2017年6月18日奈良公園のホテル予定地をウォッチングした時に、吉城園も訪れました。
吉城園は、「興福寺古絵図」によると同寺の子院の摩尼珠院(まにしゅいん)があった所とされています。明治に民間の所有となり、1919(大正8)年に現在の建物と庭園が作られました。企業の迎賓施設の時代を経て、昭和の終わりから奈良県が所有し庭園を公開しています。奈良県指定名勝。
入園料は大人が250円、外国人観光客は無料です。

主屋「旧正法院家住宅」(奈良県指定文化財)と「池の庭」。

茶室と「苔の庭」。茶室は予約すれば有料で利用することができます。

茶室の内部。

茶室裏の池のほとりの木にモリアオガエルの卵が産み付けられていました。
奥には「茶花の庭」もあります。

小高い丘の上に東屋(あずまや)があり、

そこからは隣の国名勝「依水園」越しに若草山が見えます。
吉城園の地も高級ホテルの中に組み入れられ、主屋は建築家隈研吾がデザインして、宿泊施設に変えられるそうです。誰にでも公開されている県所有の施設・庭園が、ホテル宿泊者のみに提供されることにならないか、先行きが危ぶまれます。