この映画は中々いい。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた。
主演のミッキー・ロークは、悲哀漂う孤独なプロレスラーの光と影を演じて、このたびのオスカーにノミネートもされた。
粗い粒子が画面を覆い、まるでドキュメンタリー映画を観ているような感覚に包まれる。
とにかく、ミッキー・ローク。ミッキー・ロークに尽きる。
監督は「π」のダーレン・アロノフスキー。
当然、この監督の手腕が映画自体を素晴らしいものにしているのだけれど、それさえ、ミッキー・ロークという稀有な、そして破天荒な人生を歩んで来た人間が演じたからこそ、この映画は活き活きと輝いているのだ。
そして、エンド・ロールに流れるのは、ミッキー・ロークの希望によって、ブルース・スプリングスティーンが書き下ろした曲。
ここまで決まると、言う事なし。
人気レスラーだったランディ。
でも、今ではスーパーで惣菜のアルバイトをしながら、月々の家賃も払えないほどの貧しい生活を送り、地方巡業のぶざまなプロレスを続けていた。
ある日、過激なパフォーマンスと、過酷な巡業、それから長年に渡るステロイド使用がたたり、ランディは心臓発作で倒れてしまう。
妻とも離婚し、一人娘とも絶縁状態になってしまったランディは、「命が惜しければ二度とリングには立たたないように」と医者に忠告される。
そんな彼も、場末のストリップ・パブで働く、子持ちの女に淡い恋心を抱くのだが・・・。
ダーレン・アロノフスキーの乾いた視点が、最後まで観る者を釘付けにする。
余りにもリアル過ぎて、痛々しいほどのプロレス・シーン。
そのリアリズム的手法だからこそ、まるで即興で会話しているような何気ない楽屋シーンも、妙に切なく、物悲しく感じることになる。
モデルは、ハルク・ホーガンあたりだろうか。
監督とミッキー・ロークは否定しているようだけれど、「ローリング・ストーン」日本版のハルク・ホーガン「インタビュー」を読んだら、本人は「俺を真似ている」的な発言をしていた。
やはり映画を観ていると、どうしても2人が重なってしまうのである・・・。
この映画の基底には、悲しさや切なさが流れている。
予定調和で、ストーリーも単純だ。でも愛しさがある。孤独や侘しさが漂っている。
「レスラー」、◎である。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた。
主演のミッキー・ロークは、悲哀漂う孤独なプロレスラーの光と影を演じて、このたびのオスカーにノミネートもされた。
粗い粒子が画面を覆い、まるでドキュメンタリー映画を観ているような感覚に包まれる。
とにかく、ミッキー・ローク。ミッキー・ロークに尽きる。
監督は「π」のダーレン・アロノフスキー。
当然、この監督の手腕が映画自体を素晴らしいものにしているのだけれど、それさえ、ミッキー・ロークという稀有な、そして破天荒な人生を歩んで来た人間が演じたからこそ、この映画は活き活きと輝いているのだ。
そして、エンド・ロールに流れるのは、ミッキー・ロークの希望によって、ブルース・スプリングスティーンが書き下ろした曲。
ここまで決まると、言う事なし。
人気レスラーだったランディ。
でも、今ではスーパーで惣菜のアルバイトをしながら、月々の家賃も払えないほどの貧しい生活を送り、地方巡業のぶざまなプロレスを続けていた。
ある日、過激なパフォーマンスと、過酷な巡業、それから長年に渡るステロイド使用がたたり、ランディは心臓発作で倒れてしまう。
妻とも離婚し、一人娘とも絶縁状態になってしまったランディは、「命が惜しければ二度とリングには立たたないように」と医者に忠告される。
そんな彼も、場末のストリップ・パブで働く、子持ちの女に淡い恋心を抱くのだが・・・。
ダーレン・アロノフスキーの乾いた視点が、最後まで観る者を釘付けにする。
余りにもリアル過ぎて、痛々しいほどのプロレス・シーン。
そのリアリズム的手法だからこそ、まるで即興で会話しているような何気ない楽屋シーンも、妙に切なく、物悲しく感じることになる。
モデルは、ハルク・ホーガンあたりだろうか。
監督とミッキー・ロークは否定しているようだけれど、「ローリング・ストーン」日本版のハルク・ホーガン「インタビュー」を読んだら、本人は「俺を真似ている」的な発言をしていた。
やはり映画を観ていると、どうしても2人が重なってしまうのである・・・。
この映画の基底には、悲しさや切なさが流れている。
予定調和で、ストーリーも単純だ。でも愛しさがある。孤独や侘しさが漂っている。
「レスラー」、◎である。