がじゅまるの樹の下で。

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2度目の大ホール公演「北山の風」

2012年12月10日 | ・現代版組踊レポ

「北山の風」

2012年12月9日(日)

名護市民会館大ホール

 

1年ぶりの本格ホール公演、ヨッ!待ってましたっ!!(≧▽≦)ノ

昼・夜両公演観劇させてもらいました。

今回は世代交代の時期ということもあってか
色々とチャレンジキャスト・ダブルキャストもあって
演舞にも新しい振り付けもたくさんありました!

北山の風が発足して早3年。

公演を見るたびに急成長をしていっているのが
手に取るように分かる北山メンバーさんたちです。

今年2月のグスク公演を見て以来だったショクバの先輩は
その進化と急成長ぶりに驚愕してましたヨ!

 

ワタシも10月の本部公民館での公演は見てましたが
その時よりも「上手くなってる…!!」って思いました。

演舞もそうですが(キレとか)、
今回は演技が特に…!

「間」とか「演技の緩急」とかもそうだし、
細かな心情表現、
マイムを使っての細かな芝居、
役者さんたちそれぞれの工夫などなど

あれ!?こんなうまかったっけ!?

って思ってしまったほどでした。

 

 

今回特に印象的だったのは2幕での千代松と乙樽のシーン。

…千代松もいい男だな、

と惚れそうでした(笑)

仇討ちを止めようとする乙樽を諭すシーン。

 

「君主と生死を共にできなかった謝名の思いもむげにはできぬ」
(ゴメン、ちょっと何か抜けてるよね。思いだせぬ…)

 

泣かすぜ、千代松!(ノД`)

今回改めてこの言葉が印象的でしたね。

そのセリフは元服を迎えて一歩成長した「大人・千代松」の姿そのもので。

その言葉に言葉を詰まらせる乙樽。
(うん、やっぱりここ謝らないのがイイ♪)

でもやっぱり葛藤の中で、手を差し伸べかけ、
そして改めて乙樽を振り切る千代松、
乙樽も絞り出すような声で千代松の名を呼ぶ。

このシーンすっごい良かった!!

これまでも心に響くシーンではありましたが
今回は「泣けた」!

周りの人結構ここで泣いてた!

「死」のシーン以外に、涙を誘うシーンってのは
現代版組踊シリーズをみてもそうそうないぞ!?


 

千代松で言えば、本部との再会のシーンで

「おいら、死んだ父ちゃんに会えたようで嬉しかったよ」

のシーンも切ないよね。

それを見送る本部の立ち姿と暗転にも余韻があって
心に染みいりました…。

 

 

それからそれから、本部昇天のシーン。

うわぁ!背景に桜! 

何これ!キレイすぎて泣ける!! 。゜(゜´Д`゜)゜。

 

死別と桜って、これを出されたらもう、
日本人なら心の琴線に触れる鉄板組み合わせでしょう!?

ホール公演ならではのスペシャル演出でしたね!

本部が攀安知の墓石に重なる所も良かった。

そうそう、マブイ抜けした本部が真鶴の方に手を置くとこ、
百十踏揚と違ってそれに気付かない“普通の女性・真鶴”もマニアックにいいです(笑)

 

そしてそのシーンでの謝名・千代松・真鶴。

謝名が千代松を促してハケる。

個人的には千代松はちょこっと後ろを振り向きかけてほしかったけど(笑)
でも、敢えて「目を背ける」というのもアリかな。

謝名はこのシーンは淡々としてて良かった。

動揺するのは千代松の方で、
謝名は淡々な方が対比になってイイね。

THE忠義一本 の謝名ですから。

そして真鶴は前回よりもよりしっとりと、深く、
本部を想い、立ち去る。

真鶴もある程度はこんなことを覚悟して生きてたんだろうなぁ。
武士の妻らしく。

ただひたすら「悲しむ」だけではない、別の何かがありそう。

 

それにしても、この後の3名はどんな気持ちで
これからの人生を歩んでいったのか気になる…。

本懐は全うしたとはいえ、
手放しに喜べる展開じゃなかっただろうし、
千代松にも絶対傷は残ったよね。

そんなトコにも思いを馳せてしまうワタシなのでした。

 

今回本部は「立ち姿」とか「まなざし」とか、
そういう「静の演技」による心情表現が処々印象的でした。

攀安知の墓参りで「逆臣本部です!」って叫ぶところも
ずっと後ろ姿での演出で。

阿麻和利や尚巴志という正統派ヒーローとは違う、
まさに憂えるヒーローらしいですね

 


写真撮ってないので公演同日午前中に訪れた今帰仁グスク。取材だったー(・∀・) 色々と工事中してました。これは御内原。

 

大里…今回「にやり」いただきました!(笑)

大里が密使として本部と会話するシーン。

大里、おぬしも悪よのぅ
さすがは尚巴志の忠臣。

本部に向かって「貴殿ほどのお方が…」と
持ち上げる持ち上げる(笑)

しかもそのセリフまわしも含み笑いしてる感じですごく良かった。

その後、本部が「この本部、すべて承知した」って答える部分をカットして暗転
っていう演出も良かったなぁ。

立ち姿と本部と大里のまなざしだけでの含みを持たせた演技。

知らない人にとっては「え、どうするの、本部どうするの!?」
って感じで続きが気になったはず(^ε^)

全部説明しきらない、観客に想像する余地を残す、
ステキ演出でした★

 

うしーとうまー、笑わすキャラが1番難しい。

なので1番「レベルアップ感」が伝わった役柄でもありました。

っていうか攀安知…(笑)
見たとたん笑っちゃったネ。
この役変化お見事でした。
さすが北山の風ベテラン勢。

うまーが昼・夜とダブルキャストでしたが
それぞれで工夫があってほほえましく、
それぞれを相手するうしーもさすがでした♪

そしてやっぱり殺された… (´∀`;)

乙樽が表情変えずに刀を差し出し
刀を手にしたとたん顔つきが変わる謝名もよかったです。

ってか、乙樽意外とクール…。

 

新城先生、渋いキャラを一貫して最後の最後まで!

最後のメンバー紹介の時のメガネかけるしぐさとか
なかなか芸が細かかったです(笑)

15分休憩アナウンスは今回は新城先生がは言わなかったね(・∀・)

 

*追記*

そうそう、クライマックスの新城先生の決め台詞、
個人的にはタイトルコールなくなってたのは惜しかったです。

そしてタイトルコールと言えば、
冒頭で謝名と乙樽が落ち延びるシーン
「それでは、北山を落ちますぞ」で暗転。
映画とかだったらココでタイトルがフェードインで出るんだろうなーと妄想してます。
とてもドラマチック…

 


↑ちなみにこれが御内原before.

 

国頭

「首里のへろへろ武士め!」

ばっちり聞こえました(笑)

落ち着いた声で聞きやすかったです。

硬派なセリフが続くのに、
なんかこー、やっぱりゆるいよね、この部分だけ(笑)

欲を言えば、攻められて攀安知に報告するシーンでは
もう少し緊迫したセリフまわしになると更にグッ★

 

そしてそしてダブルキャストの攀安知

昼攀安知は初キャスト…ってアレ!?もしかして元・千代松!?

と、途中で気付きました(^^;

うわー、これはまたガラリと変わりましたね!

千代松の時はだいぶ小柄な印象がありましたが…
今回1番のチャレンジキャストだったのでは!?

死に際の決めポーズもよかったです!
刀を持ってない方の手を掲げたことでより「大きく」見えましたヨ。

これからまだまだ伸びそうな予感!
期待大!

夜攀安知は安定感抜群のベテラン組。

謝名が攀安知から千代松を奪い取った時の
「謝名ぁ!」っていう叫びが良かった(^ε^) ←マニアック。

そんでもってこちらも最期の決めポーズ、
華々しく、刀を高々と掲げて。

その姿は攀安知の人生そのものよね、
とか思ってみたりする。

このシーン、舞台背景が光輝く照明演出が
哀愁漂うBGMと相まって本当のドラマチック。

やっぱり好きだなー。

もうちょっとひっぱってほしいくらい(笑)

 

でも前回ワタシがツボったクライマックス演舞での
本部と攀安知の交差、最後の握手はなかったのは残念 (;_;)
(タブル掛け声はあったんだけど…舞台奥の両端だったから前回よりは目立たなかったな…)

ああ、でも会場構造のゆえか…。

しょうがない。

次に期待(*^m^*)♪

 

アンサンブルさんもキレがよくなってるし
動きも揃ってきてるし、
数も増えたし(いたるところで2列構成に!)、
演舞の新しい振り付けなど
色々なチャレンジが見れました!

国頭サバクイのアレンジはちょっと笑った(笑)
ぴょこぴょこしててなんか妙にかわいかったよ?

 

バンドさーん!

生バンド!生演奏!生歌!やっぱこれがあるのがイイ!

生バイオリン!!ダイナミック琉球でのバイオリンアレンジかっこよかった!!
やっぱりいいわ~。

三つ巴の舞でももっとぎゅんぎゅんバイオリン聞きたいくらい(笑)
(このシーンもっと音的にハデ化希望。←出たハデ好き)

サンシンも前回に引き続き北山高校3年生!渋いっ!(≧▽≦)ノ

 

なんか支離滅裂な感じなってしまいましたが
とにもかくにも、そんなこんなで感動いっぱいの舞台でした

ワタシがこういうのも変だけど、なんか嬉しかったです!

スタッフのみなさまもお疲れ様でした!

色々とお声かけもありがとうございます!
とっさにうまく反応できなくてごめんなさい(>_<)
想いはたくさんあったんですが、
ありすぎてすぐにうまくちゃんと喋れないだけです(苦笑)

北山の風の次回公演は2/9に今帰仁グスクにてありますよ!

今度はいつもの野外公演。

「桜」がキーアイテムになっている北山の風にとって
桜咲く今帰仁グスクをバックに見られる公演はこの時だけ!

また、高校3年生にとっては卒業公演。

またみなさんの雄姿を見に行きますね!

 

 
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