水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

知識偏重

2013年11月01日 | 国語のお勉強

 教科書を使わない、週に一回の国語演習の時間を、学年11クラスのうち8クラスもたせてもらっている。
 やることは、徹底的な試験対策。センター試験、二次、私大の入試で1点でもよけいにとるためにどうしたらいいかを教える授業。まさに「1点きざみの知識偏重」が私めの仕事だ。

 2学期後半からは現代文の演習で、1回目は、模試に出た「新しい博物学」という文章を扱う。中学校時代に読んだ子もいるかな。
 中学校の教科書に載っている部分と異なり、近代科学との 対比が明確に述べられている部分だ。
 「要素還元主義」「ミクロ」「サイエンス」「分化」と言った言葉を四角で囲む。
 一方「博物学」「自然哲学」「総合知」といった言葉を丸で囲む。
 四角で囲んだ言葉が含まれている文には、「~てしまった」「~ねばならない」という表現が用いられていることに気づくことで、筆者の批判の方向性を把握してもらう。
 論理的とは、まず「異・同」を明らかにすることである。
 これは宇佐美寛先生の教えだ。
 問題を解くとき、とりあえず漠然と読んでいる子がいまだ多いように見えるので、この単語は、文は、段落は、それぞれ四角なのか丸なのかと問い、文章を構造化してを把握する作業の練習をする。

 2回目は、現代評論を読むために必要な基本知識について話した。
 たとえば「物心二元論」とか「機械論的世界観」とか。こういう言葉は、意図的に参考書や問題集を読んだ子でないと知らないままに終わる。
 もちろん、自分でしっかり問題演習を積めば自然と身につくが、そこまで現代文に時間を割ける子は本校にはいない。
 そして、この近代的思考、近代的価値観をしっかり身につけておくことで、入試のときにちゃんと点がとれるし、大学に入ってから学ぶ学問の土台ともなるはずだ。
 
 こういう勉強しなくてよくなるのかな。
 「機械論」とか教えるよりも面接の練習をせよという時代が来るなら、もちろん対応するけど。
 さしあたり、入試で1点でも余分にとれるようになるために、論理的に読み、解く練習をしていこうと思う。
 ちょー「偏重」しよう。

コメント
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