がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

沖縄の家紋

2010年11月10日 | ・琉球歴史/文化風景

 家紋好きのワタシの家紋の話。

シゴトでここ最近は家紋帳や
沖縄門中辞典や琉球士族系譜などの資料と
にらめっこの日々です。

というわけで、今日は、沖縄の家紋について。

琉球国王「尚家」の家紋、
左三つ巴については過去にも何度も記事にしていますが、
今日はその他の、沖縄の家紋をご紹介。

まず最初に沖縄の家紋を見て思うことは、

 

………かわいくない…(^^;)

 

です。
※参照/「沖縄の家紋」

 

本土の洗練された、かつ遊び心のある家紋に比べると
まったく別モノと思っていいほど、全く違うタイプの家紋ばかりです。
(なので、本土と同じ形の左三つ巴の存在が不思議なのですよ)

文字そのままだったり、
文字を直線的もしくは円形にゆがめただけだったり、
直線を主流とした図形的(というか地図マーク?)なものだったり、
デザイン的なものがあっても、尚家の三つ巴の「巴」をアレンジしたものばかり。

 

それは、琉球に本土のような家紋文化がなかった
(根付いてなかった)
というのもあるでしょうけど。

 

本土ではどの家庭にもあるであろう家紋ですが、
沖縄では一部士族が持つのみ、でした。

よって、江戸時代に町人達が一気に開花させた
本土の家紋文化とは一線を画すものなのです。

紋付袴とか、暖簾とか、
そういう文化でもないですしね。
(あっても士族のごく一部。せいぜい道具紋としての利用くらいか)

 

 

 

 

でも…時々面白い家紋がちょこっとあったりします。

こちら。

元祖・漢那親雲上、金城家の家紋。

鮫(鱶)です。

しかも、「追い」鮫。(追い鱶)
(※同じモチーフが3つ、互いを追うように並んでいるパターンを「追い○○○」と言います)

なんでも、漢那親雲上が鮫に助けられたことから
紋にしたとかなんとか。

ざっと調べてみたけど、
本土には鮫の家紋はないんじゃないかな?

島国、琉球っぽい家紋です。

 

もうひとつ。

これは
元祖・松天倍 金城元順紀嘉、金城家の家紋。

なにがモチーフか分かります?

「松」らしいんですけどね…
どうみてもバナナか、芭蕉の葉だよね…。

ちなみに、本土の松紋はこんな感じです。

同じ松でもやっぱりどこか違う。

 

最後に。

どこの家紋かは書きませんが…

「蝶」の紋です。

…ゆるい。

ゆるすぎる…!!

(本土の蝶紋はこちら。)

本土のにもキャラクターちっくなかわいいのあるけど、
やっぱり↑はやる気なさすぎでしょう(笑)

これも沖縄の姿か(笑)

 

 

ちなみに、

こちらは護佐丸を元祖とする豊見城御内の紋。

護佐丸の子孫(いまや10万人以上だとか?)や分家はたくさんあるので
紋もいくつかあるのですが、
これが大本の紋になります。

 

こちらは、大城賢雄を元祖とする幸地家の紋。
(あれ…っ?摩文仁家は?)

ちなみにこの紋、
肝高の阿麻和利紅型にも組み込んでます
気づいていてた人、いたかな…?( ´艸`)

 

 

にほんブログ村 歴史ブログ 琉球・沖縄史へ
記事や写真がお気に召しましたらぽちっと応援お願いします♪

トップの写真は首里城祭にて、当蔵青年会の旗頭。


コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昼夜観劇の翔べ!尚巴志inコ... | トップ | 首里城全焼の大事件「志魯・... »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (YM)
2010-11-10 22:55:55
和々さん 凄い\(◎o◎)/

ホント 琉球史好きですね! 大学の講師務まりますね(^O^)

家紋は 沖縄ではピンときませんね。

有名な話で ボクシングの具志堅用高さんが、本土の記者の方に

[家紋は?]

と 聞かれ、[家紋て何ね~?]具志堅氏

[家の紋ですよ!]

[あ~ブロックです]

記者 […]

家紋 → 家門(家の門) 解釈の違いって オモシロイf^_^;

脱線…おやすみなさいo(^-^)o
返信する
YMさんへ (和々)
2010-11-11 18:41:45
ありがとうございます。

家紋は琉球史とか好きになる前から
私の研究材料の1つでした。
(デザインとしてやっぱり惹かれます★ビバ!家紋♪)

沖縄で家紋がある人は、先祖が士族ってことですよねー。
それに、もしあったとしても本家じゃないと知らなかったりで
やっぱり身近な文化ではないですね。
(だからデザインが洗練されていないんだと思います…^^;)


具志堅用高さんの家門の話(笑)
そうそう、有名ですよね。
「でんとう」の話もウケます(笑)
返信する
Unknown ()
2010-11-14 23:27:22
こんばんは!
夏姓の家紋見て思いだしたんですけど、
新都心のメインプレイス近くに
「けんぱーのすばやー」というすば屋があるんですけど、
夏姓の家紋掲げてるんですよ!
けんぱーってもしや「賢ぱー」?
夏姓関係者?とかいつも疑問に思ってます。

一応、おいしいらしいです。
まだ行ったことはないですが・・・。
返信する
炸さんへ (和々)
2010-11-15 21:39:32
「けんぱーのすばやー」
検索してみたら、グルメ情報がずらーっと出てきました。
有名なんですね!
(でもこの店構えは見たことあります☆)
そば好きでもあるので、
今度新都心行ったら行ってみようと思います!

「けんぱー」
そうですね、もしかしたら店のご主人が「賢○○」っていう名前で、
あだ名が「けんぱー」だったとか、ありえますね!
(賢が名乗り頭なので)
夏姓関係者の可能性は大ですね☆
返信する
Unknown (ゆき)
2011-05-06 14:12:07
初めまして^^

ご先祖様である護佐丸様に興味を持って調べて

みた所このブログにたどり着きました!

私の祖父のお墓の家紋が全く同じものです。

10万人も子孫がいるとなればすごくびっくりです♪

返信する
ゆきさんへ (和々)
2011-05-07 19:53:16
こんにちは!
ご訪問&コメントありがとうございます♪

護佐丸の子孫の方なんですね☆
おじいさまのお墓の紋が↑だったというと、
本家(本流?)の筋でしょうか。
(護佐丸の子孫も色んな流れがあるようですし…)

先祖が偉人で、そのルーツを探るのってたのしいですよね♪
ワタシとしてはちょっと羨ましいです(´∀`)

これからも色々護佐丸やその時代、その背景などを調べてみてください☆
すごいおもしろいですよ♪
(護佐丸、長生きだっただけにある意味時代を網羅してます(笑))
返信する
勉強になりました (歴女)
2011-08-26 08:55:29
はじめまして。
家紋のコトを調べてるうちに、こちらのブログを拝見させて頂きました。
とても勉強になりました。
松の家紋のお話がありましたが、たぶん「松葉」じゃないかなーと思います(違ってたらゴメンナサイ)
そういう私の携帯待ち受けも家紋です(^^;)
以下のサイトでGETしました!
松葉の事もこちらの受け売りですけど…。

http://kamon2.com/

これからも拝見させて頂きます。
がんばって下さい!
返信する
歴女さんへ (和々)
2011-08-27 10:37:08
ご訪問&コメントありがとうございます♪

そうですね、あの松の家紋は松の葉がモチーフになっていることは確かですよ。
一応本土の松モチーフの家紋にも松の葉だけの家紋もあります。
あの細長い松の葉をモチーフにしたものが多いですが、
http://www.otomiya.com/kamon/plant/matsuba.htm
中には↑の沖縄の家紋のように松葉の束(というか一枝?)そのものを家紋に使った例も少数ではありますがあるようですね。
でもやっぱり大きさや配置のバランスをみると、
やっぱり沖縄の松葉の家紋は芭蕉かバナナに見える…(笑)
沖縄にも一応リュウキュウマツという松はありますが、
どうせなら「芭蕉」です!ってしたほうが沖縄らしいのにね、と思ったりしちゃったり(笑)

家紋、調べれば調べるほど面白いですよね♪
ワタシも家紋ないくせに、デザイン性で選んだ家紋グッズを色々と集めたりしています(笑)
返信する