奈良ホテルに泊まると、その前に広がる旧大乗院庭園を無料で見学することができました。泊まらなくても、入園料200円で入ることもできます。休園日は月曜日と年末年始。
大乗院は、1087(寛治元)年に創建された興福寺の門跡寺院で、江戸時代末まで続きました。元は、現在奈良県庁のある辺りにありましたが、1180年の平重衡の南都焼き討ちで現在地に移り、1452年から関白一条兼良の子息、尋尊によって復興され、その詳細は「大乗院寺社雑事記」に書かれています。
1465年からは、将軍足利義政の命を受けた善阿弥が作庭を始め、1489年には伽藍と庭園の整備が完了しました。
現存する数少ない中世の面影を残す貴重な庭園として、1958年に国の名勝に指定されています。現在は、日本ナショナルトラストが管理団体となり、発掘調査・復元工事を行って、2010年から一般公開されてます。
復元された庭園には建物はなく、広い敷地の中央に池が広がり、その周りを回遊できるようになっています。
奥に見えるのが奈良ホテルです。
ホテルとは反対側に、「名勝大乗院庭園文化館」があり、庭園のガイダンス、休憩、会議室、茶室などに利用されています。
名勝大乗院庭園文化館の中には、かつての大乗院の建物配置を復元した模型や、江戸時代に描かれた「大乗院四季真景図」などが展示されています。