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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

多重人格(4)

2015年06月05日 | 学年だよりなど

学年だより「多重人格(4)」


 状況に応じて様々な人格を意図的に使い分けられるようになった人は、器の大きい人と評される。
 そうなるには訓練が必要だ。しかしそれは特殊な訓練ではない。


 ~ 状況に応じて適切に「人格」を切り替えるということは、かなりの「精神のスタミナ」が求められる営みなのです。従って、永年の修業を通じて、その「精神のスタミナ」、すなわち「精神的基礎体力」を身につけていないと、頭では「人格の切り替えが大切」と分かっていても、それを現実の場面に合わせて瞬時に「切り替える」ことができないのです。
 よく、職場などで、「あの人は、対応が事務的だ」「あの人の仕事は、機械的だ」と批判される人がいます。これは、しばしば、「あの人は、冷淡だ」「あの人は、自己中心的で、相手のことを考えない」という批判に結びつきます。
 しかし、実は、こうした人の問題は、「自己中心的な性格」の問題だけでなく、同時に、「精神的基礎体力」が無いという問題でもあるのです。
 そのため、もし、この人が、自分の姿を反省し、「相手のことを考えて対処しなければ」と思っても、それを実行する「精神的基礎体力」が無いため、結局、それができないのです。
  … そのために、何か特殊な方法があるわけではありません。方法があるとすれば、若い時代から、メール一つ、電話一つでも、細やかに人格の切り替えを行いながら、相手に対応するという修業を積むことです。当初、この修業は、精神的に疲れますが、その疲れを厭わず修業を重ねていくと、自然に、あまり苦も無く、人格の切り替えができるようになります。 (田坂広志『人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」』光文社新書) ~


 就職活動につきものの(というか採用不採用の最も大きな基準となる)面接は、この人格切り替え能力が第一に見られるといっていい。
 必要に応じて異なる人格を用意できることが、コミュニケーション能力の高さだ。
 これがないと、就職もそうだし、女子と交際するにあたっても不具合が生じる。
 初めて出会った人とどう会話するか、見知らぬ人とどうコミュニケーションをとれるかは、それ自体が仕事能力の大きな一要素であり、初めての事態に遭遇したときの対応能力に通じる。
 残念ながら、大人にもこの力の足りない人はやはりいるもので、想定外の出来事に接したとき、とりあえずキレてしまったり、ただ茫然としたりするだけになってしまう。
 経験値の不足による人格未発達、もしくは人格切り替え経験の不足が原因だ。
 自分を意図的に想定外の事態に置くこと、意図的に経験したことのないものにチャレンジしていくことができれば、新たな人格を目覚めさせることができる。
 「勉強って、新しい人格を育てるためにやるのかなあ … 」という方向性が見えてきただろうか。
 たとえば「文武両道などムリ」と言ってしまうのは、中学生までの人格でしか事態をとらえていないという状態だ。
 自ら困難な環境に身を置いてみることをチャレンジという。
 失敗しても、その経験がからだに残る。それこそが将来の自分の財産になる。
 そういう意味で、チャレンジという経験以上の自己投資はないのだ。

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