考えるための道具箱

Thinking tool box

◎『ツァラトゥストラ』を昇格課題図書に。

2011-02-04 21:05:47 | ◎業
『ツァラトゥストラ』を昇格課題図書に、というのはあながち冗談ではないんですよね。僕自身が『ツァラトゥストラ』を読みきれているのか、という問題は棚にあげておくとして、たとえ読みきれなくてもこういった「世界の考え方」が存在するということを知るだけでも意義があるのではないか、という提言です。

そういった意味では『ツァラトゥストラ』と特定しているわけではなくフーコーでも切手でも郵便でもいいわけだし、コミュニケーションと表現を生業とする仕事に限った話ではある。

たとえば、『ツァラトゥストラ』とすれば、雑駁ではあるけれどいくつかその効能について列挙してみると……。
●いまの日本のマスメディア(とくにテレビ)では、あまり目のすることのない、「考え方の枠組み」がある。
●いまの日本のマスメディア(とくにテレビ)では、あまり目のすることのない、「言葉の使い方」がある。
●「悟性⇒感性の飛躍」サンプルがある。
●受動的で画一的に行動する大衆、という存在を客体としても主体としても見る目と心が涵養できる。
●「自らの意思、価値観をもつこと」の重要性と、「意思、価値観」を明示し消すことにより見えてくる他者との距離感がわかる。
●人生の無意味さとの折り合いのつけ方がわかる。
●人生の絶望と希望がある。
●複雑と混乱に光を与える箴言、と捉えるだけでも行動を変えるヒントになる。
●パニックを片付ける論理的で合理的な順番についてノウハウが身につく。

ざっとこんなところ。いちばん最後はちょっとあやしいか。いずれにしても本質が理解できなくとも、「あれ?こんな言葉や思考のフレーム、初めて聞くなあ」ぐらいの感覚はもてるんじゃないだろうか。

これが仕事に役立つんですか?と目くじら立てて問われると、役に立つと思っているんだけどなあ、僕が目指している仕事のあり方ということに限れば……いやまあセミナーとかよりは……ということになる。おもに対話の幅のつけ方。さらに、暴力と罠と掠奪の見抜き方。ユーモア。すらすら頭に入ってこないことを解読しようとするときの持久力。危機を乗り越える冷静さ。全体観、関係性への執着。

だから別に『ねじまき鳥クロニクル』でもいいわけだが、つまり『ねじまき鳥クロニクル』でなければならないということでもあり、言うまでもなくそこで感じて欲しいのは、歴史の延長時にいまここがあるとか、暴力とか他者の定義とかそんなような話になる。
つまり、ソーシャルとか、コンテンツとかコンセプトとかコミュニケーションとかいう以上は、それらを成り立たしている大元のところについての関心が必要じゃないか、大海をうまく渡っていくための世の中のからくりについて自分の考えをもっておく必要があるんじゃないかという話。もちろん、学校じゃないんで採点なんかしません。経験と内験だけでオッケー、昇格決定。

つーか、物知りと話していたら楽しいでしょ、テレビの話されても困るよねって話かもしれないな。

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