史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

鶯谷 Ⅳ

2017年09月15日 | 東京都
(静蓮寺)
 鬼子母神の二軒くらい隣に静蓮寺という寺がある(台東区下谷1‐12‐21)。コンクリート製に建て替えられており、歴史を感じることはできないが、高村光雲の「幕末維新懐古談」(岩波文庫)によれば、師匠高村東雲の墓がここにあるというので、土曜日の午前中、八王子から往復した。


静蓮寺


高村家之墓

 さして広くない墓地に墓石が並んでおり、その一つひとつを確認して歩いた。ようやく高村家の墓を発見したが、側面に名前のある「高村晴雲」は、「幕末維新懐古談」にも「私の弟子には違いないが、家筋からいえば私の師匠筋の人 ――― 私の師匠東雲師の孫に当たる高村東吉郎君(晴雲と号す)があります」と紹介されているその人である。残念ながら東雲の名前を見付けることはできなかった。

 高村東雲は、文政九年(1826)の生まれ。仏師高橋鳳雲の門に入り、十一年間徒弟として修業し、年季明けて独立し、高村東雲と称し、浅草蔵前森田町に仏師として立った。その後、浅草諏訪町、ついで駒形町に転居。さらに蔵前北元町に移った。明治十年(1877)、第一回内国勧業博覧会に「白衣観音像」を弟子光雲とともに共作して出品、竜紋章を受けた。明治十二年(1879)、年五十四にて没。

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