がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

テンペスト行脚~フール~

2012年05月17日 | ・『テンペスト』行脚

テンペスト第6話「八重山の流刑者」

というわけで、ドラマ本編にもでてくるアレが写真ストックにあったのを思い出して
急遽テンペスト行脚。


 

■フール■

「孫寧温、観念しろ。王府の命令により投獄する」

「どうか、どうかお許しを……。
私は列強の脅威を王宮に報せたかっただけでございます……」

寧温は朦朧とした意識の中で牢舎に投げ込まれた。

豚小屋と併設された牢舎は、
罪人を家畜扱いしても罪悪感を覚えずにすむ造りだった。

夏場になると衛星環境は最悪で
糞尿の臭気が鼻腔に容赦なく襲いかかる。


「テンペスト(下)27-」(池上永一著/角川書店)

 


沖縄の豚小屋、フールです。
(イントネーションはまっすぐよ。プールに非ず)

原作では「フール」という単語は出てこないのですが、
ドラマではまさにこれ。

フールのポイントは、トイレと豚小屋が一緒になっているということ。

つまり…人間のモノを豚さんが…ということです。

 

フール=牢舎というのは……テンペストでの創作かな?

この場面、かわいそうなくらい寧温君が悲惨です。
ドラマ版はかわいいものです。
きっと原作をリアルにビジュアル化すると
仲間由紀恵さんがとんでもないことになるはず…

 

トイレを兼ねた使い方は衛生上の問題から大正時代に禁止となりますが、
豚小屋としてはその後も使われ続け、
ワタシの母ちゃんもフールは「豚小屋」として(かろうじて?)知っている世代デス。

今でも重要文化財の民家などではこのフールが併設されているので
結構目にすることがありますよ。

↑の写真は「中村家」のフールです♪


戦後撮影のフール↓
http://naha.machitane.net/old_photo_big.php?id=2760 

フールについてくわしく知りたい方は↓
http://takara.ne.jp/oroku/wafuru.html
 

 


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【6話語録】

「王府に納める上布だ。いったー、手ぇ抜くなよー」
「抜かずに急げ」

いったー = お前ら

やったー とも言います。
やー(お前) の複数形で やったー。

やったーじゃなくて、ゴーヤーと一緒でまっすぐ(笑)

私たち は わったー

6話はわき役が光ってる回

コメント (6)
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尚巴志も飲んだ、チチンガー

2012年05月17日 | ・琉球史散策/グスク時代

島添大里グスクのすぐ隣にあった、
チチンガーという泉。

水元までは地上から8メートル下にあるため、
上には拝所が。

小さくもアーチ形に組まれた石が、
なんか威厳がある感じ。

8メートル下を見下ろす。

周りを石垣で囲まれて、
中城グスクの北の郭にある大井戸にも似た雰囲気です。

でもだいぶ古いようで、
崩落防止のネットがかけてありました。

地震とか来たら、ヤバイかも…。

水元。

ガマの中は水でたっぷり浸っていました。

ざぶーんって奥まで入っていけそう…。

ちょっと神秘的…

グスクの城壁外にあると水が湧き出し、
城壁でグスク内に取り込むと水が枯れたとの伝承があるそうです。

琉球王国ぶらぶらぁ散歩(おおきゆうこう・田名真之著)によると、
ゆえに「チチマランカー(包まないカー(井泉))」ということで、
いつの間にか「チチンガー」となったのだとか。

ちなみに島添大里グスクは尚巴志も居城とした場所なので
このチチンガーの水を飲んでいる可能性は大ですね。

そう考えると、
「ただの史跡風景」ではなく、ちょっと浪漫でしょ?(笑)

 


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現代版組踊 岩手派遣メンバー
岩手派遣報告会
 

5月20日(日)
場所 名桜大学 多目的ホール
開場/13:30  開演/14:00~15:30(予定)


*アトラクションあり*
入場料無料

てぃんぬむいのブログ

メンバーさんがゲスト出演した今日のFMよみたん「復興支援番組」のUSTREAMはこちら↓
http://www.ustream.tv/recorded/22640513


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現代版組踊代表メンバー 岩手派遣報告会

2012年05月16日 | ・現代版組踊レポ

最近、週末によく史跡めぐりとか行けてるな~と思ったら、
週末に舞台がないからでした(笑)

去年度の舞台ラッシュと比較すると、
確かに今はゆったりとした週末が過ごせている気がします。

でも「そろそろ現代版組踊観たーいっ!!」っていう
禁断症状?が出ている方もいるのでは

そんな方に朗報です!

 

来る日曜日、5月20日(日)に、
現代版組踊代表メンバーによる、
岩手派遣報告会が名桜大学であります!

現代版組踊というツールを通して、
被災地岩手の【心の支援】をしていくという目的で活動している
現代版組踊塾Teamシンカヌチャーの代表メンバーさんたち。

当ブログでもちょこっとお伝えしていましたが
ラジオ ・ 新聞記事
先月、岩手で行われたさくらまつりに参加し、
たくさんの笑顔と元気を届けてくれたようです!

 

その報告会を行うとのことですが、
こりゃまた現代版組踊の要素を入れつつ、
楽しく元気に発表するとのこと

岩手でも披露されたというオリジナルストーリーには
あの赤犬子も登場…!?

 

また、参加した代表メンバーさんたちは
てぃんぬむい~星結踊~というチームを立ち上げ、
これからも長期的な支援活動、年間を通した活動を続けていくとのことです。

現代版組踊に関わったコドモタチが、現代版組踊をきっかっけに、
このように自分たちで考えて活動して発信していけているというのは
本当にステキで、そしてとても頼もしいなと思います

現代版組踊が目指す「人づくり」そのものですよね

というわけでワタシも応援に駆け付けたいと思います

 

名桜大学、北山までドライブがてら
ちょっとお出かけしませんか?

 

現代版組踊 岩手派遣メンバー
岩手派遣報告会
 

5月20日(日)
場所 名桜大学 多目的ホール
開場/13:30  開演/14:00~15:30(予定)


*アトラクションあり*
入場料無料

 

てぃんぬむい~星結踊~のブログはこちらから

 


今回は代表メンバーのひとり、
さぁやーさんから連絡いただきました☆
どうもありがとう~(^ω^)

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南山グスク

2012年05月15日 | ・琉球史散策/グスク時代

 南山グスク。

南山王、他魯毎の居城。

あがってすぐあるのが拝殿。

琉球のグスクは、戦前皇民化教育の一環として
「神社」と同一化されたものも多く
南山グスクにも鳥居がたてられていました。

南山グスクは高嶺小学校・高嶺中学校のすぐ隣にありました。

どれくらいすぐ隣かというと、
運動場の延長線上に南山グスク。

壁もフェンスも何もなくて、見事なバリアフリー(笑)

仕切りのない学校とは…めずらしい。
(証拠写真、撮っておくんだったな)

その運動場側のすぐそばある石碑。

戦前のもの。

「南山城跡」って書いてある。

その隣のプチ玉陵的なものは…お墓?拝所かな?

他にもいたるところに拝所が。

真黒い香炉!Σ(゜∀゜;)

城壁の後も所々に見られました。

ただ、南山グスクの城壁全てが当時のものというわけではなく
崩して移動してたり、リサイクルされていたりもするそう。
(入口付近の布積みの城壁とか)

でもこの辺の古い城壁は、当時のものかも、とのこと。

南山グスクについての案内板はこちら↓

南山のドラマはちょいと複雑。

まとまりがないんだもん、南山。

尚巴志も南山の佐敷の出ですが、
やはり「中山の尚巴志」としての印象の方が強いし、

中山・北山に比べるとまだ人物ドラマとしては影が薄いかな~とは思ってますが
(現代版組踊シリーズでもまだないし)
でもその分、隠れたドラマや人物像がまだまだ作れるエリアだとは思っています。

前から言ってますが、南山からもヒーローを!

(今のところワタシの中での候補は他魯毎の弟、南風原按司守忠さん(^ε^))

 

…じゃあ、ついでに守忠さん制作秘話(@琉球戦国列伝)

実は彼のモデルはたまたまそばにあった阿修羅像(写真)でした。
「なんか憂い顔のおっさん描けたんですど~」ってラフ送ったら
南風原さんが後からはめられたって感じです。

なので元々他魯毎の弟のつもりで描いた絵ではないので
他魯毎と意識して似せた絵にはなっていないのです

最初から他魯毎の弟を意識して描いてたら
体系は痩せ型だったとしてももっと毛を多くしてゲジ眉にしてたでしょう。
きっとお母さん似なのねってことで(笑)

でも
「他魯毎の弟ならせめてもうちょいひげは濃くしなきゃ!」ってことで
最初は全然ひげがなかったのですが、
剃っても残ってる(青ひげ?)ふーじーにしてみました(笑)

 


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リニューアル☆

2012年05月14日 | ・現代版組踊レポ


↑クリックするとジャンプします

 

あらっ

TAO Factoryのサイトがリニューアルしてました

シルエットで構成したがデザインがシンプルでステキッ
それぞれどの舞台のどのキャラ(アンサンブル)か分かるかな?(*^m^*)

 タオのコーポレートカラーは緑に統一?

 

 

現代版組踊関係者さんたちも
「護佐丸の日」企画、一緒に遊びませんか(笑)?
現代版組踊視点の護佐丸を是非♪

 


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【予告】530~護佐丸の日~企画

2012年05月13日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 

去年の5月の記事を見て思い出した

今月30日は「護佐丸の日」だ。

ちなみに、ワタシが勝手に言っているのではなく
中城村によって制定されたれっきとした「ゴロ合わせ記念日」です。

しかし、だからと言って何かイベントがあるのかというと、
ビミョ~な所…

 

というわけで、思いついた!

 

何もないなら、作ってしまえばいい!

 

ってことで、勝手に
「530~護佐丸の日~企画」!

5月30日(水)に、みんなで護佐丸について
ブログやツイッターなどで一斉UPするっていうのはどうデショウ?

 

ネタは古琉球髄一の名将・護佐丸がテーマであれば何でもOK!

 

絵を描いてUPするのもよし!(落書可)

ゆかりの地の写真をUPするのもよし!

こんな所が好きと暴露するのもよし!

妄想…もとい、勝手なイメージを語るもよし!

物語を作っちゃうのもよし!

もし「大河ドラマ・護佐丸」ができたとしたら誰が適任か発表するのもよし!

敢えて笑いをとるのもよし!

関連するうんちくを披露するのもよし!

専門的な見解を述べるのもまたよし!

 

とりあえあず、この日は意識して「護佐丸」という単語をネット上にUPして
ひそかに盛り上がりませんか?(笑)

ミーハー的なノリでも
一文だけでもOKよ

子孫のみなさんもいらっしゃ~い


個人的には護佐丸よりも阿麻和利や大城賢雄のほうが思い入れはあるのですが(笑)
古琉球の偉人でこのように個人名で「記念日」があるのは
きっと護佐丸だけだと思うので、

どうせなら記念日にかこつけて遊びましょう

 

 

さあ、5月30日水曜日、
各々、護佐丸に対する思いの丈を述べるがいい!

 

*ルール*

●「護佐丸の日」という単語を本文もしくはタイトルに入れること

●護佐丸に関連するネタであること

5月30日(水)の00:00~24:00の間にUPすること

○相互交流できるように、UPしたらできればワタシがUPする記事のコメント欄に
リンク貼ってくれると嬉しいです(ツイッターのURLでもOK)※これは任意です

 

 

この画像(大・小)はフリーです↓
「530~護佐丸の日~企画」を広めちゃってください。
(詳細はこの記事のURLにリンクさせてください)

 

 

*追記*

グロスケちゃんがツイッター用のタグ「♯護佐丸の日」を作ってくれました。
ツイッターユーザーはどうぞご利用ください♪
(彼女は『月下に語る』の絵(小説、USTREAMの両方)を担当してくれたコです)

 ワタシもいつかツイッターやる日がくるんだろうか…(´_ゝ`)今の所ヨテイナシ。

 



というわけで、元ビドウの琉球歴女な絵描き隊は

各々準備に取り掛かるように(指令)

コメント (18)
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ストーンサークル

2012年05月13日 | ・琉球歴史/文化風景

み~っけ!

一切案内表示・標識がなかったにも関わらず、
方向と勘だけで迷わず一発到着


ビバ、内蔵史跡センサー(笑)


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先中グスク

2012年05月13日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 糸満市にある真栄里グスク。
別名「先中グスク」

護佐丸が座喜味から中城に移る際、
元々中城グスクにいた按司がここに移って居を築いたグスク。

中城から、はるばる糸満まで…。

…追い出された?

意外と知らない方多いんですが、
中城グスクは護佐丸がゼロから作ったグスクじゃないですよ☆

増築してバージョンアップさせたのが護佐丸。

もともと「中城グスク(中グスク)」はあったんです。
(座喜味はゼロからの築城みたいですが)

 

ついでに言えば、勝連グスクも阿麻和利の築城じゃないので
お間違えなく☆

さて、その先中グスク。

隣にある老人ホーム建設の時に大部分は削られてしまったらしく、
グスクの全体像は「よくわからない」とのことです。

所々に石積みや拝所が見受けられました。

グスク内は一応ちゃんと「道」があって
藪の中ではありませんでした。


思わず抹茶かき氷練乳かけ…と連想したワタシ

古い階段。

苔の緑が美しい

入口の標識。

…風化してほとんど読めません

 

グスクの入口は老人ホームの駐車場を突っ切った所にあります。

老人ホームの敷地内に一時入ることになるので
ちょっと躊躇しましたが大丈夫なようです。

 


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まんまる市。

2012年05月12日 | ・現代版組踊レポ

まんまる市に行ってきたよ。

21世紀の森公園、よく考えたら中まで入ったの初めてかも

お天気だったこともあって
たくさんの人が来ていました

 

今日の戦利品は、主に観葉植物。

100円とか200円とかで安かった

 

 

家に帰ってから鉢を入れ替えたりしました。

左上の写真、下に敷いてる木も1つ50円

違う高さのものを5つget

 

それから、デザインと色がステキだった布のコースターと、

今日購入したものの中ではこれが1番高かった印鑑ケース。
(がまぐちグッズ好き好き

なぜかラブラブハトのチャームがついてる。
ラブリーだけどイマイチ生地とあってないので取ろうかな…?

 

「北山の風」も見ましたよ

役者さんもメイクして登場(衣装は簡易verでしたが)

うしーとうまーが劇中の人物紹介&小芝居があったり
新メンバーさんの初々しいダイナミック琉球や、

ふと客席に横に目をやると、
幼稚園生?くらいのコタチが一生懸命一緒に踊っていたりと
なんだか和みました(笑)

(それにしても本部の紹介…「色男」か…(笑))


イベントでは色んなステージがあったのですが、
ワタシが見た中では「北山の風」の時が
1番お客さんがたくさんいたような気がしますサスガ!
(人の壁ができてたもんね)

次の公演を楽しみにしてますねー

 


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乙女なカメラ女子風(笑) 部屋の観葉植物、だいぶ増えたな~。

コメント (4)
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他魯毎の墓

2012年05月12日 | ・琉球史散策/グスク時代

最後の南山王、他魯毎(たるみぃ)のお墓。

他魯毎は欲深く尚巴志の持っていた金の屏風と嘉手志川を交代したり
酒におぼれて政治を怠ったため民の人望を失って自滅したという愚かな人物像が一般的ですが、
それは「勝者からの言い分」であって、
本当はそうじゃないかもしれない。

小説「琉球三国志」ではなかなか「生身の人間」としての他魯毎が垣間見れます。

 

 

「中山に持参しようとした金屏風が、途中で何者かに襲われました」

それを聞いて他魯毎は立ち上がった。

「なんだと!で、金屏風はどうした」

「焼かれました」

「や、焼かれた……」

他魯毎は全身の力が抜け、前のめりにへたりこみ両手をついた。

返すべき金屏風がなければ、泉を返せという口実もなくなる。

――だまされた――

他魯毎は床についた拳を握りしめた。

あの日、首里城内で巴志から言われた時に、
すでにこうなることが図られていたのは明確だった。

「琉球三国志(下) 221-」(加藤真司著/歴史群像新書)

懐機はかまわずに用件を切り出した。

「実は、山南国王の位を中山に禅譲してもらいたのです」

「禅譲だと?」

他魯毎は耳を疑った。

「さよう。禅譲とは、天命に沿って一切の争い事もなく
平和裏に国王の位を他者にゆずることを言います。
それが成れば、中山国王は他魯毎様に琉球のどこでも好きな間切を二つ与え、
大按司として優遇すると申されておられます」

「黙れ!」

他魯毎は自尊心を傷つけられた怒りに、体の芯が震えた。

「帰って巴志に申せ。山南は確かに中山に較べれば小国だが、
一寸の虫にも五分の魂という言葉もある。
人を馬鹿にするものいい加減にしろとな」

「誰でもそうだが、人には生きていくうえで
これだけは持ち続ねばならぬというものがある。
巴志はそのかけらをも踏みにじったのだ。
到底呑める話ではない」

 

「琉球三国志(下) 223-」(加藤真司著/歴史群像新書)

 

巴志様、やはり策士です(笑)

でもそれがかえってリアルよねー。

ワタシの中での他魯毎は悪い人ではないんだろうけど
イマイチ決断力に欠けるやや内向的な文系のおっさんというイメージ。

上里さんの本文(@琉球戦国列伝)にもあるように、
「俺についてこい!」なリーダー的な人ではなかったようです。

外に出るよりは家の中で美術品を眺めてるほうが好き、みたいな。

だからちょい小太りで色白。

ついでに言えば癖っ毛(笑)

というわけで、ああいう絵になりました。

最初のスケッチはもっとキモカッタんですが、
さすがに自分でも嫌だったので没にしました

 

そうそう、実はこの他魯毎の墓は調査が入っていて
中に木棺の破片があったことが確認されたようです。
あれから、年代特定、されたのかな~?
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-86617-storytopic-86.html

 

 


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*おまけ*

 

ところでこの他魯毎の墓の周りには
他の門中の墓もあるのですが、

広場にはこんな掲示物が。

 

 

「お墓の使用上の注意」

 

 

 

 

…お墓の使用上の注意!?Σ(゜д゜;)


 

門中の間にいろいろとあったんでしょうか…

罰金刑まで…

洗骨の記述もありますね。

糸満って感じ。


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布里=○○説

2012年05月11日 | ・琉球史散策/第一尚氏

古琉球の偉人たちの、素顔と言うか、
その人となりは謎だらけ。

なので色々な伝承や調査などを元にその謎を解いていく…、
というのも歴史の楽しみ方ひとつ。

で、ワタシはこのように色んな人が色んな方法で
色んな解釈をした人物像や人物関係を知るのが好き。

人によって様々な解釈、人物像や仮説があって実に面白い。
(たとえ舞台や小説などのフィクションであっても)

だって、モノの見方は1つじゃないし、
歴史の真実も1つとは限らないし。

「なるほど、こんな解釈の仕方もあるのか~
っていうのは新鮮で飽きません。

中には実にぶっとんだ解釈もあってズッコケる(※心象表現)こともありますが
でもそんな突飛な説もまた楽し(笑)
(百十踏揚悪女説とか、賢雄は元々阿麻和利の部下だった説とか)

 

というわけで、今日はそんな「新たな人物像(仮説)」をご紹介!

今回の主役は先週墓参りした、布里!

 

大正14年、この布里について口伝・伝説をたどって調査した
島袋源一郎氏による、こんな布里像。

 

 

 

布里は懐機だった。

 

 

 

えっ、どーゆーこと!?Σ(゜д゜;)

 

というわけで本文抜粋↓

 

玉城村字富里に江洲という旧家があって
「元祖小宗尚布里」と いう位牌を祀ってある。

当戸主(60歳くらい)の語るところによれば、
自分の祖先は恥ずかしながら王位を傾 けようとして事敗れ、
当地に逃れてきたそうである。

崇元寺よりイビガマまでの道路はこの人が造ったと伝え、
また剃髪して長寿寺にいたとのことで今も同所を拝礼している。

果たして、しからば正史に(ある)長虹堤を築いた徳望家の懐機(と)は
この布里のことであろうか?

懐機は正長元年、巴志王の7年、王茂についで国相となり
尚忠、尚思達、尚金福にいたる 20余年在職している。
泰久王にいたりては国相(摂政)氏名伝わらずと記してある。
 

『伝説補遺沖縄歴史』(1932年) 島袋源一郎著 P155~156

 

ぎゃふん。

 

しかも布里、

剃髪してまさかの出家。

本文にある「長寿寺」も懐機がたてたお寺だそうです。

 

布里=懐機説、

ええぇ~~~???
そりゃぁ、2人の活動期は一緒だけど同一人物説はさすがに無理あるっしょ!

って思うけど、長虹堤建設を懐機と布里が
共同で指揮してたってのはあり得るかも。

 

この説を支持するかどうかさておき、
でもこのような布里像を提案されたら
また布里がちょっと違った人物に思えてくるのはオモシロイですね

 

この説、戦前のものだけど、
やっぱ、古いものほど新しくて新鮮だわ~(笑)

 


今回のネタ提供は上里さんでした~
ブログ掲載了承済☆

2枚目の写真はうるま市の江洲グスクです(一昨年撮影)。
勝連の阿麻和利に対して、
江洲グスクに布里、越来グスクに泰久で備えた…
というのも1つの解釈?
 


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ツッコミ所満載の…

2012年05月10日 | ・『テンペスト』徒然

風呂上りにTVつけたらやってたテンペスト。

ツッコミ所満載の5話(笑)

思わず見ちゃった蜘蛛の糸。

いや~、あれは笑ったわ~。

 

 

さ、寝ようっと。

コメント (4)
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北山の風@まんまる市

2012年05月10日 | ・現代版組踊レポ

 

 今日、帰りに寄った文具店のレジ横にあったイベントフライヤー。

第5回まんまる市。

ステージパフォーマンスもある手作り市のようなイベント。

100店以上の様々なお店が集まるんだって!

手作り市好きなワタシ。
(きとねいちとか)

へぇ~、こんなのがあるんだ~

と思って、裏のステージプログラムを見たら、

「あれっ!?」

 

14:00  北山の風

 

出るんだ!

北山の風ブログとかでも全然情宣出てなかったから知らなかったよ

北山の風も観れるなら行こっかな~

北山在住で近いし(笑)

 

ってなことで、現代版組踊ファン感謝祭の時の北山の風メンバーさん。
(ご紹介遅れました

素朴で素直でステキなコドモタチたちです

 

まんまる市が新メンバーも加わっての初ステージになるのかな?

お天気もどうやら晴れるようだし、楽しんでガンバッテね~

 

 

まんまる市出店者&出演者一覧はこちらから

 まんまる市、あさって土曜日です!

 


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石灰岩の自然橋、ハナンダー

2012年05月09日 | ・琉球歴史/文化風景

石灰岩でできた、天然の橋

ハナンダー。

今も現役で使用されています。

橋の下のほうから見上げるの図。

上の部分は…

こうなってます。

おお、これぞまさに「琉球古道

遠景。

 


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嘉手志川

2012年05月08日 | ・琉球史散策/グスク時代

墓ばっかりの記事が続くとアレなんで
(それでもこのこのブログ、墓率高いと思うけど…(笑))

今日はこちら、南山の名水「嘉手志川(かでしかー)」

あの有名な嘉手志川です。

 

最近つくづく思うこと。

 歴史上の人物でもなんでも、その人物に「言葉(セリフ)」がつくと、
とたんに「生身の人間」として認識しやくすくなるよね

ってことで、小説「琉球三国志(加藤信司著)」からドラマ仕立てにご紹介♪
(※一部文脈を短縮しています)

 

 

「これはすごい。このような屏風はみたこともない」

巴志の隣で身を乗り出して見ていた他魯毎が目を輝かせながら呟いた。

「それほどお気に入りならば、他魯毎殿に差し上げてもかまいませぬぞ」

「それはできませぬ。このようなお宝をいただいたのでは、
お返しするものが思いつきませぬ」

「返礼など別にいりませぬぞ」

「そういうわけにもまいりませぬ。
もし、あれをいただけると言われるのなら、
ぜひそれに見合うものを何なりとお申しつけ下され」

巴志は虚空を見上げ、やや考える素振りを見せた。

「そうですなぁ……そう言えば山南城の脇に嘉手志川が流れていますが、
その源流の泉は名水と聞き及んでいます」

「はい、確かにあの泉は山南随一の名水ですが……」

「それでは、あの水を分けてもらえませぬか」

「水をですと。おやすいことですが、しかしそのようなことで本当によろしいのですか?」

「まあ、いいではありませぬか。この話はこれぐらいにして、さあ、もう一献」

と言って、巴志は他魯毎の杯になみなみと酒を注いだ。

懐機と目があった巴志は、してやったりといった表情を一瞬だけ浮かべた。

 

「琉球三国志(下) 215-」(加藤信司著/歴史群像新書)

 

 
↑左奥の丘が南山グスクです。


「どうした?やけに外がさわがしいが」

「嘉手志川の水が流れておりません」

「なんだと!そのようなことがあろうはずがないではないか」

嘉手志川の水が無くなるなどということは、
他魯毎が生まれてこのかた聞いたことがなかった。

「大変です。上流で泉がせき止められました」

「だ、誰がそんなことをしているのだ」

「中山軍です」

「なにい、なぜに中山が!」

 

「琉球三国志(下) 217-」(加藤信司著/歴史群像新書) 

 

巴志様、策士です。

この小説の尚巴志は結構「影」のある人物で、
他魯毎は結構イイ奴で同情しちゃうキャラなんだ~。

現代版組踊のさわやかヒーローな尚巴志様もいいけど、
この小説のような策士・巴志様も結構好きです

 

嘉手志川、今もなみなみと水が湧き出でておりました。

鯉もいて、釣りをする少年の姿も。

水遊びによさそうな場所でした

ちょうどこの時に雨がぱらついたりして
青空背景に撮れなかったのはちょい残念だったけど

 

 

  
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