淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「the sound of the sea」

2009年06月28日 | Weblog
 海が見たくなった。
 日本海側じゃなくて、太平洋の海が見たい。
 夏の太陽に照らされた白い砂浜と、何処までも広がる海岸線。それも人気のない昼下がりの海がいい。

 日曜日の静かな朝のオフィスに立ち寄り、書類を少し整理し、また鍵を掛けて外に出た。
 市内は、靄(もや)が上空を覆っている。
 でも天気予報では、今日は晴れ。暑くなりそうだ。

 早めに八甲田連邦を抜ければ、お昼ごろには海に出られる。
 三沢市の淋代海岸がいい。
 淋代(さびしろ)という悲しい響きが気持ちをそそられる。

 角松敏生のベスト「1981-1987」、山下達郎「Melodies」の2枚だけを棚から取り出して車に積んで来たので、準備は万端。
 冷えたミネラル・ウォーターをコンビニで買い求め、初夏の緑が萌える八甲田の山奥深く入ってゆく。

 山頂に、山が流した涙のような雪が、ほんの少しだけ残っている。
 それさえ、もう数日で跡形もなく消えてなくなるだろう。
 でも、この街の夏は余りにも短い。
 8月上旬のねぶた祭りが終わると、この街には秋風が吹く。

 萱野高原に出た。
 初夏の美しいグダリ沼を見ていこうとも思ったけれど、そのまま窓を全開にして草原の一本道を走り抜けた。

 十和田に入って、そこから三沢市内へ。
 車内の温度計が28度。
 山下達郎の「高気圧ガール」が流れ出したので、ボリュームをフルにした。青い空。太陽の光。眩しく輝く田園風景。

 やがて防風林が見えて来た。
 少し潮の匂いがする。海が近い。

 淋代海岸に出た。
 犬を連れた初老の男性が海岸沿いを散歩している。ほかに誰も人影は見当たらない。
 太平洋が、目の前に広がっている。
 群青色した夏の海。白い砂浜に波が寄せる。海風が心地よい。

 僕は防波堤の上に腰を降ろし、夏の海を黙って眺めている。
 午後の太陽の光が体を撫でる。
 今の、この豊かな時間さえ、すぐに過去の思い出となって僕の前から消えてゆくのだ。

 30分その場所に佇み、また自分の街へと車を飛ばした。
 車庫に車を入れ、無性にサーティーワンのナッツ・トゥ・ユーが食べたくなって、夕暮れ迫る街を抜け、青森駅前へ。

 西の空に、沈みゆく大きな太陽が浮かんでいる。
 ファイア・レッドの大きな太陽。
 こうして、また一日が過ぎてゆく・・・。





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「NO END SUMMER」

2009年06月28日 | Weblog


    時はいつも同じ早さで流れ
    今年の夏もまた 夕陽と消えてく
       
  

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