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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

恋はデジャ・ブ(2)

2015年06月22日 | 学年だよりなど

 

  6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
 まさか、今日も2月2日 … ?
 身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「うるさい!」
 「金を恵んでくれ … 」「うるさい!」。やっぱり水溜まりにはまる。shit!
 「ハーイ、フィル!」「リタ、折り入って話がある」
 「いいわよ、本番が終わってからにして … 」「それどころじゃないんだ!」
 フィルが、もう三日も同じ日が繰り返されていると訴えると、医者にかかるしかないと言われる。 医者で脳の写真をとっても異常は見つからない。勧められて精神科に出向くと、「明日からしばらく通院を」と言われる。その明日がこないんだよっ!
 朝が来る。2月2日。祭りのレポートをする。カフェに行くとドーナツをあるだけ注文する。
「ねえ、フィル。食べ過ぎよ、からだに悪い … 」
「うるさい、ほっといてくれ。もう歯も磨かないからな」
 朝が来る。2月2日。祭りのレポートをする。
 会場に向かう途中で見かけた妙齢の女性に声をかけ、いろんな情報を聞き出す。翌日、再び同じ女性に近づき、○○高校で隣のクラスだったんだよ、その時から気になってたんだ、君は○○が好きだよね、あとで飲みに行こう … 。ナンパは簡単に成功する。
 中継後に見かけた厳禁輸送車は、扉が開いて10秒後に係員が数秒注意をそらす。ワン、ツー、スリー … おもむろに車に近づくと、現金の入ったバッグをなんなく手に入れることができる。
 そのお金で服を買い、車を買い、女をはべらせ、豪遊した翌朝も、二日酔いもなく目が覚める。
 酔ったまま車を飛ばし、追われたパトカーに激突し、留置場に入れられても、同じ朝が来る。
 同じ毎日が強制的に繰り返される状況に身を置いたとしたら、みなさんはどうするだろうか。
 行きずりのお姉ちゃんとの情事も、暴飲暴食も、リセットされる。犯罪をおかしても大丈夫だ。
 ある意味「ラッキー」だろうか。宿題を忘れても、部活をさぼってカラオケに行っても、マックで死ぬほど食べても、お金を使いまくっても、翌日にはすべてリセットされるとしたら。
 いわゆる「ループもの」の一つであるこの作品は、アメリカでは名作と扱われているという。


 ~ 『ゴーストバスターズ』のハロルド・ライミスとビル・マーレーのコンビによる軽いラブコメディだと思われていますが、アメリカでは映画史に残る傑作、名作、古典とされています。
  … グラウンドホッグ・デーという言葉はこの映画から「いくら頑張ってもふりだしに戻ってしまう膠着状態」を言い表す言葉として定着し、ロケ地は名所となり(ビル・マーレーが足を突っ込んだ水溜りのある場所にはプレートまで付けられている) … (町山智浩「アメリカ特電」) ~


 フィルは、どうやってこのループから遁れ出ることができるのだろうか。

コメント
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