、恐る恐る、楼の内をのぞいてみた。
12 見ると、楼の内には、うわさに聞いたとおり、いくつかの死骸が、無造作に捨ててあるが、火の光の及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数はいくつともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とがあるということである。もちろん、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸はみな、それが、かつて、生きていた人間だという事実さえ疑われるほど、土をこねて造った人形のように、口を開いたり手を伸ばしたりして、ごろごろ床の上に転がっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりした火の光を受けて、低くなっている部分の影をいっそう暗くしながら、永久におしのごとく黙っていた。
13 下人は、それらの死骸の腐乱した臭気に思わず、鼻を覆った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を覆うことを忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからである。
14 下人の目は、そのとき、初めて、その死骸の中にうずくまっている人間を見た。檜皮色の着物を着た、背の低い、やせた、白髪頭の、猿のような老婆である。その老婆は、右の手に火をともした松の木切れを持って、その死骸の一つの顔をのぞき込むように眺めていた。髪の毛の長いところを見ると、たぶん女の死骸であろう。
15 下人は、六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時は息をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「頭身の毛も太る」ように感じたのである。すると、老婆は、松の木切れを、床板の間に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると、ちょうど、猿の親が猿の子のしらみを取るように、その長い髪の毛を一本ずつ抜き始めた。髪は手に従って抜けるらしい。


Q21「ある強い感情」について
  (a)具体的内容は何か。12字で抜き出せ。
  (b)この「感情」をもたらしたものは何か。30字以内で記せ。
A21(a)六分の恐怖と四分の好奇心
  (b)死骸の中にうずくまり、何かをしている不気味な老婆の存在。

Q22「下人は、なんの未練もなく、飢え死にを選んだことであろう」とあるのは、下人にどういう感情が生まれているからか。10字程度で抜き出せ。
A22 あらゆる悪に対する反感

事件 楼の上に人の気配を感じる
    ↓
心情 警戒心 不審
    ↓
行動 恐る恐る、楼の内をのぞく

事件 老婆目撃
    ↓
心情 ある強い感情 = 六分の恐怖と四分の好奇心 
    ↓
行動 暫時(しばらく)息ができない


16 その髪の毛が、一本ずつ抜けるのに従って、下人の心からは、恐怖が少しずつ消えていった。そうして、それと同時に、この老婆に対する激しい憎悪が、少しずつ動いてきた。――いや、この老婆に対すると言っては、語弊があるかもしれない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分ごとに強さを増してきたのである。このとき、だれかがこの下人に、さっき門の下でこの男が考えていた、飢え死にをするか盗人になるかという問題を、改めて持ち出したら、おそらく下人は、なんの未練もなく、飢え死にを選んだことであろう。それほど、この男の悪を憎む心は、老婆の床に挿した松の木切れのように、勢いよく燃え上がり出していたのである。
17 下人には、もちろん、なぜ老婆が死人の髪の毛を抜くかわからなかった。したがって、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くということが、それだけですでに許すべからざる悪であった。もちろん、下人は、さっきまで、自分が、盗人になる気でいたことなぞは、とうに忘れているのである。
18 そこで、下人は、両足に力を入れて、いきなり、はしごから上へ飛び上がった。そうして聖柄の太刀に手をかけながら、大股に老婆の前へ歩み寄った。老婆が驚いたのは言うまでもない。
19 老婆は、一目下人を見ると、まるで弩にでもはじかれたように、飛び上がった。
20 「おのれ、どこへ行く。」
21 下人は、老婆が死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行く手をふさいで、こうののしった。老婆は、それでも下人を突きのけて行こうとする。下人はまた、それを行かすまいとして、押し戻す。二人は死骸の中で、しばらく、無言のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、初めから、わかっている。下人はとうとう、老婆の腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。ちょうど、鶏の脚のような、骨と皮ばかりの腕である。
22 「何をしていた。言え。言わぬと、これだぞよ。」
23 下人は、老婆を突き放すと、いきなり、太刀の鞘を払って、白い鋼の色を、その目の前へ突きつけた。けれども、老婆は黙っている。両手をわなわな震わせて、肩で息を切りながら、目を、眼球がまぶたの外へ出そうになるほど、見開いて、おしのように執拗く黙っている。これを見ると、下人は初めて明白に、この老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されているということを意識した。そうしてこの意識は、今まで険しく燃えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。あとに残ったのは、ただ、ある仕事をして、それが円満に成就したときの、安らかな得意と満足とがあるばかりである。そこで、下人は、老婆を、見下ろしながら、少し声を和らげてこう言った。
24 「おれは検非違使の庁の役人などではない。今し方この門の下を通りかかった旅の者だ。だからおまえに縄をかけて、どうしようというようなことはない。ただ、今時分、この門の上で、何をしていたのだか、それをおれに話しさえすればいいのだ。」


事件 老婆の行為を知る
    ↓
心情 恐怖が少しずつ消える
    ↓
   老婆に対する激しい憎悪・あらゆる悪に対する反感(衝動的な正義感)
    ↓
行動 老婆にとびかかり、ねじ倒す
    ↓
事件  抵抗を諦めた老婆を見る
    ↓
心情 老婆の生死は自分の意志が支配しているという意識。〈優越感〉
    安らかな得意と満足〈成就感〉
        ↓
行動 声をやわらげる


Q23「この意識」とはどういう意識か。30字以内で記せ。
A23 老婆の生死は完全に自分の意志が支配しているという意識。

Q24「少し声を和らげて」とあるが、その理由を40字以内で説明せよ。
A24 老婆を取り押さえたことで安らかな得意と満足を抱き、
   気持ちに余裕が生まれたから。

Q25「今し方この門の下を通りかかった旅の者だ」と嘘をついたのはなぜか。2点答えよ。
A25 1 老婆を安心させて話しやすくするため
   2 老婆の優位に立っている状態を維持するため

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埼玉栄高校定期演奏会

2015年06月20日 | 演奏会・映画など

 

  埼玉栄高校さんの演奏を定演会場で聴くのは久しぶりだ。
 ソニックシティ大ホールでの昼夜二回公演は、チケット完売。
 伊奈学さんもそうだけど、プロの吹奏楽団ではありえない集客力に驚く。
 「春の道を歩こう」を演奏する昼の部をくことは叶わなかったが、夜の部では、課題曲は4と3を聴くことができた。
 「プロヴァンスの風」の演奏は、これまでに聴いたなかで最高のものだった。
 たしかに、ナニワウインド、東京佼成というプロ奏者のそれが上手かったことは認める。
 しかし(「ゆえに」かな)、逆に楽譜の物足りない部分も、そのままくっきりと演奏されてしまっていた。
 課題曲は、時間と市場のなかで淘汰されて残っている他の楽曲とは異なる。
 海千山千の作曲家がものにし、「売り物」として成立した作品に比べたなら、その完成度は劣っている場合もある。
 それを補ってあまりあるのが、課題曲を演奏する子供達の努力の積み重ねだ。
 プロに比べて技術的には劣るはずの高校生の演奏が、観客をより納得させるものにするのは、その時間と思いの総体だ。
 栄さんクラスになると、バンドのDNAとして、それが備わっているのかと思わせられるような演奏だった。
 課題曲3「秘儀」もしかり。個人的には、多くの「吹奏楽通」が賞賛するほどの曲とは思ってなかった。「ま、いろものだよね」と。 
 しかし、ちがった。一つの旋律やリズムが繰り返されることで生まれる陶酔感、取り憑かれるように祭りが盛り上がっていく土俗民のトランス状態が、こんなに表現されるとは。
 本ベルがなり、校歌演奏と校長挨拶が始まったときは帰ろうかと思ったけど、この課題曲を聴けてよかった。

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恋はデジャ・ブ

2015年06月19日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「恋はデジャ・ブ(1)」

 「デジャ・ブ」はもともとフランス語「déjà vu」で、英語でもそのまま「deja vu」という。あえて英訳すれば「already seen」。「一度見た景色」「既視感」という意味だ。
 1993年に公開されたアメリカ映画「恋はデジャ・ブ」の原題は「グラウンドホッグデー」という。 「土もぐら(グラウンドホッグ)の日」。
 アメリカ・ペンシルバニア州では、毎年2月2日に「グラウンドホッグデー」という伝統行事が行われる。土の中から顔を出したグラウンドホッグが、自分の影を見て再び冬眠を続けようとするか、目を開けるかを見て、春の到来を占うお祭りの日だ。
 日本で言えば「啓蟄(けいちつ)」にあたるだろう(知ってる?)。
 気象予報士フィル・コナーズは、女性プロデューサーのリタとともに、グラウンドホッグデーを取材するため、ペンシルベニア州のパンクスタウニーを訪れた。
 かれこれ四度目になる取材だが、フィルにとって、この人口数千人の田舎街の行事は退屈きわまりなく、身の入る仕事ではなかった。
 前泊して、朝ホテルで目を覚ます。
 2月2日。6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
 身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「いってらっしゃい!」
 街に出ると、浮浪者から金を恵んでくれと声をかけられる。それを避けて水たまりにはまる。Shit!
 祭りのメイン会場に着くと、リタがカメラマンを従えて待機している。キューが出される。
「今朝は、パンクスタウニーからお送りします … 」
「ねえ、フィル。もう少し笑顔でレポートできないの?」リタからのダメだしをまともに取り合わず、帰り支度をするフィル。
 なんでスター予報士のおれが、こんな田舎でちまちまレポーターをしなきゃならいんだ … 。
 三人で帰路につくが、天候が急変し、吹雪のせいで一本道が通行止めになってしまった。
 しかたなく、パンクスタウニーにもどり、もう一泊することとなった。
 翌日の朝。
 6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
 なんか違和感がある。
 身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「いってらっしゃい!」
 え? 昨日と同じ? デジャ・ブ?
 街に出ると、浮浪者から金を恵んでくれと声をかけられる。それを避けて水たまりにはまる。shit!
 祭りの会場に着くと、リタがカメラマンを従えて待機している。
「リタ、なぜ二日連続で祭りをやってるんだ?」
「何言ってるの? 今日は2月2日よ。さ、カメラ回すわよ」
「ちょっと待ってくれ!」「笑顔でお願いね!」
 フィルはわけがわからないまま、しぶしぶ二回目のレポートを始める。「今朝はパンクス … 」。

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西部地区研究発表会

2015年06月18日 | 演奏会・映画など

第50回西部支部研究発表会

日時:6月18日(木)24番目 15:10演奏予定

会場:所沢ミューズ(西武新宿線航空公園) 

演奏曲:マーチ「春の道を歩こう」他

応援ありがとうございました!


 

 一曲目マーチを演奏してから、二曲目にラブレターにはいるとき、メンバーの場所替えがけっこうあることに昨日気づいた。二曲の通しはやってなかった。
 それで、一曲目が終わったあと、客席の方を向いてお辞儀をすることにしていた。
 ひらやまくんの学校紹介デビューに続いて、マーチの演奏開始。お、なかなかいいテンポ感じゃないかな。
 思ったほど揺れてない。よしこのままいけば、すっきりした演奏だよねという拍手が、思わずわくのではないか。
 最後のドッドコドが鳴り終わる。さあ、盛大な拍手こい。あれ? なんか振り向きにくいな。
 でも、少し間をとらないと。
 客席を向いて頭をさげる。う~ん、拍手がうすくないか。
 二曲目も、まあそれなりいい感じでふれて、初めてのステージに乗れた一年生たちも、拍手をいただく感覚を体験できればいいかなと思ったが、「包まれる」ほどのそれではなかった。
 残念。客席できいてもらった中島先生から「鳴ってなかった」と言われる。
 そこか … 。講評の先生からも「男子校、いいね。でももっと吹け」とのお言葉をいただいた。
 やはり … 。
 一緒に総務係という裏方をしていた先生方の出番がおわるたびに、「先生、よかったですよ、おつかれまです。前向きな演奏ですね」「さすが技術高すぎですね」とか、おれは声かけてたけど、自分がもどったあとは誰も声かけてくれなかった
 寂しい。人望のなさが第一原因だとは思うけど。
 ちょっとえらい先生に相談してみようかな。まだ時間はある。

コメント (2)
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前日

2015年06月17日 | 日々のあれこれ

 

 レッスンをお願いしていたチューバの先生に、楽器のレッスンに入る前に合奏を聴いていただく。
 決めどこのハーモニーがはっきりしない、付点八分音符と16分音符の繋がり部分がそろってないなど、基本の部分でのだめ出しをしていただき、今日どれだけ直せるだろうかと思いながら、修正していく。
 コードネームを記入したスコアをパートリーダーに配ったのは最近だ。全員に浸透しているわけはなく、西部地区が終わったあとにテンポをおとして、細部を確認していかないといけない。
 学校の2台のキャラバンの楽器を積み込む。共通打楽器の大会はほんとに移動しやすい。
 コンクールも共通打楽器でやればいいのに。そうしたら、どれだけいろんな進行がスムーズになることか。まあ、えらい先生方は、ステージ係や駐車場係やらないからなあ。
 お弁当は、豚肉とキャベツのソース炒め、しらすとネギを入れただし巻き玉子、厚揚げとじゃがいもの煮物。

 安保法制で時間を浪費する一方で、「18歳選挙権」はあっさり可決された。
 18歳は成人と見なすということだろうか。だとしたら犯罪報道のあり方も変わるはずだし、酒やたばこも18歳に認めないと理屈上では合わなくなる。
 安全保障と同じくらい憲法に関わる法制だと思うのだが、なぜ問題にならないのか。
 「識者」「文化人」「政治家」とよばれる方々の多くは、世界的に当然の流れだからと言う。
 「選挙権引き下げ」反対とする意見は、おどろくほど見かけなかった。
 しかし「今」引き下げる根拠が自分的に見つからないのだ。
 昔の18歳より、いまの高3の子のほうが概して大人になってきたから、という理由がみつかるなら何も問題はない。
 せめて一般常識テストをして、合格した若者だけを対象にしたらどうだろう。

 「自由民主党」「日本共産党」って漢字で書けますか?(維新はもういいかな)
 日本と安全保障条約を結んでいるのは何と言う国ですか?
 太平洋戦争では、日本はどこの国とと戦争しましたか?

 模擬国会とかじゃなく、ほんきの選挙権を行使させるなら、これくらい知らないとまずいのではないだろうか。
 もしくは必修とされている「世界史A」の簡単なテストをするとか。

 三権分立のうち「立法」は何を指しますか?

 レベルだと、大人でもあやしくなるし、

 「過半数」ってどういう意味ですか? 

 が難しい高校生もいる。
 逆に、軽くクリアするであろう、一部の小学生に投票してもらっても、なんの問題もない。
 あるとしたら何?
 親の世話になっていること? それを言うなら、18歳では経済的に自立していない若者の方が多いし、30歳で働いてない人もいる。
 具合が悪くないのに働かないのは憲法違反のはずだ。解釈でどうにでもなるのだろうが。
 憲法学者は、こういう話にはくいついてこないのね。

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前々日

2015年06月16日 | 日々のあれこれ

 

 あと二日で、西部地区。
 出張のための振り替えで、久しぶりに6コマ連続の授業。5コマが4階教室だったので、体力温存のためになるべく休み時間も職員室にもどらずに教室で過ごした。休み時間も教室で心地よく過ごせる学校になってよかったと、ふとしみじみする。昔は自分のクラスのHRにいくのさえ気が重い時もあった。
  メロ西京味噌焼き(昨夜アトレ地下で半額だった)、キャベツウインナ炒め、豚肉ナス炒め(夕飯の残り)のお弁当でエネルギー補給したものの、午後は少しろれつがまわらなくなる。
 放課後、西部地区の出場メンバーを発表する。一年生初心者組のなかから、なんとかいけそうな子はメンバーに加わってもらい計49名で出ることにしたので、そのメンバーで合奏。見た目はAバンドぽくなった。

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努力は報われない?(2)

2015年06月15日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「努力は報われない?(2)」


 「努力は必ず報われるとは限らない、そんなのわかってます」と、高橋さんは言う。
 たしかにそうだろう。努力したからといって、必ず「神7」に入れるものはない。
 みんながみんな写真集を出せるわけではないし、映画やドラマの主役に抜擢されることはない。


 ~ 私は、入って1年ぐらいの時にあることに気づきました。「私はこのグループでは、1番にはなれない」ということです。同期には前田敦子がいました。次の期には大島優子がいました。みんなすごくて、カリスマ性があって、絶対的人気があって。
 私は歌手になりたくて芸能界を目指しました。たくさんオーディションに落ちました。そして受かったのがAKB48でした。歌手になりたいけど、アイドルになりました。
 カワイイとか、アイドルとか全然分からなくて。どうすれば人気がでるのかも分からなくて。
でも、このグループがすごく好きになったから、すごく頑張りたいなって思って。
 気付いたらキャプテンになって、総監督になっていました。 ~


 ひょっとしたら、高橋さんの言葉が伝わらないメンバーもいるかもしれない。
 「あたしは、あそこまで可愛くないから」とか、「あの先輩はついてるから」とか、責任を自分の努力以外に求めてしまうメンバーがいたとしたら、高みなさんの言葉がすうっとは入っていかないかもしれない。
 逆に、容姿や、歌・ダンスの技量にそれほど卓越したものがなくても、素直に努力を続けられるメンバーは、なんらかの形で報われるのではないか。
 努力は報われないことはない。その「報われ方」が人それぞれなのだ。
 表面的には、全く報われてないような状態に見えることも多々ある。
 こんな結果になるなら、努力しなかった方がよかったんじゃないか、と。
 しかし、努力したあとには「何か」が残る。むしろ形のない「何か」が大切だと言える。
 高橋みなみさんは、「今年は一位になりたい」と宣言して、頑張って、4位に終わった。
 その彼女の言葉を、他のメンバーがどれだけ本気で聞いていたか。ファンの人たちをどれだけ勇気づけたか。彼女が自ら手に入れた「人望」であり「信頼」だ。
 それを思えば、総選挙一位とか、ソロCD発売とか、主演ドラマ決定とか、難関大学合格とか、関東大会出場とか、大金持ちとか、社会的地位とかのわかりやすい結果以上に、大切なものを彼女は手に入れている。

 

 ~ みんな目標があると思うし夢があると思うんだけど、その頑張りがいつ報われるとかいつ評価されるのかとかわからないんだよ。
 わからない道を歩き続けなきゃいけないの。きついけどさ、誰も見ていないとか思わないで欲しいんです。絶対ね、ファンの人は見ててくれる。これだけは、私はAKB人生で一番言い切れることです。だから、あきらめないでね。 ~

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日曜練習

2015年06月14日 | 日々のあれこれ

 

 久しぶりに普通の日曜練習なので、けっこうがっつり合奏させてもらう。
 課題曲の細部にも気を配れるようになり(自分が)、今までにない萌えポイントがでてくる。
 今日は、再現部のメロディーのハモリパートだった。
 「ドシラソーファ、ミファソラ~」のうらの「ドドドラーラ、ドレミファ~」の動き。
 くうっ、泣ける。この懐かしさは、今井美樹さんの「朝がくるまで~」と似てるからかな。
 いや、何かもっと古いフォークソングで、何か似てメロディーがあった気もする。
 「春の道を歩こう」はJPOP的なコード進行が多いと言われるし、実際その通りだと思うが、テイストはさらに前のフォークっぽく最近感じている。
 もちろん、わるい意味でもなんでもなく。
 そう言えば、「JPOP的」をマイナス表現で使ってらっしゃっる高名な作曲家先生の文章を拝見した。
 この作品を、歌謡ポップス的であることを理由の一つにあげ、音楽の「発展途上」と述べる文章だ。
 ふーん。その先生の楽曲が、JPOPよりもグローバルなものとはとても思えないのだけど。
 先日、河野洋平氏、村山富市氏が並んで記者会見して、安保法制に反対する記者会見する場があった。
 どの分野でも、昔えらくて、年をとってからはなかなか相手してもらえなくなって、表面上は周囲がえらい人扱いしてくれるから、のこのこでてきて、現場の現役が困るような発言をしてしまうような場面はあるものだ。
 こういう年のとりかたをしてはいけななあと思う。
 練習を終えて、学年だよりを印刷して、いよいよ、待ちに待った「海街Diary」鑑賞にでかける。

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