がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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新春の宴in首里城④

2009年01月02日 | ・琉球歴史/文化風景

ラストでーす。

第3部。「大通り」(おおとーり)

おとーり、とかって今でも八重山を中心に盛んな
いわゆるお酒(泡盛)の回し飲みです。


でも、正式な儀式紹介をパンフレットから引用すると……

国王をはじめ諸臣が順々に祝いの酒「泡盛」の杯を回し飲みし、
王国が朝賀に出席して諸臣を祝福したことに感謝すると共に、
国王と王子、王孫の繁栄を祈る儀式。
泡盛は貴重なお酒で特別な儀式の時しか口にすることができなかった。






まずはみなさんのご登場です。

この人たちがトップクラスの人たちですね。



帯とか撮ってみたりしちゃったりして。

着物については特に詳しいわけではないけど、
この結び方は…琉球独自のもの?

ちなみに琉球では帯は男の印。
女の人は帯はありません。





国王を迎えるお辞儀。

本土の平伏に比べると断然浅いよね。



王様より賜ったお酒が運ばれます。

運んでいるのは本当は「若衆」といわれる10代の少年がする役目。

女形のような、身のこなしも顔もきれいな子達が選ばれたのだとか。
(そして踊りなどの芸能や、役人たちのお世話をするのがシゴト)



↑はもちろん女の人がやっていましたが。
結われた髪がきれいです。
どうやって結ってるのかな???







このあと、正殿真正面で参観していた一般の方10名様にも
同じ様にお酒(中身は甘酒アルコール0%)が振舞われていました。


こうして新春の宴、3部が終了。

琉球王朝の断片を少し味わえたひとときでした♪
早起きして見に行ったカイがありました(*^▽^*)




今年は、和もそうだけど、琉球についての勉強も深めてみようかなっ☆
(サンシンか琉舞か習いたいな。いや、習うっ!宣言しとこ。)

合掌。


新春の宴in首里城③

2009年01月02日 | ・琉球歴史/文化風景

二部は短めの「朝之御拝」(ちょうぬうぬふぇー)



スタッフの方が急いでござを敷きます。
風が強かったので結構大変していました。

もうお気づきでしょうが、御庭の紅白のストライプは
このような儀式のときに並ぶ目安のためらしいです。







↑は資料館にある正月の儀式の模型です。

本来はこんなにたくさんの人が参列するんですね。
でもストライプ目印があるから安心です(笑)

もちろん、前方にいるほど偉い人デス。




さて、儀式について。


この儀式は、年頭に当たり、諸人が王国の聖寿を祝い、琉球王国の反映を祈る儀式です。
(中略)
王国への忠誠を誓い、琉球王国の栄華を心から祈念し、粛々と儀式が執り行われました。
―パンフレットより―



今度は正殿の前に祭壇がきています。

司会みたいな号令をかける役人もいます。
全部中国語(清国語)です。
(琉球の正式な儀式の場では中国語であることが多いそうです。
もちろん琉球人にとっては立派な外国語ですが)





国王様のおな~~り~~~~。



す~~~…っとゆっくり扉が開くと……
今度は正殿2階の唐破風(からふぁーふ)の中から登場☆



今度も王妃様は特別出演です。

ちなみにこの部分を正殿内部から見ると…



手すりもないし、結構高いし、
高所恐怖症の私だったら足がすくみそうです(^-^;)


新春の宴in首里城②

2009年01月02日 | ・琉球歴史/文化風景

オープンから1時間半したところで(その間に見学)
新春の宴、第一部。

「子之方御拝」(にぬふぁうぬふぇー)

正殿ではなく、北殿正面に祭壇が設けられています。

パンフレットによると、

天の神様への拝みの儀式であり(中略)新年を寿ぎ、平和・平穏を祈念する儀式

だそうです。





参列しているのは、
摂政、三司官(政治の最高役職)、王族、
按司(地方の王。今で言えば市長とか?)、
親方(王府の役人。エリート国家公務員ってとこから大臣クラスまで)、
それから庶民代表の各間切のウッチサバクイ(地域の自治会長ってとこかな?)
と広い身分の人たちが一同に。

帽子の色や柄、着物の色で身分がわかります。

やはり紫は1番高貴な色だ、というのは琉球でも一緒のようです。



さて、いよいよ国王様のおな~り~~~。

一同が頭をたれて王様を迎えます。
(でも本土のに比べて結構浅い礼。面も結構あがってます(笑))



正殿の扉が開きました~!!





琉球国王様です。

国のトップです。

同じ時代、例えば江戸時代の日本のトップ、徳川将軍に比べると
全然服装とか装飾とか違います。

これが琉球、です。



本来は王妃は参列していなかったようなのですが、
今は演出の一環としてご登場してもらっているようです。

きれいですね♡(*^▽^*)

王様、王妃ともに着物の柄は龍です。
龍は首里城のシンボルとして本当に多く施されています。

なんと33体あります。
(額や椅子などの装飾も含めるともっとある)



一同がそろったら祭壇にむかって儀式が始まります。



基本的に礼と焼香でした。









最後に全体で「ワンスイ」と唱和。

万歳、という意味だそうです。
中国語かな?

もちろん手を上げた万歳はなく、合掌したままの唱和で厳かな雰囲気でした。




ごらんの通り結構な人でした。
(写真の左側や、向かいの南殿の窓から見学している人もびっしりです)

観光客だけなく、私みたいな地元の人も多かったかもしれません。


新春の宴in首里城①

2009年01月02日 | ・琉球歴史/文化風景

首里城の新春の宴に行ってきました!

首里城は自宅から車で1時間ほど。

でも今の時期首里城が最も混む時間帯はなんと開館時。

早く行かないと駐車場もすぐにいっぱいになるし、
なんといっても開門の儀式「御開門(うけーじょー)」から見たかったので
早起きして朝一番にのりこみました!!


とにかく今日の沖縄はさーむーいー!!!。∵・(((p(≧□≦)q)))・°∵
風も強いからもう大変。

完全に今シーズン1番の寒さですね。
ババシャツ&ニットコートを初出動させました。


そんな朝1番でも、有料区域(正殿)に入るためのチケット売り場がある
下之御庭(しちゃぬうなー)にはこんなに列が…。

(首里城公演は朝8時にあくけど、有料区域は8時半オープン)



待ってる間になんと冷たい通り雨!Σ(´Д`lll)
寒さ倍増。
首里城に行くときはこんなんばっかな私…(トホホ(≡д≡) )


さて、いよいよ御開門の儀式。



琉球王朝時代の門番と役人ご登場。
(多嘉良のおじさん!(≧∇≦)キャー♪)←テンペスト中毒者症状(笑)

「うけーーーじょぉーーーーー」と揚々と発してドラを鳴らします。





そしてめでたく御開門。

扉の向こうが正殿真正面です。

※この御開門の儀式はお正月に限らず、毎日行われています。




あいにくのお天気の上、只今首里城は外壁の漆塗り修復中。
(↑写真は雨でお客さんが軒下に逃げて正面が割りとすいたところを狙ってパチリ☆)

でも今までみたこともないお正月仕様の首里城にテンションがあがる(≧∀≦)ノ


オープンと同時に御座楽の演奏が御庭(うなー)一体に響き渡ります。





一般的に聞かれる琉球古典音楽とは違った、琉球雅楽てきな厳かな曲。
今日は通り雨のせいで音楽隊は正殿内部での演奏でしたが
晴れていたら正殿の基壇上で演奏するらしい。

嗚呼、外で演奏しているところが見たかった…。

ちなみに、この音楽隊のいたところを内部から覗いてみると、





こんな感じ♪

見たことない楽器がたくさん……。

そして…



楽器の台座に琉球王・尚家の家紋(三つ巴)発見!(・∀・)


で、もう一度この写真。



正殿の2階部分に正月仕様として掲げられた鶴亀などの飾り絵。

なんと御簾でした。

裏(正殿2階)から見るとこんなんでした。

 

御庭が一望できる正殿2階。

2階は祈りなどが執り行われる神聖な場所で、王以外の男子禁制のエリアでした。
(ちなみに1階は政治が執り行われる場で女人禁制。こういう所もテンペストに詳しい)

でも内部装飾は圧倒的に2階のほうが豪華絢爛。