海が見たくなった。
日本海側じゃなくて、太平洋の海が見たい。
夏の太陽に照らされた白い砂浜と、何処までも広がる海岸線。それも人気のない昼下がりの海がいい。
日曜日の静かな朝のオフィスに立ち寄り、書類を少し整理し、また鍵を掛けて外に出た。
市内は、靄(もや)が上空を覆っている。
でも天気予報では、今日は晴れ。暑くなりそうだ。
早めに八甲田連邦を抜ければ、お昼ごろには海に出られる。
三沢市の淋代海岸がいい。
淋代(さびしろ)という悲しい響きが気持ちをそそられる。
角松敏生のベスト「1981-1987」、山下達郎「Melodies」の2枚だけを棚から取り出して車に積んで来たので、準備は万端。
冷えたミネラル・ウォーターをコンビニで買い求め、初夏の緑が萌える八甲田の山奥深く入ってゆく。
山頂に、山が流した涙のような雪が、ほんの少しだけ残っている。
それさえ、もう数日で跡形もなく消えてなくなるだろう。
でも、この街の夏は余りにも短い。
8月上旬のねぶた祭りが終わると、この街には秋風が吹く。
萱野高原に出た。
初夏の美しいグダリ沼を見ていこうとも思ったけれど、そのまま窓を全開にして草原の一本道を走り抜けた。
十和田に入って、そこから三沢市内へ。
車内の温度計が28度。
山下達郎の「高気圧ガール」が流れ出したので、ボリュームをフルにした。青い空。太陽の光。眩しく輝く田園風景。
やがて防風林が見えて来た。
少し潮の匂いがする。海が近い。
淋代海岸に出た。
犬を連れた初老の男性が海岸沿いを散歩している。ほかに誰も人影は見当たらない。
太平洋が、目の前に広がっている。
群青色した夏の海。白い砂浜に波が寄せる。海風が心地よい。
僕は防波堤の上に腰を降ろし、夏の海を黙って眺めている。
午後の太陽の光が体を撫でる。
今の、この豊かな時間さえ、すぐに過去の思い出となって僕の前から消えてゆくのだ。
30分その場所に佇み、また自分の街へと車を飛ばした。
車庫に車を入れ、無性にサーティーワンのナッツ・トゥ・ユーが食べたくなって、夕暮れ迫る街を抜け、青森駅前へ。
西の空に、沈みゆく大きな太陽が浮かんでいる。
ファイア・レッドの大きな太陽。
こうして、また一日が過ぎてゆく・・・。
日本海側じゃなくて、太平洋の海が見たい。
夏の太陽に照らされた白い砂浜と、何処までも広がる海岸線。それも人気のない昼下がりの海がいい。
日曜日の静かな朝のオフィスに立ち寄り、書類を少し整理し、また鍵を掛けて外に出た。
市内は、靄(もや)が上空を覆っている。
でも天気予報では、今日は晴れ。暑くなりそうだ。
早めに八甲田連邦を抜ければ、お昼ごろには海に出られる。
三沢市の淋代海岸がいい。
淋代(さびしろ)という悲しい響きが気持ちをそそられる。
角松敏生のベスト「1981-1987」、山下達郎「Melodies」の2枚だけを棚から取り出して車に積んで来たので、準備は万端。
冷えたミネラル・ウォーターをコンビニで買い求め、初夏の緑が萌える八甲田の山奥深く入ってゆく。
山頂に、山が流した涙のような雪が、ほんの少しだけ残っている。
それさえ、もう数日で跡形もなく消えてなくなるだろう。
でも、この街の夏は余りにも短い。
8月上旬のねぶた祭りが終わると、この街には秋風が吹く。
萱野高原に出た。
初夏の美しいグダリ沼を見ていこうとも思ったけれど、そのまま窓を全開にして草原の一本道を走り抜けた。
十和田に入って、そこから三沢市内へ。
車内の温度計が28度。
山下達郎の「高気圧ガール」が流れ出したので、ボリュームをフルにした。青い空。太陽の光。眩しく輝く田園風景。
やがて防風林が見えて来た。
少し潮の匂いがする。海が近い。
淋代海岸に出た。
犬を連れた初老の男性が海岸沿いを散歩している。ほかに誰も人影は見当たらない。
太平洋が、目の前に広がっている。
群青色した夏の海。白い砂浜に波が寄せる。海風が心地よい。
僕は防波堤の上に腰を降ろし、夏の海を黙って眺めている。
午後の太陽の光が体を撫でる。
今の、この豊かな時間さえ、すぐに過去の思い出となって僕の前から消えてゆくのだ。
30分その場所に佇み、また自分の街へと車を飛ばした。
車庫に車を入れ、無性にサーティーワンのナッツ・トゥ・ユーが食べたくなって、夕暮れ迫る街を抜け、青森駅前へ。
西の空に、沈みゆく大きな太陽が浮かんでいる。
ファイア・レッドの大きな太陽。
こうして、また一日が過ぎてゆく・・・。