史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

蒲田

2014年09月13日 | 東京都
(安泰寺)


安泰寺

 京急蒲田駅の東口を出て、商店街の中を五分ほど歩くと右手に安泰寺がある。安泰寺墓地に、月形潔の墓がある。今年の三月に月形町を訪ねて以来、月形潔の墓の在り処が気になっていた。今般、「北の墓 ~歴史と人物を訪ねて」(合田一道・一道塾 柏鵬舎)という本を入手して、初めてこの寺のことを知った。


月形家之墓

 傍らの墓標に、「浄潔院忠誉義徹居士 明治二十七年一月八日 行年四十八才 篁村 月形潔」とある。
 月形潔は、弘化三年(1846)、月形健の長男に生まれた。月形健は、福岡藩の勤王の志士月形洗蔵の弟。幕末、福岡藩で勤王党が弾圧されたとき、月形潔も一族とともに拘束・投獄された。維新後、新政府に出仕した。北海道における集治監候補地調査を命じられ、石狩川上流のシベツブト(現・月形町)を選定し、明治十四年(1881)この地に樺戸集治監が建設され、初代典獄(署長)に任命された。村人は月形潔の功績を称え、同地を月形村と命名することを提案した。極寒の地における激務が祟った月形は、肺を患って辞任。郷里の福岡で静養したが、明治二十七年(1894)、四十八歳で他界した。


春耕月形先生墓

 同寺の無縁墓地には、月形潔の父(月形洗蔵の父深蔵の弟)、月形健の墓石がある。

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