がじゅまるの樹の下で。

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八重山の象形文字

2015年07月12日 | ・琉球史散策/第二尚氏

カイダ字(カイダー字・カイダディ)という言葉を
聞いたことありますか?

沖縄にあった象形文字のことです。

与那国で発達した文字で、
八重山地域全般で近代まで使用されていました。

個人的な備忘記録に使われることもあったようですが
主に納税告知書などの公の書類(→板札)に
このカイダ字が使われていたようで、
庶民が読み書きができなかった事を物語っています。

その成り立ちは
首里王府への朝貢、人頭税(1637~1903)との関係があるようです。

一説には、

17世紀ごろに納税制度に伴って導入されたが、
まだ個人差や地域差があるなど完全ではなかった。

19世紀前半になって、
役人による不正行為(中間搾取など)を防ぐため、
大浜親雲上正喜が完全な象形文字を創作して徴収制度を整えた

とあります。

 

参「与那国島のカイダー字をめぐる一考察」(萩尾俊章/2009)

 

 

では、実際にはどのような文字だったのでしょうか。

たとえばこんな感じ。

左から、

一俵、一斗、一舛、一合、一勺

という具合。

物を計る単位ですね。

 

 

では「物」はどのような形なのでしょう。

「油」

ふむふむ。

ひしゃくの形だからかな。
水とか酢とか醤油とか酒じゃなくて
油っていうのがちょっと意外。

 

これは「酒」。

うーん?
なんでこの形なんだろ?

ちなみにこの形の上真ん中に
「↓」を加えると「醤油」になります。

 

「藁縄」

これもちょっと由来不明。

 

 

これは鶏。

左が雌鶏で、右が雄鶏。

しっぽの大きさが違う。

雄鶏にはトサカをつけると
もっと区別しやすいかも。

 

この形、個人的には結構ツボなんですけど。

「葱」です。

根っこまで表現してます。

なんかそのままキャラクターにできそう。
ピクミンみたいな(笑)

 

 

では、ここからはクイズです!

カイダ字にチャレンジ!
※はヒントです

 

【1】

※見たまんまです。

 

 

【2】

※下の線が二重線になってるのもポイント
鳥居ではありません。

 

 

【3】

※動物です。よく特徴をとらえてます

 

【4】

※穀物です。
沖縄といえばこれ、みたいな。

 

(答えは最後に)

 

 *

 

 他にもいろいろなカイダ字があって
一つ一つ見てみると面白いですよ。

なお、地域(時代?)によって
微妙に形が変化しているものもあり、
今回紹介したものは
石垣の南嶋資料館にあった
「竹富島の象形文字(カイダジ)」を参照しました。

(単位のやつは別資料をみましたが…たぶん、単位はそう変わらないはず)

 

 

*答え*

1 卵

2 家

3 豚

4 芋