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Chateau Talbot 1995

2015-11-20 00:00:00 | フランス・ボルドー
Chateau Talbot 1995
Chateau Talbot 1995
シャトー・タルボ Chateau Talbot 
   4 級 PP3級               
   AOC サン・ジュリアン・ベイシュヴェル 
~15世紀イギリス統治時代の将軍シュルーズベリ伯ジョン・タルボットの本拠地がこの地にあったことに由来。

セカンド     コネ-ターブル・ド・タルボ
             Connetable de Talbot 
             年間生産量 30万本 
             ~コネタブルは元帥の意。

畑 面 積    108ha (赤102ha、 白~カイユ・ブラン6ha)
                お庭は30ha 
年間生産量    30万本
隣 接 畑    ランゴア・バルトン、グリュオ・ラローズの北
オーナー     コルディエ家(1917年取得)
          ロレーヌ・リュストマンとナンシー・ビニヨン・コルディエ
作付割合     カベソー66% メルロー26% カベフラ3%
           プティ・ヴェ 5%
平均樹齢     35年 
植栽密度     7,700本/ha
収   量     52hl/ha
土 質 等    サンジュリアンの丘に所在し、標高22メートルの
          最も高い畑。
          高い畑及び古木がタルボ用、他はセカンド  
          小石が多い。下層は鉄分を含む。
タ ン ク    ステンレスタンク(23基)、木製発酵槽9,200h(24基)
新樽比率    40%
収   穫    ドライヤー付選果台。畑と醸造所で2回選果。   
発   酵    15日から21日間
樽 熟 成    18ケ月
コラージュ    しない。
濾 過      軽くする。
セパージュ
  1994年 カベソー60% メルロー30% カベフラ 5% プティ・ヴェ 5%   
  2001年 カベソー55% メルロー40% カベフラ 5%
  2009年 カベソー55% メルロー30% プティ・ヴェ15%
  2010年 カベソー63% メルロー37% プティ・ヴェ 5%
  2011年 カベソー62% メルロー33% プティ・ヴェ 5%
  2012年 カベソー65% メルロー32% プティ・ヴェ 3%

特  徴  逞しく、フルーティ。
香  り  カシス、スパイス、なめし革、チェリー、プラム、西洋杉、

飲み頃の続く期間/ 収穫後7年から25年

※より柔らかく、よりエレガントな方向へ変更中
      

評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ
古いヴィンテージ
 タルボは比較的際立った記録の持ち主で、1970年代のそれなりに良好なヴィンテージでは殆どすべてで優良なワインを生産している。1978年(87点最終試飲1999年6月)、1975年(87点?、最終試飲2001年11月)、1971年(87点、最終試飲2000年3月)はいずれも上質な作品である。
 1960年代には姉妹シャトーであるグリュオー・ラローズの後塵を拝していた。1966年、1962年、1961年という最高のヴィンテージでは一貫してグリュオー・ラローズの方がタルボよりはるかに良好なワインを生産していたのだが、これらのヴィンテージのタルボは最近試飲していない。もしかしたら私が試飲したタルボで最も偉大な古いヴィンテージは(何年も飲んでいないが)1953年(90点、最終試飲1995年12月)と1945年(94点、最終試飲1988年3月)かもしれない。

1982年 PP95 
 とてつもないワインだ。十分な飲み頃に達しつつあり、黒トリュフ、アニス、タルタルステーキ、新品の鞍革、大量のブラックチェリーやカラントを思わせる巨大なノーズが、この濃い、光を通さないガーネット/紫色をしたワインのグラスから飛び出してくる。フルボディで、並外れた量のグリセリンがあり、酸は弱い。非常に丸々と太った、くらくらしそうな、噛みごたえのあるスタイルをしている。知的な意味でも享楽的な意味でも御馳走だ。最終試飲2002年6月
 予想される飲み頃 現在から2011年 ダウン 

1983年 PP90
 未だにこのヴィンテージの、特にメドックでは最良のワインの一つで、甘草、コンポスト、鞍革、黒系果実の趣がある。ミディアムからフルボディで、肉付きが良く、みずみずしい。酸は弱く、熟した果実味があり、好奇心を刺激する下地となるスモーキーな、草っぽい趣も感じられる。凝縮感があり、十分熟成している。最終試飲2002年6月
 予想される飲み頃 2010年まで ダウン

1985年 PP90
 極めて芳しい、しなやかで、広がりがあり、エレガントな、十分に熟成しており、暗いガーネット色をしており、縁にはピンク色や琥珀色がたっぷり見られる。肉付きが良く、ミディアムボディで、絹のように滑らかなワインのバランスは秀逸で、大量の果実味があり、酸の弱い、みずみずしいフィニッシュである。最終試飲2002年6月
 予想される飲み頃 2005年まで ダウン

1986年 PP96 
 夢の様に素晴らしいワインだ。過去50年で2つある最も偉大なタルボの1つである。いまだに非常にくすんだガーネット/プラム/紫色をしており、壮観なノーズは甘いクレームドカシスと混ざり合った、挽きたての胡椒、溶けた道路のタール、エルブ・ド・プロヴァンス、牛肉から滴り落ちる血を思わせる。並外れて凝縮感があり、ボディはフルで、甘いタンニンが感じられる。どうやら飲み頃の高原部に到達しかかっている様で、少なくとも10年から15年は持ちこたえるだろう。けた外れのワインである。最終試飲2002年6月
 予想される飲み頃 現在から2020年 sei お値段40,000円位みたい。

1988年 PP88
 暗いプラム/ルビー/ガーネットいろをしており、1990年や1989年より色の濃さは上である。新品の鞍革の趣と混ざり合った牛肉の燻製、タプナード・ペースト、バニラ、殆どチョコレートの様なモカの個性がある。いくらかのほどほどのタンニンはまだまとめる必要があるが、ミディアムボディで、秀逸なグリップ、深み、全体的な個性もある。熟成していくにつれて、より評判高い1989年より性格、深み、スタイルが成長してきたようである。最終試飲2001年10月
 予想される飲み頃 現在から2012年 ダウン

  補 タプナード・ペースト~フランス・プロヴァンス地方のオリーブペーストの総称。
    アンチョビやケイパー・にんにくが入っているのが「伝統的な」 作り方だとか。

1989年 PP87
 濃いルビー色をしており、程々に素質のある趣は甘いブラックカラントと混ざり合った甘草、コンポスト、いくらか雑草の様な煙草を思わせる。このミディアムボディのワインは、酸は弱く、魅力的に熟した果実味も感じられるが、いささか余韻の短いフィニッシュである。最終試飲2002年10月
 予想される飲み頃 現在から2012年 ダウン

1990年 PP87
 いささか控えめで、例年ほど力強くない。暗いルビー色をしているが、縁にはいくらかのピンク色も見られる。魅力的な、非常に成長した芳香は土、スイートチェリー、スモーキーなハーブを思わせる趣がある。ミディアムボディで、酸が弱く、タンニンは熟しているが、偉大なヴィンテージや、タルボ自身に期待される凝縮感に欠けている。最終試飲2001年10月
 予想される飲み頃 2008年まで ダウン

1995年 PP88
 このチャーミングで、強烈な香りの、暗いプラム/ガーネット色をしたワインは、隠そうとしても隠しきれないオリーブ、土、グリルした牛肉、ブラックカラントの香りのするヴーケがグラスから立ち上がる。ミディアムボディからフルボディで、酸は弱く、まろやかで、甘美な、果実味豊かな風味がある。肉の様な香りがあり、また、肉付きが良く、おいしい。今でも飲める。最終試飲2001年3月
 予想される飲み頃 現在から2012年 ダウン

1996年 PP89
 傑出に近いワインで、縁いっぱいまで濃い暗いルビー色をしており、秀逸な香りは黒系果実と混ざり合った甘草、乾燥ハーブ、ローストした肉の香りを思わせる。充実したワインで、エキス分は印象的。肉付きの良い舌触りをしており、酸は弱く、純粋さは秀逸、余韻の長い、深みのある、噛みごたえのあるフィニッシュ。最終試飲2001年3月
 予想される飲み頃 現在から2017年 sei

1997年 PP85

1998年 PP88
 熟成するにつれて、中間部に中身が詰まり、重みを付けてきた。深みのあるプラム/ガーネット色をしており、率直な、魅惑的なノーズは溶けた甘草、西洋杉、プラム、ブラックチェリー、カシスを思わせる。この魅力的なタルボは、良好な舌触りをしており、ミディアムからフルボディで、タンニンは甘い。このワインの成長ぶりを見ると心地よくなる。最終試飲2002年3月
 予想される飲み頃 現在から2016年 sei

1999年 PP88
 乾燥ハーブ、森の下生え、カシス、カラントを思わせる香りが、この魅力的な香り高く、しなやかで、スパイシーな、ミディアムボディのワインだ。汁気の多い舌触りをしており、酸は弱く、タンニンはやわらかい。向こう10年で楽しむ事。
最終試飲2002年3月
 予想される飲み頃 現在から2012年 ダウン

2000年 PP90⇒PP93
 超大作ではないが、この傑出したサン・ジュリアンは、賞賛に値するコク、層状の舌触り、甘いタンニン、あふれんばかりの量のスモーキーなカシス、甘草、ハーブ、土、なめし革の特徴がある。香りは複雑で、華麗なコクがあり、力強さとエレガンスのブレンド比率は称賛に値する。いくらかタンニンがあるので2年から3年はセラーで寝かせて当然である。最終試飲2003年1月
 予想される飲み頃 現在から2020年 sei

2001年 PP89+⇒PP89
 1990年代には少々型崩れしていたように見える期間もあったが、最近のヴィンテージの品質には相当な将来性が見られる。非常に特別なワインを生産する能力はあるのだ(1982年や1986年を試飲した人ならだれでも簡単に請け合う事だろう)。2001年のワインは生産量の50%でしかなく、縁いっぱいまで濃いルビー/紫色をしており、燻したハーブ、甘草、西洋杉、お香、プラム、ブラックカラントの趣がある。ミディアムボディで、2001年のワインとしてはほどほどにタニックで、深みや力強さは良好。
 予想される飲み頃 現在から2015年 sei

2002年 PP88~90⇒PP78
 フルーティで率直なサン・ジュリアンは、2002年のたいていのメドックにみられる構造に欠けている。もっとも、それを補って余りある、しなやかな、果実味が前面に出たスタイルをしていて、秀逸な、ハーブの色合いがある、なめし革の様な、ブラックベリーやチェリーの趣が感じられる。ミディアムボディの純粋なワインだ。
 予想される飲み頃 現在から2015年 sei

2003年 PP88~90⇒PP90
 タルボのやわらかい、外向的な2003年は、殆ど飲めるようになっている。極めて酸が弱く(殆ど平板と言えるほどである)、深みのあるルビー/ガーネット色をしており、大柄なノーズはベリーの果実、乾燥ハーブ、新品の鞍革、土を思わせる。まろやかで、フルーティで、チャーミングだが、構造や深みに欠けている。多分樽や瓶で熟成していくうちにまとまって、今以上の重みやコクを見せる様になって行くだろう。早いうちから飲めるようになる筈である。
 予想される飲み頃 現在から2014年 ダウン
2004年 PP88
2005年 PP90
2006年 PP89
2007年 PP86
2008年 PP90
2009年 PP91
2010年 PP91~93
2011年 PP87~89
          

Chateau Talbot 2011.09 記
     1982年 20,000円、1996年 5,900円、2000年 13,400円
     2003年 12,500円、2004年 4,300円、2005年  8,200円
     2006年  6,300円、2007年 6,000円、2008年 5,000円 位
     Wine Searcher 平均 8,672円 2014.05補記  
     
     
 広大な単一のブドウ園を持つタルボは、ジロンド河から離れた内陸の、小さなサン・ジュリアン・ペイシュヴェルの村のずっと裏手、グリュオー・ラローズのすぐ北にある。タルボの名は、1453年のカスティヨンの戦いに破れたイギリス軍指揮官、シュールーズベリー伯爵ジョン・トールボットにちなんだものだ。このシャトーはコルディエ家の管理のもと、一貫して上質な、逞しい、それでいてフルーティな、フルボディのワインを生産しており、メドックのワインの格付けが新しくなる事があったら当然昇格していただろう。新しい管理者のもとでは、より柔らかい、よりエレガントなスタイルへと移行しつつあるようで、ヴィンテージ毎の一貫性も増している。
 タルボでは、量はささやかだが、おいしく辛口白ワインもつくられている。カイユー・ブラン・デュ・シャトー・タルボと呼ばれており、新鮮で華やかな白である(メドックで最上の白のひとつだ)。ただし、収穫後2年から4年以内に飲まなければならない。
  
     

一般的な評価
 タルボは一貫して高品質で、メドックで最良のお買い得品の一つである。1986年や1982年と言ったヴィンテージは、未だにこのワインがいかに偉大なものになるかと言う評価の指標となっている。

歴 史
 イギリス統治時代、サンジュリアン村のこの一帯は「タルボ将軍」が治めていたと言われていますが、直接所有していたわけではないようです。
 シャトー・タルボは、ガロンヌ川のほとりのなだらかな「サンジュリアンの丘」の上に位置し、メドックで第2の広さ(108ha~シャトー・ラグランジュ作付面積113ha)を誇っていると言われていますが、歴史的にはあまり明らかになっていません。18世紀から19世紀の所有者として名が挙がっているのは、ドー・ド・レスクー侯爵とその一族です。その後、1899年に競売によりA・クラヴリが取得し、1918年(1917年説もあり)にはG・Aコルディエが取得し、その後コルディエ社名となったようです。1991年には、コルディエ社から独立されたようで現在個人所有ロレーヌ・リュストマンとナンシー・ビニヨン・コルディエの様です。
 今でもタルボ将軍に対する思い入れは強いらしく、「戦いに敗れたタルボ将軍が、この畑のどこかに財宝を埋めた」という伝説があるとか。

決戦 シャトー・タルボは、サンジュリアンで最大面積を誇るシャトーです。タルボを英語表記ではトール・ボットで、100年戦争のイギリス軍指揮官であった将軍の名に由来しています。彼トール・ボットの家系はノルマンディーのコー地方に起源をもつノルマン人であったようですので、元々フランスとは関係があったようです。
 トール・ボットはカスティヨンの戦いに敗れ1453年7月17日戦死してしまいます。フランスのシャトー名に敵国であったはずのイギリスの将軍の名を冠しているのは奇異に思われるかもしれませんが、ボルドー地区を含むアキテーヌ地方は長きに渡りイギリス領であり、ワイン貿易における最大のお得意様でもあったことから、少なくともボルドーにおいてはかなりのイギリスびいきであったものと思われます。
 この点について、歴史を紐解くと、ジャンヌ・ダルクが登場するオルレアン攻囲戦で抜群の功績を立て、イングランド王ヘンリー6世は、フランス王としてトール・ボットをフランス大元帥にしています。
 1451年にはフランスがボルドーを占領し、百年戦争も終わりを迎えたかに見えたのですが、イングランド王家による300年の統治を受けてきたボルドーの市民たちは、自分たちのことをイングランド人だと思っており、イングランド国王ヘンリー6世に対して、ボルドー地方奪還要請の使節を送ります。
 そして、1452年10月17日、シュルーズベリー伯ジョン・トール・ボットが兵とともにボルドー付近に上陸しますが、フランスの守備隊はボルドーの市民たちによって追い出され、イングランド人たちのために市の門を開けたと言われています。結局、1453年7月17日カスティヨンの戦いに敗れ戦死します。
        
 1987年に最新設備の導入、ドレーン・パイプの敷設を行う等改革を進めてきました。
ろくでなしチャンのブログより)






抜栓日:2015年11月15日
ブラインドでの提供でした。
透明感のある、グラスの向こう側の指が見える程度の綺麗なガーネット。エッジの色合いもしっかりとしています。香りは、腐葉土やきのこ、下草といった、十分な熟成香があり、カシス、ブラックベリーの香りもほんのりと残っています。熟成香に混ざりハーブ系の香り、木の皮のニュアンスがあります。左岸のイメージ(ボルドーですというヒントありました。タンニンは溶け込んでいてとてもスムーズ。酸もしっかりとしています。あと5年位はぜんぜん大丈夫じゃないかと思いました。
このくらいのヴィンテージのボルドーは、いいですね~。


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