水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

何をやるか

2024年03月02日 | 学年だよりなど
3学年だより「何をやるか」




 自分のものの見方を広げていける場として、大学は有効な場所だ。
 どの大学に進学するかは、今までの人生になかで一番大きな決断だと感じた人も多いと思う。
 そして、その決断も、純粋に自分の気持ちだけで決定できるものではないという現実を、感じ取ったかもしれない。
 目標が100%叶った人も、まったく違う方向になった人も、それがどこであれ、自分で決めて入った大学が、自分のベストだ。そこからスタートしよう。
 「ほんとは違ってたかも」と考える時間ほど無駄なものはない。
 もう取り返しがつかないのだから。
 後悔にかける時間も、自分の貴重な資産の一部であることにまちがいない。
 これからの人生に於いて重ねることになるであろう数々の失敗は、それを後悔している時間は資産の浪費になるが、次の自分にいかすことができるなら、失敗でさえなくなる。
 「自分」という資源は、自分の今後の可能性を高める方につぎこむべきだ。
 自分のやりたいこと、すごしたい人生に、1%でも近づく方向になるように、毎日を積みかさねていけばいい。




~「成瀬さんは将来何になるんですか?」
 漫才も司会もできて、パトロールが趣味で、京大を目指すほど勉強が得意な人は将来何になるんだろう。
「先のことはわからないからなんとも言えないが……。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」
 何になるかより、何をやるか。わかるようなわからないような言葉だけど、成瀬さんが言うとかっこよく感じる。
「たとえばわたしはパトロールを好きでやっているが、警察官になりたいとは思ってない。会社員になったとしても、パトロールはできるだろう。だからわたしが何になるかは未定だが、地域に貢献したいとか、人の役に立ちたいとは思っている」
 わたしは鳥肌が立つのを感じた。わたしはこれまで何になりたいか訊かれたら、ケーキ屋さんとかお花屋さんとか好きなお店を適当に答えていた。でも、何をやりたいかと考えたら、人を笑顔にしたいとか、別の視点が生まれる、何になるかより、何をやるか。あとでちゃんとノートに書いておこうと思った。 (宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』新潮社)~




 将来、具体的に何をやりたいのか――。
 大学に入るとすぐにでも決断しないといけないような雰囲気におかれる場合もあるが、あわてる必要はない。
 どんな方向、どんな方面のことを考える自分が楽しいのかな、何をやっている自分が好きかな? 
 というようにゆっくり考えてみたらどうだろう。
 せっかくそれができる時間をいただいたのだから。
 卒業おめでとうございます。
 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人間像 | トップ | 第31回定期演奏会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

学年だよりなど」カテゴリの最新記事