喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

タイトルの通り、映画、小説、漫画を観終わった後に、感想を書くだけです。コメント頂ければ幸いです。

中年東大生? 政治家を目指す 

2023-03-01 23:39:04 | その他

あけましておめでとうございます。

本年でブログは10周年となります。10年前と比べて、ブログの体裁は自分なりには整ってきたつもりではありますが、

自分自身はほぼ成長しておりませんね。。

本年もブログ週1ペースでの更新を目指します。

 

早速ですが、一発目は映画感想ではなく、書評を久々に。

中年東大生? 政治家を目指す』を読んで、とても感銘を受けたので感想を書いておきたいと思いました。

 

普段、母校の高校の司書が作ってくれた読書感想ノートに短い感想を記録していますが、

たくさん感想書きたいのでブログに投稿したいと思いました。

なにより、本の著者であるいのたかしさんを一人でも多くの人に知ってもらいたい(このブログを定期で読んでるのは存じている限り、はにわ会の島鉄君くらいですが)ということ、本書はマイナー本でありAMAZONレビューに少し書評があったくらいなので、私が書いてもいいかなと思い立ったのです。

 

本の詳細については、AMAZONのリンク先を。10年前の本になるため、現在、取り扱ってないそうです。

Kindleなどで再販されることを願ってやまない。

 

まず、私が本書を購入したきっかけについて。

私自身は江東区民であり、毎回衆議院選挙で無所属から立候補している「いのたかし」候補のことは知っていた。

「おっさん東大生」と書かれているポスターからは、自己顕示欲の強い変わり者候補が、江東区にもいたとは…といいう第一印象を受けた。

政治好きな私は、もちろんいのたかしについて調べるのであった。

ホームページから本書の存在を知り、江東区の書店に並んでいるのを見たこともある。

そして最近、Facebookの友達申請をしてから、わざわざ毎回いのさん自身からコメントやいいねを下さるため、

本書のことを思い出し、これは本書を読まないわけにはいかない、早く読まねばと思うようになった。

同時に、今までいのたかしに投票すべきか悩んだこともあり、本書が判断材料になると確信した。

 

さて、本書が手元に届くと、表紙のいのたかし本人は、とても若々しい。

月日の流れを感じずにはいられなかった。

というか、ここまで長い年月、孤軍奮闘してるいのたかしに、尊敬の念を抱いた。

 

まず、目次を眺める。

この時点で、なんて興味をそそられることか!!

恋愛経験のない私は、思わず選挙項目そっちのけで<最後の失恋>あたりから読み始める始末。

まさかのいのたかし渾身のショートショート風文章が掲載されており、度肝を抜かれた。

いのさんは、子供に勉強を教えたりしているそうだが、本当に子供が好きなのだなと思った。

私は子供が苦手なので、尊敬する。

 

<ひねくれた恋愛観>

改行して書かれた「もう、疲れた。」に、切なくなってしまった。

女性にフラれ続けている自分と勝手に重ね合わせ、感情移入。

けど、選挙に立候補する方が疲れそうだ。

身の程知らずの相談所のおっさん、ラジオで神田伯山も話してたな。。

最後の優しいのは当たり前というのは、なるほどと思った。優しいのは相手のことが好きな理由ではなく、

相手のことが好きな結果なのである。では、好きな人以外にも優しくしてればそこを女性が見てくれていて好きになってくれるのだろうか。

考えさせられる。

<マクドでお正月>

いのさんの積極性に感銘を受けた。最近、ドラッグストアの店員が可愛いなと感じるときなどはあるが…

店員にとっては、こちらの情報は皆無なので、このパターンは店員側としては、OKが難しいらしい。

しかし私もいつか真似したりして。

煙草を禁煙ゾーンに吐いてる奴は、好きな人にしか優しくできない奴だろう。

 

<外国でホンマにあったオモロイ話 エロエロ編>

私はなんのために本書を買ったのか。こんな話までわざわざ載せてくれるいのさんに感謝!

 

ようやく、最初から順番どおり読み進める。

【第一章 第一節】

読んでいるだけで、疲れてしまう。

勢いで立候補するべきではないことが分かる。

今ではいのさんも選挙戦に慣れ、馴染みのある地元で活動できているから良かっただろう。

結構、非常識な業者がいるもんだと思ったが、人生を賭けてるいのさんは食い下がることはない。

板橋は会社の研修で若干行ったことがあり、あそこでいのさんがデビューしてたとは知らなかった。

そして、本書で最も感銘を受けたのは、いのさんが党の方針に反して公開討論会に出席した部分である。

江東区でも通信社主催で一度、公開討論会があったのだが、その際はいのさんはご欠席されていたので、

議論から逃げている人なのかと思っていたが、そんなことはなかったのだ。

 

いのさんの演説内容にも、感銘を受けた。

バランス感覚の持ち主だ。普段、挨拶しているところは見かけるが、演説はあまり聞かない。

次回の選挙では演説を生で聞いてみたい!

 

いのさんは、「現役東大生」であるが、それ以前に元国家公務員のエリートである。

税務職員時代を通して国の制度の理不尽さを肌身で感じ続けてきたからこそ、立候補したのだろう。

元税務職員であるいのさんにしかできないことがあるはずである。

第三章OECD編から、いのさんが海外経験豊富であり国際感覚も豊かであることが知れる。

税務職員というと税を徴収する貧相なイメージしかなかったため、色々な課があるのだと知った。

上智大卒のいのさん、流石英検1級プレーヤーだけある。

今まで地方議員なら受かるのにと思っていたが、国会議員と仕事してきたいのさんがまず国会議員を目指すのは当然だ。

 

【第二章 家族の思い出】

本章は、要介護のご両親とご祖母の介護体験にまつわる話だ。

私は、介護職に従事している立場だが、本章は介護について家族側の視点から書かれており、学ぶことが多い。

いのさんはご兄弟が結婚されているため、介護の役割も担うことになる。

毎日見舞いに行くいのさんは凄い。

医者が家族のことも思いやることができるのかということについて。

これには反省させられる。忙しいあまり、とても常に思いやることができてないからだ。

「先生」の呼称について。私は政治家を「先生」とは呼ばない主義だが、確かに医療社会は一般社会とは隔絶されている気がする。

「三十分後に死んでくれればよかったのに」と漏らした医者には、唖然とするが…

介護施設では病院ほど死者がいないが、死者が日常茶飯事だとそんな言葉が吐けるくらいになってしまうのかもしれない。

 

いのさんの利用していた、定時ごとにヘルパーが来てくれるサービス。

祖父がまさに要介護状態の私にとって身近な話題。私の家の場合、夜中にヘルパーが出入りすることに抵抗があるため、

もし祖父が寝たきりになれば、オムツ交換も夜間行わなければならない。

祖父を介護している家族にとって、これは難しいだろう。

私は介護職ゆえに、自分が寝る23時・起きる6時くらいに交換するようにすればいいとは思うが、

まあ家族で協力してオムツ交換することになるのでしょうかね。

私の家族のことについては個人情報であるためこれ以上は書くのは控えるが、いのさんのように1日4回交換を頼むのは

施設に入るのと同じくらいのペースだ。

「見た目が風俗」というのは、オムツ交換が当たり前になっている私からすると、若干ショックな表現ではあった。

辞めた女性ヘルパーは、経験なかったのか?

確かに他人の介護だからできるというのはあるだろう。

しかし、介護職である私は、早朝や深夜のオムツ交換はこちらでやりたいというプライドがある。

 

職場の理解については、ここ10年で高齢化がますます進み、進んだのではなかろうか。

「政治家より重労働である」と書いて頂いたのはありがたい。

足の爪切りは手より難しく、私の苦手な業務のひとつ。利用者の肌をうっかり切ってしまえば、始末書を書くことになる。

家族ならそれはないが…

私の祖父も今まで頼まなかったことを家族に頼んでいるようだ。

 

「いつ逝ってくれるのかしら」

こういう場面では、親戚でさえこう発言してしまうものなのか。

確かに、ぽっくり逝く人もいれば、栄養剤を飲んでいた人などは、絶食してから10日間生きるケースもある。

 

【第三章】

同和問題、大阪にあった人権博物館へ行った際、どっかの会社から研修に来てた人がいたのを思い出す。

都立城東高校から東大に合格したいのさんは本当に逸材だ。しかも、仕事をしながら合格したということか?

 

まとめ。

長々と下らない感想を書きましたが、

いのさんが赤裸々に半生を綴った自伝である本書、もっと早く手に取っておけばよかったと後悔した。

いのさんの正直すぎる文章は面白く、東京文フリの政治カテゴリに出展してもらいたいくらいである。

 

政治広報では一言で終わる「介護の経験」だけでも、こんなに苦労したエピソードがある。

介護で苦労され、国家公務員として法律の策定に携わり、語学力もあるいのさんこそ国会議員にふさわしい。

そして、人柄の良さが滲み出ている。

次回の衆議院選挙では、いのさんに投票するだろう。

いつしか、いのさんのファンになっていた自分だった。

 

そもそも、今までの自分は自分の票が死票にならないことを避けるように投票するとか、

そんな消極的理由で投票していた。

本当に投票したい人は誰なのか。

こんなんだから、私には彼女もできないのだ。

よく、「投票する候補がいない」というが、果たしてそうなのか?

いのさんのように本を出版されてる政治家はたくさんおり、そうした本を手に取ることから有権者は始めるべきなのだ。

 

そして、本当に自民と共産しか候補がいない選挙区も、衆議院では多い。

いのたかしという候補が立候補し続けていることに、感謝しなくてはならない。

毎朝街頭ですがすがしい挨拶をしているのは、本書で挨拶の重要性を指摘していることからも分かる。

政治家は先生ではなくあくまでゼレンスキーよろしく「国民の僕」ではあるが、立候補する大変さにはリスペクトを抱くべきだ。

誰もなりたがらないから、結局世襲になるわけで。

いのさんが本書で述べているよう、私は政策等の理屈で支持しているとは到底言い難く、隔週の街頭演説でいのたかしが刷り込まれ、

感情的に支持していったといえるが…

 

豊洲方面は新規住民も増え、いのさんが勝てる可能性はまだある。

今後もいのたかしから目が離せない。

 

追記:なんと、いのたかしさん本人がFacebookにて本記事を紹介してくださいました。

私はいのさんとFacebook上で友達なので、本人が目を通すのを前提で記事を書いていたんですが、

こんな駄文を紹介(しかもまさかの固定投稿として)してくださるとは思っていなかったため、恥ずかしい。

おかげさまでブログのアクセス数が伸びました。

 

ところで、実は本書の内容は、いのたかしさんのブログにも掲載されていたのです!!

2013年3月くらいまでの記事はほとんどが本書と被るので、ぜひ皆さん目を通してください。

そして、私は本の続きとして、ブログを読み進めたいと思います!

コメント
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