2020年シーサーの日。
そのまま村シーサーの記事にしようかと思ったけど、
(まだまだまだまだストックあるある)
ちょっと趣向を変えて…
シーサーの歴史について。
シーサーはご存じ、獅子文化にルーツがあります。
獅子文化はエジプトやメソポタミアあたりの
古代オリエントが発祥とされ、
そこからシルクロードを経由して、中国へ、
そして琉球に入ってきました。
琉球における最古(級)といわれている獅子造形が、
浦添ようどれの、
英祖王陵石厨子のレリーフです。
英祖王代の、
13世紀後半に造られたといわれている
浦添ようどれ。
その中にあるこの石厨子が
いつに造られたものか
はっきりとはわかっていません。
ようどれと同時期なら13世紀後半ということになりますが、
素材(中国産)などから15世紀頃ではないか、
ともいわれています
+
琉球最古の「村落獅子(村シーサー)」といえば
冨盛の大獅子(1689年)が有名ですが、
「獅子」枠で言えば、
浦添ようどれの石棺の獅子がそれを遡って
最古(級)ということになります。
なお、はっきり記録のあるものでは
1498年の円覚寺放上橋勾欄羽目の獅子があります。
ようどれの石棺が
それよりも前か、後か、
…ですね。
ともあれ、
獅子文化は13~15世紀の間には
琉球に取り入れられていた
ということになります。
(シルクロード→中国から入ってきた獅子文化ですが、
同時に、インド→東南アジア経由の獅子造形の影響も受けた可能性もあるようです。
獅子文化もチャンプルーということですね)
参
王国歴史博物館常設展/沖縄と世界のシーサー
『石獅子の起源とそのはたらき(民芸795号)』(國吉房次)
『おきなわの美術』(宮城篤正監修/東京美術)
なお、今回掲載した石棺はレプリカです。
浦添グスク&浦添ようどれの近くにある
「ようどれ館」では
浦添ようどれの西室内部が再現されており、
石棺や埋葬されていた遺骨のレプリカを
間近で見ることができます。