下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
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東野圭吾『秘密』

2010-10-22 23:59:59 | 
映画化もされたし、東野作品ということで気になっていました。
そして、翠香さんのレビューを見て、積読からの解放を決意したのでした(笑)


夜勤明けの朝、平介はTVで長野のバスの転落事故のニュースを見る。
それは、かけがえのない妻と娘の乗ったバスだった。
駆けつけた病院で、妻は息を引き取り、娘は意識不明のまま。
やがて、目を覚ました娘の体に宿っていたのは、死んだ妻の魂だった・・・
バス事故は何故起きたのか?
そして、不思議な家族形態を持つことになった平介たちの将来は??


ということで。
設定としては、ミステリという感じのノリではないけど、
この家族の姿がどうなるのかを読んでいく過程で、
事故の背後にあった、いろんな事情が明らかになってきます。
でも、それはこの物語の中ではさほど大きなテーマではないのかも。

どちらかといえば、平介と娘・藻奈美の姿をした妻・直子の関係が、
読んでいて苦しくなるほどのドラマを生み出していきます。
そして、クライマックスの後に訪れた「転」と、一筋縄では行かない「結」。
この「結」は、むしろ必然ではありますが、
登場人物の心情を思うと、切ないなぁ・・・

これを読んで、北村薫氏の『スキップ』を思い出しました。
『スキップ』では、17歳の女子高生の意識が突然42歳の体に宿るというものでした。
反対に『秘密』は、36歳の女性の意識が小学5年生の体に宿るというもの。
どう考えても、後者がいいですね(^^;
前者は、読んだときにも思ったけど、女性にとっては残酷すぎる。

失って初めて分かるのが「年月や若さの価値」なんでしょうから、
そういう意味では直子の気持ち、分かるな~と思いました。
一方で、平介の気持ちも・・・(涙)

ミステリなのに、割り切れないような微妙な心持ちの読後感だな・・・


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わわわ~ (あかね)
2010-10-24 00:19:11
私は映画を観たので、原作は未読でしたが
翠香さんviviさんのレビューを読んで
原作読みたくなっちゃいました

秘密は小学5年生の娘に母の魂が宿るのですね!?映画は高校生ぐらいだったような・・・気が。やっぱり設定など違うんだろうなあ

ドラマ2話目も見逃しなのですが、ドラマ3話からチェックしていきたいです

「スキップ」・・・も気になる
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あかねさんへ (viviandpiano)
2010-10-24 16:32:45
私は逆に映画もドラマも見ていないので、
先入観無く物語に没入。
おかげで、最後のあたりは泣いちゃいました。

映画は高校生(役者の関係かな?)だけど、
小説は小5の冬ですから、印象も違うかも。

「スキップ」は、女性には辛い話です。
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ドラマと原作 (翠香)
2010-10-25 00:08:02
私はドラマが始まる前に読んだので、
ドラマは原作との違いを楽しみながら観ています♪
相馬くんはテニス部の先輩ではなく、クラスメートなんですよ。
おそろいの音楽プレイヤー持っているし、既にお付き合いしている感じです。
原作の相馬くんは、かわいそうでしたよね。
高校生に嫉妬している夫もなんだか痛かった・・・。

積読からの解放、まさに『スキップ』が対象だったのですが、
辛い話なのかぁ・・・。
北村作品は、重めなのを積読しているのですよね(^^;)
千秋さんシリーズみたいな楽しい作品が読みたいな~☆
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翠香さんへ (viviandpiano)
2010-10-25 23:55:07
なるほど、ドラマ化に当たって色々変更もあるんですね。

でも、ほんと・・・痛かったです。
読んでるこっちまで苦しくなりましたもん。
夫は取り残される孤独への恐怖があったのでしょうね。
でも、どうしようもないし・・・

『スキップ』は、全体としては読後感もいいし、
ものすごく前向きで、いい話です♪
強いヒロインなんですよ☆
でも、でもね・・・
17歳から42歳へ一気にワープというのは、
女性としての素晴らしい時間を失うということ。
その点は、ヒロインが可哀相で・・・(涙)
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