淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

傑作! 韓国映画「チェイサー」は凄いっ! 今年のベストテン入りは確実かも。

2009年06月24日 | Weblog
 それにしても凄い映画である。
 緊張感を保ったまま、上映時間の約2時間が過ぎてゆく。
 まるで薄氷の上を、そーっと歩いているような恐怖に震える。

 ただ、韓国映画って、どうしてこう慈悲とか救済という部分が一切ないのだろう。
 傑作「グエムルの怪物」もそうだったけれど、最後の最後になっても、カタルシスとか希望とか救いとかを見い出せないまま、バッサリとすべての希望を切り捨ててしまうからだ。

 この映画「チェイサー」を観終えたあとも、何とも表現しにくい怒りやフラストレーションに襲われた。
 翌日、起きてからでも、その憂鬱でやるせない気分が続き、映画の影響は暫く続いている。

 こんな映画も珍しい。
 それほどインパクトのある映画だということだけれど・・・。
 現時点では、今年観た外国映画の中でベスト5に入る出来映え。

 韓国の映画賞を総なめし、ハリウッドでL・ディカプリオ製作によるリメイクも決定した。
 驚愕の新人ナ・ホンジン監督による、衝撃的な猟奇サスペンス映画だ。

 出張売春デリヘルを経営している元刑事のジュンホ。
彼は、店の女の子たちが相次いで失踪する事態に見舞われている。
 女性がいないため、風邪で熱を出している子持ちの女性のミジンに電話して、無理やり出勤してもらい、デリヘルに申し込んで来た一人の男性をあてがう。

 しかし彼は、ふとしたことから、疾走した女の子たちが最後に会ったと思われる客の電話番号が同じ事に気づき、その番号は直前に送り出したミジンの客とも一致していたことを突き止める。
 ミジンとの連絡が取れなくなって心配したジュンホは、真夜中の街でミジンの行方を追う。
 そして、些細な衝突事故を起こしたことがきっかけで、一人の不審な男と遭遇するのだが・・・。

 韓国では観客動員数500万人以上を記録して、大絶賛を博した。
 日本でも、各雑誌などの映画評を見ると、すこぶるその評価は高い。

 とにかく観ていただきたい。
 ただし、前段でも書いたとおり、そこに爽快感とか充実感とか前向きなものは一切ない。
 やりきれなさ、重々しさ、救いのない現実・・・そんな負の感情だけが観終えたあと、心の中に広がってゆくからだ。

 それでも「チェイサー」という映画、これからも様々なかたちで語り継がれてゆくことだけは間違いない。
 傑作である。





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