カイダ字(カイダー字・カイダディ)という言葉を
聞いたことありますか?
沖縄にあった象形文字のことです。
与那国で発達した文字で、
八重山地域全般で近代まで使用されていました。
個人的な備忘記録に使われることもあったようですが
主に納税告知書などの公の書類(→板札)に
このカイダ字が使われていたようで、
庶民が読み書きができなかった事を物語っています。
その成り立ちは
首里王府への朝貢、人頭税(1637~1903)との関係があるようです。
一説には、
17世紀ごろに納税制度に伴って導入されたが、
まだ個人差や地域差があるなど完全ではなかった。
19世紀前半になって、
役人による不正行為(中間搾取など)を防ぐため、
大浜親雲上正喜が完全な象形文字を創作して徴収制度を整えた
とあります。
参「与那国島のカイダー字をめぐる一考察」(萩尾俊章/2009)
では、実際にはどのような文字だったのでしょうか。
たとえばこんな感じ。
左から、
一俵、一斗、一舛、一合、一勺
という具合。
物を計る単位ですね。
では「物」はどのような形なのでしょう。
「油」
ふむふむ。
ひしゃくの形だからかな。
水とか酢とか醤油とか酒じゃなくて
油っていうのがちょっと意外。
これは「酒」。
うーん?
なんでこの形なんだろ?
ちなみにこの形の上真ん中に
「↓」を加えると「醤油」になります。
「藁縄」
これもちょっと由来不明。
これは鶏。
左が雌鶏で、右が雄鶏。
しっぽの大きさが違う。
雄鶏にはトサカをつけると
もっと区別しやすいかも。
この形、個人的には結構ツボなんですけど。
「葱」です。
根っこまで表現してます。
なんかそのままキャラクターにできそう。
ピクミンみたいな(笑)
*
では、ここからはクイズです!
カイダ字にチャレンジ!
※はヒントです
【1】
※見たまんまです。
【2】
※下の線が二重線になってるのもポイント
鳥居ではありません。
【3】
※動物です。よく特徴をとらえてます
【4】
※穀物です。
沖縄といえばこれ、みたいな。
(答えは最後に)
*
他にもいろいろなカイダ字があって
一つ一つ見てみると面白いですよ。
なお、地域(時代?)によって
微妙に形が変化しているものもあり、
今回紹介したものは
石垣の南嶋資料館にあった
「竹富島の象形文字(カイダジ)」を参照しました。
(単位のやつは別資料をみましたが…たぶん、単位はそう変わらないはず)
*答え*
1 卵
2 家
3 豚
4 芋