携帯電話を無くした。最後に使ったのは昨日立川の居酒屋で、確かにバックパックに入れたつもりだったんだが…。したたか酔っぱらっていたしな。老耄の身は情けなし。朝からどど~んと落ち込んだ。
大学の卒業式は決まって3月25日なのである。コースの学位記授与に間に合えばよいのだが、早めに出掛けて「高七」に一番乗り。これが大正解で、15人の予約などが入っていたから、店はたちまち超満員。仏文のK教授も、空しく帰って行かれた。
ハートランドで喉を潤し、掻揚げ付きをお願いする。「高七」の搔揚げは絶妙に生姜が絡めてあって、えも言われぬ美味さである。カウンターの隣に座ったお客も、掻揚げだけ追加していた。大根の天麩羅が絶品であることいふもさらなり。昨日は「無庵」、今日は「高七」と、生けるしるしあり。昼から飲めるしなあ。掻揚げ食わずんば人に非ず!
どたばたして大学院の学位記授与の途中から会場へ。続いて学部生への授与。主任が一人一人呼名して、授与して行く。学部の総代は我がコースから出た。面目といふもおろかなり。
引き続き会議室で会費1000円の「謝恩会」。数年来の伝統だが、これはとてもスマートだと思う。花束をいただく。別に、卒論指導をした女子学生たちから、それぞれ頂き物をした。お気遣いいただき恐縮である。中身は例によって酒らしい。一人は卒業間際になって、内定をもらっていた会社がどうしてもいやになり、教職に就きたいと言い出したので、慌てて口を紹介したが、非常によい結果が得られ大喜び。これは「運」と言うしかない。
16:30から博士学位授与者の祝賀会へも顔を出す。主査を務めたEさんは母堂とご一緒だった。ご結婚も決まって頂好、頂好。学長と記念撮影。今日の学長は、記念撮影が仕事だろう。会場で教務部長殿とお話できたので、人事の件について念を押しておいた。誰に言うべきかよく分からんが、6月までには何とかして欲しい。
道でE学部のS教授とすれ違い、ご挨拶した。お弟子さんに新年度から高校の生物の教諭にご着任いただくし、生徒が研究室訪問でお世話になったお礼を申し上げた。S教授とは時々「高七」でご一緒になるので、今日は「高七」で始まりS教授で終わる卒業式の一日であったよ。
さて、無くしたと思った携帯電話は、やはり立川の居酒屋に忘れていた。問い合わせたらあ「ありますよ」と言われる。きょうびノキアの携帯で、輪ゴムで電池の蓋を押えているのなんか、見向きもされないことであろう。どうも掘り炬燵式座席の、穴の中に落していたようだ。大学から立川へ移動し、駅構内でお菓子をもとめて、居酒屋へ行って引き取った。
同居人は大学の同期生と食事だとかで、まだ帰っていなかった。すると今度は、眼鏡をどこに置いたかものか見当たらない。もう、ほんまに情けない。風呂に入ったから…。結局、新聞紙を積み上げた間に入り込んでいた。先は長くないように思う。人事の件、よろしくお願い申し上げ候。